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【10】悪の夫夫?は永遠に……※
しおりを挟むしかし、王位に関してはその“付属品”にすぎない。
実のところアランにギャスパーが復縁を迫ったのは、あの夜会が初めてではない。
以前から招待された貴族の茶会や夜会にて、アランが一人になったところを狙って近づき、あのようなバカな戯言をいってきたのだ。
それをアランはあの夜会まではっきりした態度を取らずに、あいまいにかわしてきた。
断ったところで、あのバカは自分の思い通りにならないことには“しつこい”。王太子という立場もやっかいだった。優柔不断で一人息子には甘い、父王の存在も。
ギャスパーが復縁を迫ってきたことは、すべてグレームに話していた。夫の下した決断にアランもまた賛同した。
あのバカには“表舞台”から去ってもらう。
そこで協力してもらったのが、隣国のランドゥム大公だ。彼の弟はグレームの母。つまりグレームにとって大公は伯父にあたる。
本来ならば彼の母のマルーは、ギョーム王と結婚するはずであった。ところがギョームは“真実の愛”とやらに目覚めて、自国の伯爵令息を正式な伴侶として迎えてしまった。そうして生まれたのがあのバカ王子ギャスパーだ。
その伯爵令息はギャスパーを産んだ直後に亡くなっている。産後の肥立ちも悪かったのもあるが、身分違いの結婚の心労が重なったともいわれている。
残された愛する人の一粒種をギョーム王は溺愛し、あの立派なバカ王子の出来上がりだ。
さてギョームに捨てられたマルーは、そのギョームの弟であるアルノールと結婚した。兄の責任をとる形での結婚であったが二人の関係は円満だった。あのバカ王子ギャスパーより先にグレームが生まれたのでもわかるというものだ。二人が馬車が崖から落ちる事故で亡くならなければ、未だ仲の良い夫夫であったろうとはグレームの語る両親の思い出だ。
こんな事情でもとよりランドゥム大公はギョームとギャスパー親子に対してよい感情は持っていなかった。甥であるグレームが宰相だからこそ両国の関係は保たれていたのだ。
そこで前もって大公には“ご説明”しておいて、しかけたのがあの王太子ご乱心劇だ。
舞踏会となればギャスパーがアランをあの部屋にひっぱりこむことはわかっていた。彼は夜会となると度々あそこに“火遊び”の相手を招いていたから。
そしてグレームは「落ち着いた場所で話をしましょう」とランドゥム大公とギョーム王とともに、その部屋へとむかった。聞こえる息子の怒鳴り声に、青ざめるギョームをよそに、グレームは扉を開け放ち。
あとは説明するまでもない。隣国の大公殿下の前で王太子が叔父の伴侶であり公爵夫人である、身分ある貴人に「愛人になれ」と迫るとんでもない醜聞。しどろもどろのギョームは予想通りにギャスパーの精神不安定を口にし、それを大公とグレームが“乱心”と決めつけてしまえば、あのバカの処理は完成だった。
「……わたくしは元の“冷血”に逆戻りです」
「とんでもない、お前はこんなにもあたたかい」
ベッドにゆっくりと倒れ込んで、唇を触れあわせる。
「あなたも鋼鉄宰相などとんでもない。こんなにも熱い方だったなんて……あ……」
「ならば、噂は全部はずれだな」
ひたいにまなじりに押し当てられる唇は、鋼鉄宰相なんてあだ名が、信じられないほど熱い。唇を重ねて唾液を交歓しあう。のけぞった白い喉に、噛みつかれて「はく……」と息をした。
「あ、あ、あ……胸は…ぁ……」
「ここもよく感じるようなった」
コロコロと乳首を親指の腹で転がされてあえぐ。じゅっとキツく吸われて「きゃあ」と声をあげた。
下を思わず見れば、男の肉厚の舌が立ち上がったルビーのように赤い粒を舐めているのが見えた。その淫靡な光景に息をのむ。
「わ、わたくしも……」
手を下に伸ばせば、胸で遊ぶ怜悧で端正な顔とは裏腹、そのに立ち上がるものは、火の様に熱い。掴んで懸命に扱けば「ふふふ……」と笑われる。
「冷血といわれたお前が、その白い手で私の息子を可愛がっていると思うと、たまらんな」
「鋼鉄宰相と呼ばれた……あなたこそ……たしかにここをこんなに……かたく…なされて……あ、あ……」
「これでどうして欲しい?」とささやかれて「わたくしを欲しいのは……あなたでしょう?」と不敵に微笑んで挑発したら、朝まで溶けるほど啼かされた。
鋼鉄王と冷血の番と畏れられた二人は、よく国を治めて、ますます王国は繁栄したという。
END
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完結!おめでとうございます!!
アランとグレームの熱々夫夫に当てられてます〜🤭💕
ありがとうございます!!
わぁ♥秒で元が付いたよ(笑)
前のお方…やらかしてくれるなぁ〜(笑)
やらかしまくりですw