【完結】極道聖女

志麻友紀

文字の大きさ
57 / 62

【57】※

しおりを挟む



 チュニックを開いて確認したシグアンの胸の中央には、見覚えがある傷。
 それは銃創。
 心臓に一発。
 致命傷だ。
「くそっ!」
 流れる血を止めたくて、その傷にぎゅっと両手を押し当てた。ぬるりと手が滑るのを留めて、癒やしの気を送る。
「無駄…だ……」
 口からごぼりと血を吐きながら、シグアンが言う。
「【大蝕】の珠を呑み込めば……いつも……こうなる。私は死……」
「黙れ! それ以上言うんじゃねぇ!」
 心臓に弾丸を食らっても、すぐには死なない。
 しばらくは動けるし、しゃべれる。
 だからといって、致命傷なのは変わらないが。
────それでも、こいつを絶対死なせねぇ! 
 しかし、胸の穴はいくら癒やしの気を送っても、塞がらない。
────くそったれ! 俺は聖女様だろうが! 
 そのとき、気付いた。
 シグアンのズボンを押し上げて膨らんでいる。
 こんなときなのにとか、滑稽だなんてもちろん微塵も思わなかった。
 生き物は死に瀕すれば、生きたいと思う。
 生殖本能が刺激されるのも、その一つだ。
 ジョウは、シグアンの下履きの中に手を入れて、灼熱の棒のようになっているそれを、握りしめて扱く。血まみれの手のそれが潤滑油となって、ぬるぬると滑りがいい。
「う……」
 シグアンが眉間に皺を寄せてうめく顔をじっと見る。感じているなら、まだ生きられるな……と。
────いや、こいつは生きる! 
 ズボンをずらせば勢いよく飛び出てきたモノを見て、ジョウはごくりとつばを飲み込んだ。
 それを見たとたん、自分の下腹もずくんと熱くなった。
 生と死の狭間で興奮するのは悪趣味だろうか。
 刹那そんなことを考えたが、すぐに自分も下履きごとズボンを脱ぎ捨てて、下半身裸となる。男の身体にまたがって、腰を下ろした。
「くっ……っ!」
 先っぽが穴にめり込むだけでイテェ。いくら血でぬるぬるとはいえ、めりめりと音がしそうだ。
「おジョウ、なにを?」
「お前は黙って……俺に抱かれてろ!」
 いや、この場合違うのか? とか激痛の中、思う。というか、本当にイテェのでそんなこと考えながら、散らす。
────いや、俺がこいつを尻で抱くんだ! 
 まったくどんだけでけぇんだよ! 他のヤツなんて微塵も知らねぇけど! と心の中で叫びつつ。
 『根性見せろやぁ! コラぁ! 』と己を叱咤し、強引に腰を落とす。やっぱりメリメリと音が聞こえるようだった。
 苦労したのは先っぽの一番太い部分だった。そこが入ってしまえば、あとはシグアンの血と……この激痛からして自分の血も混ざっているかもしれない……そのぬるみですとんと自重で根元まで一気に。
 「うわっ!」と思わず声をあげ。
「ぜ、全部はいった……かっ!」
 ほっと息をついた途中で、ぐいっと下から突き上げられた。
「うっ! くっ! ううんっ! ぐうっ!」
 腰に指が食い込むほど掴まれて、激しく突き上げられる。灼熱の鉄棒で腹の中をかき回されているようだ。
「な…んだ……元気じゃねぇ……かっ!」
 激痛の中、それでもジョウはふわりと笑った。
 シグアンのギラギラ輝く黄金の瞳が、自分を見上げている。
 【荒神】化だ。今さっき死にそうな時は、そうなる力もなかったのに。
 それが成ったということは、聖人が聖女を求めているということ。
 まだこいつは生きる。
「よかった……」
 その精悍な頬に手を伸ばし撫でれば。
 二人の血が合わさった、真っ赤な指の線が出来た。

 痛いとか苦しいとか。
 もう下半身の感覚はない。
「ふっ……はっ! あぅっ!」
 ただ揺さぶられてジョウは息なのか、うめき声なのか吐き続ける。
 そして、もう赤黒く乾きかけた赤い血。それに染まった手の平で、男の胸の中央に触れる。
 傷はもう、すっかり塞がっていた。
「ひうっ!」
 お返し? でもないだろうが、男のデカい手がジョウの胸に触れる。左の乳首をきゅっと摘ままれて、声があがる。
 男の乳首なんて……と思ったが、じんわりと切ない感覚が左胸から広がっていく。
 しばらく乳首をくりくりと弄んでいた手が、割れた腹筋を撫でて、さらに下、足の間のモノを握りしめられる。
「んっ! あっ! え?」
 戸惑いの声をあげたのは、下半身の感覚はなくて、当然うなだれていると思った、自分のそれがそそり立っていたことだ。デカい手に握りしめられて自覚した。
「ふ、ふふっ! 俺も勃って……いるのかよ……っ!」
 そう自覚してしまえば、感覚が無かったはずの下半身の、繋がった部分から甘く痛いしびれるようなものが花開くように広がっていく。
「あっ! んあっ! はあっ!」
 初めの横たわったシグアンにまたがる姿勢から、シグアンが身を起こして、向かい合わせ。力強く突き上げられて、甘い声を上げる。
「おジョウ……」
「なんだ、正気に戻っていたのか……よ?」
 名を呼ばれて、間近にある男の瞳を見る。その赤い目にはまだ、欲情の炎が宿っていた。
「いいぜ、いくらでも……ふあっ!」
 かぶりと口に食いつかれるように口づけられる。ジョウも男のたくましい首に腕を回して、それに応えた。







しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。

時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!? ※表紙のイラストはたかだ。様 ※エブリスタ、pixivにも掲載してます ◆この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」もあります。そちらも気になったら覗いてみてください。 ◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います

きっと、君は知らない

mahiro
BL
前世、というのだろうか。 俺は前、日本という国で暮らしていて、あの日は中学時代にお世話になった先輩の結婚式に参列していた。 大人になった先輩と綺麗な女性の幸せそうな姿に胸を痛めながら見つめていると二人の間に産まれたという女の子がひとりで車道に向かい歩いている姿が目に入った。 皆が主役の二人に夢中で子供の存在に気付いておらず、俺は慌ててその子供のもとへと向かった。 あと少しで追い付くというタイミングで大型の車がこちらに向かってくるのが見え、慌ててその子供の手を掴み、彼らのいる方へと突き飛ばした。 次の瞬間、俺は驚く先輩の目と合ったような気がするが、俺の意識はそこで途絶えてしまった。 次に目が覚めたのは見知らぬ世界で、聞いたことのない言葉が行き交っていた。 それから暫く様子を見ていたが、どうやら俺は異世界に転生したらしく………?

美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。

竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。 男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。 家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。 前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。 前世の記憶チートで優秀なことも。 だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。 愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。

処理中です...