2 / 2
エルフとちゃうんか?
しおりを挟む
婚約者は後で締めたるとしてや。
「うち、いつまでこんなとこおらなあかんの?」
もう疲れたわ。立ってるの。しかもうちが呼ばれたの夕方やで?腹減ってもうた。
「そうですね。それではこちらへ」
いっちゃん前におった爺ちゃんくらいの年齢の人が手招きしよる。
なんでかは知らへんけど、うちと他の人らの間に妙な溝を感じるんや。なんでやろな?
「あ、なぁなぁ、あんた。名前何ていうん?」
カッコええ男がうちの隣に並んだで!これチャンスとちゃうか?
やっぱ名前知っとかなあかんよな。恥ずかしいけど、いつも通り振る舞うんや!それに失礼やろ?ずっと「あんた」呼ばわりじゃ。
「俺はカイルだ」
ほっほー!カイルって言うんか!これはまたカッコええ名前やな。うちの旦那にぴったりやわ。
「うちは優香や。ゆうって呼んでや!」
カイルは名前だけやったし、もしかしたら名字なんてあらへんのかな?名字は聞かれた時に答えればええか。
「カイル!天使様になんて口聞いてるんだ!謝れ!」
ちょ、そんなバシーン!って叩かんでもええやろ!ここは体育会系なんか?いや、ちょぉ待て。なんや耳長くないか?もしかしてエルフって奴か!?そんで美形ばっかりなんかー!
「カイル!あんたもしやエルフかいな!」
「エル……?聞いたことない言葉だが、お前がそう思うんならそうなんだろう。お前ん中ではな」
な、な、なんやてぇ!?
そのネタ知っとるとかどう考えてもおかしいやろ!さてはカイル、日本に来たことあるんとちゃうか?
「うちはお前じゃない、優香や!」
「……そうか」
よーやっとわかってくれたか。
ほんまにひどいなぁ。ちゃんと名乗ったのにお前って!
けどそこがまたイイ!カイルに名前呼ばれたらうち、変になるかもしれへんな。どうすればええ?
「着きました。ここが我々の住む街です。天使様」
「へぇ!潮の香りすると思うてたらこんな海に近いんか!ええとこやなぁ。長閑で自然を感じる。日本とは大違いや」
「気に入って頂けてよかったです。街役所に着いてから、いろいろと説明させて頂きますね」
「そういや何も聞いてへんかったな。そんでええよ」
にしても、うちのこと天使とか今でも信じられへんわ。天使言うたら普通白やろ?うちの格好制服やから真っ黒やで。髪の毛も真っ黒の短髪や。
街に入ったらめちゃくちゃ見られた。さっきは高台みたいなところにおったから、そっから下山して今は街に入っとるんや。
簡単に言うとやな、山があって海があって、街を川……じゃないな。これは堀言うんか?それがある。防衛戦やったら相当強いと思うで、これ。
「ここが街役所です」
そう言うてズカズカ入って行きよった。うちも付いていったら街役所におった人らが道を開けてくれるんや。
うちなんかのためにわざわざスンマセンなぁ。
「天使様、どうぞお座りください」
「おお、サンキューな。って座布団やないか!異世界にもあるんかぁ」
座布団が出てきてちょっとばかし調子狂ってもうたけど、これからうちが現れた理由を説明するらしいわ。
「天使様が現れたのは、神の思し召しです」
……は?
それだけ!?それだけかいな!?舐めとるわ、この爺ちゃん。
「私たちはいつものように参拝していたのです。あの社には神がお住まいだという言い伝えがあります。過去に神が現れたことはありませんが、天使様ならあります!そして現れた!あなたこそ私たちの救世主なのです!」
「ちょ、ちょぉ待ってぇな!」
「はい?何か、おかしなことでも?」
こ、この爺ちゃんいてこましたろか……。ツッコミどころ満載やわマジで。
「まず、うちは天使じゃあらへん」
「……!?」
「そんでうちは異世界から来たんやけど、今日だけ特別なことしたとかあらへんの?」
「今日だけ、ですか?そうですね。特には」
「そーかそーか。なら偶然ってことやろな。たまたまうちがこっちに来る時、あんたらがおった。そんだけのことやろ。もう天使言うんやめてな。うちは優香や」
「は、はぁ。しかし、街は今危険な状態です。優香様を放っておくことなど……」
「あ、なぁなぁ、余ってる家とかあったら貰えへんか?異世界来たら生活の基盤作んのが一般やからな。まずはそれせんといかんわ」
生活の基盤出来たら、今度はカイルを旦那として迎えるんや!
