32 / 120
どうも魔法少女(おじさん)です。【2】~聖女襲来!?~おじさんと王子様が結婚するって本当ですか!?
【9】おじさん舐められる※ その1
しおりを挟むケンカして仲直りの仕方もわからず、三日間、寝てるおじさんを抱き枕よろしく抱えて、悶々としていただろう若い恋人の好きにさせてやろうとは思った。
顔中に口づけられて……まあ、これはいつものことだ……無精髭のおじさんの顔にちゅっちゅっするのが好きか?と思う。まあ、おじさんも王子様の形の良いひたいや、精悍な頬におかえしとばかりちゅっちゅしてやってるが。
首筋から、肩、腕ときて、コウジの節くれ立った指に口づける。その爪の先まで甘く噛まれるのも、いつものことだ。
それから胸。男の乳首吸って意味があるのか?と思うが、残念なことにすっかりそこは開発されてしまっている。吸われて軽く歯を立てられれば、触れられてもいない下半身がうずく。おじさんのおじさんがゆるりと立ち上がる。
腹筋がうっすら浮き出た薄い腹。腹が出てないのが唯一の自慢といえば、自慢かもしれない。ヘソまでなめられた。乳首とちがって正直こそばゆいだけのはずなのに、ずくりと尾てい骨から熱が上がった。
普段は前髪をあげているジークの銀の髪がすっかり乱れて、脇腹をさらりとなぞるのにもゾクゾクする。その髪に指をからめて、腹から下に顔が下がるのにいよいよか?と思ったが、太ももの内側をぺろりとなめられて柔らかな肉に歯を立てられる。
するりと伸ばした指から銀の髪の毛がすり抜けた。頭はさらに下へと膝小僧にちゅっと可愛らしいリップ音立てて口づけられた。
肩透かしを食らった気分で、ふくらはぎをたどる男の唇に、それでもびくびく細い足が跳ねた。引き締まった足首にも歯がたてられて、くるぶしをぺろりと舐められた。それから、足の小指を口に含まれしゃぶられて。
「おい……嘘、足の裏舐める……とかっ!」
悪役が相手の顔を踏んづけて俺の靴底を舐めろとかってのは定番だが、王子様が率先して舐めるか。いや、靴じゃなくて裸足の足だけど、土踏まずのあたりを舌でちろちろくすぐられて背にぞくぞくとしたものが走るのに、こんなところが感じるなんて知らなかった。なんか禁断のフェチの扉を開きそうだ。
コウジの頭の先から足のつま先まで文字通り、舐めて王子様は満足したのかと思ったら。
今度はうつ伏せに引っ繰り返された。首の根元をキツく吸われて、また振り出しにもどったのかよ!と思う。
今度は背中に口付けの雨が降る。痩身の浮き出た肩甲骨に歯を立てられて「あ……」と声が上がる。背のくぼみをたどる舌先がたまらず、しなやかにのけぞる。
背中には性感帯がけっこうに集中している。無防備な場所がそんな敏感でいいのか?とか無防備だからこそなのだろうか?いや、コウジにはそんなこと考えている余裕はなかった。
好きにさせてやろうと思ったけれど……。
限界だ!
「いつまで、舐めたり、吸ったり、噛んだりしてやがる!さっさとヤレこのっ!」
ぶち切れて首だけねじ曲げて叫んだら「わかった」と腰を持ち上げられた。尻を突き出すような形なって、まさかこのままツッコむとは思わない。この王子様、愛撫はねちっこいのだ。いま、まさに全身舐められたわけだが。
しかし、そんなところまで口をつけてくるとは思わなかった。
開かれた尻のはざまに濡れた感触。思わず「ひぎゃっ!」と色気のない声をあげてしまった。
いや、おじさんは設定童貞だが初心でもないし乱読家なので、なんかの官能小説でそんな場面は読んだことはある。実際にそういうことをしてる奴らもいるかもしれないが。
あの王子様の端正な顔が、男の尻に埋まってるなんて、よくないだろう!
「そ、そこは汚いぞ!お前、す、すぐ離せ!口ゆすいで……うがい……しろっ!」
「大丈夫だ。浄化の魔法を同時にかけている」
こんなことに魔力の無駄使いとはコウジは言わない。たしかに男同士であれこれするには、コウジがやってきた世界では色々と手間暇がかかることは、これも乱読家の知識にある。正直、男女のそれよりかなり面倒くさい。
が、この世界には魔法がある。浄化の魔法一つでどんな場所もキレイキレイ。初日からこの王子様は、それを駆使して、おじさんと安心安全なセーフティセックスを心がけてくれた。
「い、いや、そういう問題じゃなくて……やっぱり、これはねぇ……うわぁっ!馬鹿っ!舌入れるなぁ!」
やばいことに香油をまとった指とは、また違う感覚にゾクゾクした。というか、少し遅れて入ってきた指にも、びくびく感じた。
こうなるともう、くずくずに身体が解けていく。……というか、散々焦らされたせいでいつもより早い。自分の身体の輪郭がとけて、抱いてる男の思うがままに形を変えるようなそんな感覚。
「あっ!はうっ!」
そのまま後ろからあぐらをかいた上に抱きあげられて貫かれた。濡れて柔らかくなった内壁は、雄を奥まで一気に受け入れる。硬くて長くて太いそれにしゃぶるように絡みつくのがわかる。
同時に触れられてもいないのに腹を濡らす。見おろせば半ば立ち上がった自身は、ふるふると震えて、とろとろと名残ともいえない蜜をこぼし続けていた。
「くっそ……やば……あがっ…た……まん…ま……戻れ……ねぇ……!」
ぐいと突き上げられて喉から自分のものとは思えない甘ったるい声が漏れた。ガツガツと攻める若い動きに合わせてコウジも腰を揺らす。
イッているのに終わらない。男の性はもともとあっさりしているものだ。出せば終わりなのに自分を後ろから抱きしめて、うなじに愛おしげに口づけてる、この若い男が自分の身体を変えた。
「こっ…の……責任……とれっ!」
「だったらあなたも責任を取ってもらわないと」
「なにを……だ?」
「私をあなた以外ダメにした罪」と低く甘い声でささやかれて、言うようになったじゃねぇか……とコウジは振り返りざま青年の首を引き寄せて、口づけたのだった。
297
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています
水凪しおん
BL
前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。
そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。
アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。
しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった!
リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。
隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか?
これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。