【R18】花喰らいの乙女は吸血お兄様の執愛に溺れる

べらる

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本編

4-3 契り*

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 倦怠感が身を包んで、アザリアはぼんやりとしていた。
 何が起きたのか分からず、天蓋の豪奢な装飾をぼんやりと見つめる。顔を動かせば、お兄様の頭頂部が見えた。硬さのある髪がアザリアの頬に触れる。くすぐったくて身を捩るものの、お兄様はそのままの姿勢で動かない。

膣内ナカが痙攣している。どうやら達したみたいだな」
「……?」
「性的快感の頂点、エクスタシーとも言うそうだな。俗語ではイクと表現することもあるらしい」
「イク……? さっきのが、ですか……?」 
「ああ。……とても、気持ちよさそうな顔をしていた」

 頭を撫でられる。手の動きがとても優しくて、また驚いてしまう。触れられると心地よくて、アザリアは目を細めた。

「初めては緊張で上手く達せない事も多いそうだが……アザリアはそうではないらしいな」
「そう、なのですか……?」
「ああ……アザリアには才能があるな」

 褒められているのか分からなかったが、お兄様の声がいつにも増して優しいので、これはとても嬉しいこと、幸せなことだと思うことにした。

「今もいい顔をしている」
「いい顔って、いったいどんな……」
「頬が赤い。目が潤んでいる。可愛い……顔をしている」
「かわ、いい……?」

 まさかお兄様の口からそんな誉め言葉が出るとは思わず、アザリアの開いた口が塞がらない。そんなアザリアの心情を知ってか知らずか、膣内ナカにある指が再び動き始めた。

「だが、まだ私のは入らない」

 体に硬い何かが当たって、アザリアは身を硬くした。ソレがなんなのか、知識では知っている。でもまさか、こんな美しい吸血鬼のお兄様でも、人間の男性と同じような現象になるなんて、思わなくて。
 
「あ……」

 ぞくぞく、──してしまう。
 
(この人も……こんなに……)

 身を戦慄かせたアザリアの首筋に、お兄様の舌がねっとりと這った。その間にも指はアザリアの内壁をこじあけ、奥へと進んでいる。度重なる刺激に腰が浮きあがり、短く声をもらしながらお兄様の首にしがみつく。そのときアザリアは、自分の服がお兄様によって脱がされていることに気付いた。

「ぁ、待っ、──っ、ぁ……っ!」

 この行為をする前に、アザリアは彼と約束していた。
 完全な裸にはなりたくないから、服を着たままにしてほしい、と。
 右肩に、痣があるのだ。まるで花のような形をしたソレは、《》の、アカシ。他人には見せたくないもの。とてつもなく、気持ち悪いもの。

 建前上は、恥ずかしいから、ということにしている。

「お兄様、待っ、て──っ」
「あぁ、そういえば……そういう約束だったな」

 胸板を押すようにして動きを封じると、お兄様は低く呻いた。その声が少し名残惜しそうに聞こえたのは、アザリアの聞き間違いだろうか。

「……つい、な。アザリアを見ていると、噛みたくなった」
「え……」

(それって……)

 情事のさなかに吸血鬼が女性の血を吸うという話がある。吸血鬼の本能を刺激した今でなら、食べてもらえる一世一代のチャンスだったのではないかと、アザリアは少し考えた。

 でも。

 あまり残念に思っていない自分がいることにも、気付いていて。

「どうかしたか」
「……なんでも、ないです」

 アザリアは首を振ると、寒さを感じて脱がされかけた服をたぐりよせる。胸ははだけているけれど、そのままで。たまにお兄様に舐められるのも、非常に背徳的で、心地がいい。

 今は。
 今だけは、このまま。
 この感覚だけを追いかけようと、アザリアは目を閉じる。

 アザリアが小さく顔を突き出せば、察したお兄様が口づけを落とした。最初は触れるだけの優しいものだったのに、舌を使って唇を丹念に舐め、やがて口内ナカへ。アザリアは「んっ」と声を漏らしつつ、お兄様の舌を受け入れ、ぎこちなく応え始める。

「アザリア……」

 お兄様の声に熱がこもりはじめる。接吻の要領を得たお兄様は、のしかかるようにアザリアの口づけを深くしていく。未だにキスに不慣れなアザリアはすぐに息があがってしまい、唇が離れる度に必死に酸素を取り込んでいる。

「あ……」

 アザリアは、下肢部分に硬い何かが当たっていることに気付いた。正体に気付いてしまい、アザリアは一気に体を桜色に色づかせる。下着越しに当たっている硬い雄に、アザリアは恍惚の息を吐いた。
 
 目の前には、赤い瞳を爛々と光らせたお兄様がいて。
 瞳がとても熱っぽいのは、きっとアザリアの見間違えではないだろう。

「お兄様……」
「ああ、分かっている」

 アザリアは胸のまえで手を握り、彼の言葉を待った。

「入れるぞ」

 つきやぶられて、貫かれて。
 思い切り腰を引き寄せられて、より奥へと侵入しようとしてくるソレ。
 
 アザリアの蜜壺はもう洪水のように愛液で満ちていて、お兄様が腰を押し進めると、ぐちゅりと粘ついた水音が響き渡る。

「あ、ああぁ……っ!」

 剛直に隘路をこじ開けられる痛みと、やっと欲しいものが手に入った悦び。ぐちゃぐちゃになった感情に翻弄されないように、アザリアはお兄様の背中に手を回す。衝撃が大きすぎてしがみつかないと振り落とされてしまいそうだった。

「お兄様、の、入って……っ!」
「……ッ、ぁ……熱くて、ドロドロしているな」
「っひ、ぁあっ! やっ、うご、か、ないで──っぁあっ!」
「…………ッ」

 お兄様の苦悶の声が響く。
 アザリアは背中を叩いてお兄様に動きを止めるよう促したが、お兄様は聞く耳を持たなかった。お兄様は一度腰を引くと、アザリアの細い腰を持ち上げて奥へと穿ち始める。奥をほじられるたびにアザリアは大きな嬌声をあげ、背中に爪を立てていた。

「あ、ぁ、ひぅ……っ、あ、ああぅ……っ!」
「あざり、あ……ッ」

 寝台に押し付けられるにして、腰を動かされる。
 揺さぶられて、熱っぽく名前を呼ばれて、たくさんの口づけをされる。

 立て続けに起こる快楽の波に、アザリアの視界に白い星がちらついていた。大きすぎる波に逃げようとしても、体を抑え込まれてしまってどうにもならなかった。

「また、さっきの──っ」

 頭が真っ白になる現象が近付いてきて、アザリアは目をぎゅっと瞑った。お兄様の体はひんやりして少し冷たいのに、その部分だけは火傷しそうなほどの熱を持っている。熱い雄を打ち込まれるたびに、アザリアの瞳からほろほろと涙がこぼれた。

「あっ、やっ、ぁあっ、──っ……っ!?」

 そして今度は、首を噛まれてしまった。
 アザリアは驚きに目を見開くけれども、体を抑え込まれている状況では何もできない。思考するよりも先に気持ちよさに上塗りされて、喘ぐことしかできなかった。

「甘い……アザリア……」

 アザリアの皮膚を甘噛みし、しみ出してきた血を舐めとったお兄様は、低く唸っていた。それがアザリアにとっては、どんなものよりも甘美な刺激になってしまい──

「あ、ぁあああ……っ」

 白濁としたものを胎の奥で感じて、アザリアの意識は深い場所まで堕ちていった。



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