「そ、そんな恐れ多い!」
「てかさ、危険な状態ってどういうことなん?」
「それは……」
なんや、言葉に詰まるんか?そんならわざわざ口に出さんでええのに。
「言われへんねやったら言わんでもええよ」
「そんなことはありません。言いましょう。今、下等な人間どもが私たちの街を攻め落とそうとしているのです。優香様が天使様だったら、すぐに事は済んだのですが」
嫌味かいな。
うちかて好きでこっち来たんとちゃうんやで?早々に馴染んどるけど、ほんまにちゃうからな。
でもまぁ、カイルに会えたから良しとするわ。
けどな、下等な人間どもってなに?うちも人間……人間やんな?
「下等な人間どもってどういうことや。あんたらちゃう言うんか?」
「当然です。私たちをあんな低俗な輩と一緒にしないで頂きたい」
「なら、あんたらなんなんや?」
「はい。私たちは半天使族です。世界中に散らばり街を作り、監視する。それが役目です」
「え!エルフちゃうの!?」
「そのエルフというのは聞いたことがございません」
「ちなみに半天使族ってのは?」
「人間の上位種族です。耳が長く、髪が緑の者をそう呼びます」
それってエルフちゃうの?てか、ちょっと待ってな。うちのこと天使とか呼ぶけど、あんたら半天使族なんやろ?なんでうちが天使であんたらが半天使族なんや……。
「しかし、私たちには人間にはない天法を扱うことができます。このように」
爺ちゃんが手のひらから水の球出したで!凄いな!これって魔法なんか?あ、でも人間にはないって言うたよな。
あ~、異世界きて魔法ないとか地獄やろ!
それにしても、や。魔法も使えたらますますエルフやん。なんで名前エルフじゃないん?
「なぁ、なんで天使族じゃなくて半天使族なん?」
「人間よりも上位であり、しかし天使様と同じなどと恐れ多い。そこで間をとって半天使族と名乗ることになったのです」
あー、つまり自称なわけやな?
住んでるとこはエルフの特徴とはちゃうけど、身体的特徴はエルフそっくりやし、もううちはエルフって呼ぼ。
「うち、いつまでこんなとこおらなあかんの?」
もう疲れたわ。立ってるの。しかもうちが呼ばれたの夕方やで?腹減ってもうた。
「そうですね。それではこちらへ」
いっちゃん前におった爺ちゃんくらいの年齢の人が手招きしよる。
なんでかは知らへんけど、うちと他の人らの間に妙な溝を感じるんや。なんでやろな?
「あ、なぁなぁ、あんた。名前何ていうん?」
カッコええ男がうちの隣に並んだで!これチャンスとちゃうか?
やっぱ名前知っとかなあかんよな。恥ずかしいけど、いつも通り振る舞うんや!それに失礼やろ?ずっと「あんた」呼ばわりじゃ。
「俺はカイルだ」
ほっほー!カイルって言うんか!これはまたカッコええ名前やな。うちの旦那にぴったりやわ。
「うちは優香や。ゆうって呼んでや!」
カイルは名前だけやったし、もしかしたら名字なんてあらへんのかな?名字は聞かれた時に答えればええか。
「カイル!天使様になんて口聞いてるんだ!謝れ!」
ちょ、そんなバシーン!って叩かんでもええやろ!ここは体育会系なんか?いや、ちょぉ待て。なんや耳長くないか?もしかしてエルフって奴か!?そんで美形ばっかりなんかー!
「カイル!あんたもしやエルフかいな!」
「エル……?聞いたことない言葉だが、お前がそう思うんならそうなんだろう。お前ん中ではな」
な、な、なんやてぇ!?
そのネタ知っとるとかどう考えてもおかしいやろ!さてはカイル、日本に来たことあるんとちゃうか?
「うちはお前じゃない、優香や!」
「……そうか」
よーやっとわかってくれたか。
ほんまにひどいなぁ。ちゃんと名乗ったのにお前って!
けどそこがまたイイ!カイルに名前呼ばれたらうち、変になるかもしれへんな。どうすればええ?
「着きました。ここが我々の住む街です。天使様」
「へぇ!潮の香りすると思うてたらこんな海に近いんか!ええとこやなぁ。長閑で自然を感じる。日本とは大違いや」
「気に入って頂けてよかったです。街役所に着いてから、いろいろと説明させて頂きますね」
「そういや何も聞いてへんかったな。そんでええよ」
にしても、うちのこと天使とか今でも信じられへんわ。天使言うたら普通白やろ?うちの格好制服やから真っ黒やで。髪の毛も真っ黒の短髪や。
街に入ったらめちゃくちゃ見られた。さっきは高台みたいなところにおったから、そっから下山して今は街に入っとるんや。
簡単に言うとやな、山があって海があって、街を川……じゃないな。これは堀言うんか?それがある。防衛戦やったら相当強いと思うで、これ。
「ここが街役所です」
そう言うてズカズカ入って行きよった。うちも付いていったら街役所におった人らが道を開けてくれるんや。
うちなんかのためにわざわざスンマセンなぁ。
「天使様、どうぞお座りください」
「おお、サンキューな。って座布団やないか!異世界にもあるんかぁ」
座布団が出てきてちょっとばかし調子狂ってもうたけど、これからうちが現れた理由を説明するらしいわ。
「天使様が現れたのは、神の思し召しです」
……は?
それだけ!?それだけかいな!?舐めとるわ、この爺ちゃん。
「私たちはいつものように参拝していたのです。あの社には神がお住まいだという言い伝えがあります。過去に神が現れたことはありませんが、天使様ならあります!そして現れた!あなたこそ私たちの救世主なのです!」
「ちょ、ちょぉ待ってぇな!」
「はい?何か、おかしなことでも?」
こ、この爺ちゃんいてこましたろか……。ツッコミどころ満載やわマジで。
「まず、うちは天使じゃあらへん」
「……!?」
「そんでうちは異世界から来たんやけど、今日だけ特別なことしたとかあらへんの?」
「今日だけ、ですか?そうですね。特には」
「そーかそーか。なら偶然ってことやろな。たまたまうちがこっちに来る時、あんたらがおった。そんだけのことやろ。もう天使言うんやめてな。うちは優香や」
「は、はぁ。しかし、街は今危険な状態です。優香様を放っておくことなど……」
「あ、なぁなぁ、余ってる家とかあったら貰えへんか?異世界来たら生活の基盤作んのが一般やからな。まずはそれせんといかんわ」
生活の基盤出来たら、今度はカイルを旦那として迎えるんや!
「そ、そんな恐れ多い!」
「てかさ、危険な状態ってどういうことなん?」
「それは……」
なんや、言葉に詰まるんか?そんならわざわざ口に出さんでええのに。
「言われへんねやったら言わんでもええよ」
「そんなことはありません。言いましょう。今、下等な人間どもが私たちの街を攻め落とそうとしているのです。優香様が天使様だったら、すぐに事は済んだのですが」
嫌味かいな。
うちかて好きでこっち来たんとちゃうんやで?早々に馴染んどるけど、ほんまにちゃうからな。
でもまぁ、カイルに会えたから良しとするわ。
けどな、下等な人間どもってなに?うちも人間……人間やんな?
「下等な人間どもってどういうことや。あんたらちゃう言うんか?」
「当然です。私たちをあんな低俗な輩と一緒にしないで頂きたい」
「なら、あんたらなんなんや?」
「はい。私たちは半天使族です。世界中に散らばり街を作り、監視する。それが役目です」
「え!エルフちゃうの!?」
「そのエルフというのは聞いたことがございません」
「ちなみに半天使族ってのは?」
「人間の上位種族です。耳が長く、髪が緑の者をそう呼びます」
それってエルフちゃうの?てか、ちょっと待ってな。うちのこと天使とか呼ぶけど、あんたら半天使族なんやろ?なんでうちが天使であんたらが半天使族なんや……。
「しかし、私たちには人間にはない天法を扱うことができます。このように」
爺ちゃんが手のひらから水の球出したで!凄いな!これって魔法なんか?あ、でも人間にはないって言うたよな。
あ~、異世界きて魔法ないとか地獄やろ!
それにしても、や。魔法も使えたらますますエルフやん。なんで名前エルフじゃないん?
「なぁ、なんで天使族じゃなくて半天使族なん?」
「人間よりも上位であり、しかし天使様と同じなどと恐れ多い。そこで間をとって半天使族と名乗ることになったのです」
あー、つまり自称なわけやな?
住んでるとこはエルフの特徴とはちゃうけど、身体的特徴はエルフそっくりやし、もううちはエルフって呼ぼ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる