【R18】完結:虚弱少女は【淫愛】に囚われる ~麗しの義兄と貴族令息の愛が重くて息ができない~

べらる

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AfterStory

【Jealous】Side: ランブルト

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ランブルトが激重感情を向けているのは、ユフィだけではないという話です。
※ランブルト→ユフィ←アゼル(軽め)
※自慰の強要&他者への見せつけの強要/ヒロイン側の♡表現/口淫/インモラルエロ
-----------------

















(……嫌になるくらい表情が変わらないな、あの男は)

 寝室の隅っこにある椅子に腰をかけ、長い金の前髪を気怠げに掻き上げて。
 ベッドの上で交わる男女の姿を眺めながら、ランブルトはそんなことを思った。

 金髪の少女ユフィは、義兄あにに片足を持ち上げられ、枕に顔を押し付けながら甘い声を漏らしていた。義兄からもたらされる魔力と性的快感に蕩け切っていて、どんな言葉を投げかけても気付かないだろう。


 義妹ユフィの膣内に己を捻じ込み、ゆるゆると腰を振っている義兄アゼルは、とても情事中とは思えない雰囲気だった。わずかに眉間に力が入っている程度で、相変わらず無表情クール

 不老長寿ゆえに、暇を持て余した吸血鬼ヴァンパイアは数日間に渡って女を犯し続けると言われているが、どうやら半端者アゼルにもその気性があるらしい。一度ユフィと繋がり始めたら全く離れようとせず、ランブルトが帰ってきても気にした様子がなかった。

(…………しょせんは、ハーフだな)

 ランブルトは心中で嘲笑わらいながら、表情にはおくびにも出さず、優雅な足取りでベッドに近付いた。

「かわいそうに。ずっと自慰の道具みたいに扱われて……」

 たしなめるような声に、アゼルは何の反応も示さなかった。ランブルトを一切見ることもなく、アゼルはユフィの体位をかえる。

「ぁ、ああっ……ぁ……ッ」

 両腕を後ろに引っ張られながら、肉傘を叩きつけられたユフィは、目を見開いてくぐもったイキ声をあげた。
 お尻を突き上げてピクピクと痙攣するユフィに、ランブルトは近付いていく。

「鞭ばかりでは彼女の体が持ちませんよ」

 鬱血痕キスマークだらけのユフィの背中を眺めたあと、ランブルトはもう一度アゼルの方をちらりと見る。

 咎めるように、目を細めて。

「愛がないですよ、貴方あなたのやり方。少しは私を見倣ってほしいものですね」

 しかしそこまでやっても、アゼルが返事をすることはなかった。視線すら合わない。無視している、わけではないのだろう。最初はなから義妹以外の人間ランブルトに興味がないのだ。

 だからこそランブルトは、アゼルに舌打ちをしたい気分になった。

 苛立ちを隠すようにランブルトは肩をすくめ、ユフィに視線を戻す。

 ユフィは、ここ数週間で髪が伸びた。
 もとより愛らしい顔立ちをしていた少女だが、金髪が腰近くにまで伸びたことで、美しさが増している。

 ランブルトが髪に指を通せば、彼女は身を震わせる。
 本当に素直で、可愛いらしい少女。

「私が帰っていることに気付いてなかったでしょう?」

 耳もとで囁けば、ユフィがわずかに顔を動かした。濃緑石マラカイトの瞳が、小さく揺れている。

「アゼルさんに貫かれて喘ぐ姿はとても可愛らしかったですが、気付かないほど夢中になるのは感心しませんね?」
「は、……ぅ………ご、めんなさ……い……」

 ベビードールの上から、ユフィの肌を堪能する。
 男に揉みしだかれるためにあるような、美しいおわん型の胸に指先を這わせれば、感極まったような声でユフィが哭いた。

「ぁ……っ」
「帰ってきたら、何をするって言いましたか? 約束しましたよね」
「は、い……。おか、えり……なさい、るとさま……」

 ユフィはのろのろと上体を起こすと、ランブルトにそっと抱き着いた。

 愛らしい舌が、ランブルトの唇をペロペロと舐めていく。

 ランブルトはうっとりと目を細めながら、征服欲が満たされていくのを感じていた。ユフィの細腰に腕を回したあと、ふっくらとした胸に手をすべらせる。中心部をあえてさけて、周りをくるくると円を描くようにさすってやれば、ユフィの瞳が熱く潤んだ。

「ただいま、可愛い悪い妖精リャナンシー。しばらく家を留守にしていましたが、ちゃんとイイ子にしてましたか?」
「ふ、ぅ……イイ子、に、してました……ちゅっ……ぁ、んっ」
「本当かな」
「信じてくれない、ですか……?」
「貴女は一度脱走したことがありますから」

 仕事をしている関係上、ランブルトもアゼルも家にいないタイミングがある。自慰を禁じられているユフィは、淫蕩な身体をもてあましてフラフラと外に出たことがあった。

「ち、ちがっ。あれ、は、ルト様が帰ってきたって思ったから、外に出て迎えに行こうと思って……っ」
「行動の理由なんて、後からどうとでもなるでしょう? 私でもアゼルさんでもない男のもとへ、行こうと思ったことがあるくせに」
「おもって、ない……っ!」
「たとえばほら、ネックレスコレを買ってあげた時に、貴女が楽しげに喋っていた男とかね」

 白い双丘の上でひときわ輝く、ゴールドチェーンのエメラルドネックレス。
 ユフィが誰の所有物なのか知らしめるようなソレを持ち上げて、ランブルトは口角をあげた。

 ユフィは焦った様子でぶんぶんと頭を振っていた。

「あ、あの人は、そんなんじゃない……っ! あの人は、大家さんの息子さんで、あの人のこと、ちっとも、これっぽっちも、何とも思ってないっ! ただの、知り合い。そう、知り合いです……っ!」
「嘘つき」
「うそじゃ、な……っ」
「私たちだけでは物足りなくなってきたんでしょう? ジャンクな魔力てごろな男に手を出したくなってきたのではありませんか?」
「ひ、ひが……っ、あ、ぁぐっ……っ!」
「ユフィ、それ本当?」

 ランブルトの言葉に反応したのは、アゼルだった。
 さっきまで入り口付近で抽送を繰り返していた肉傘が、急に奥まで突き刺さる。深い挿入に驚いたユフィは「あ゛っ」と言葉にならない声をあげ、喘いでいた。

「君の体は他の人とは違うんだから、俺の傍から離れたらいけない。外に出るのは危険だよ」
「貴女は他人から魔力を与えられている存在であって、自分から奪っているわけじゃないのですよ。食ってるわけじゃない、むしろ食われる立場なのを忘れないでくださいね。その愛らしい見た目は、男の獣を呼び覚ましますから」
「ぁ……あっ、あ゛……っ!」
「虫は一匹で充分だよ」
「他の男の汚い魔力ジャンク品が貴女の生きる糧になるなんて、考えただけで虫唾が走る。魔力は、私とアゼルさんで事足りるでしょう。ねえ、ユフィ」

 アゼルには膣内ナカをごりごりと揺さぶられて。
 ランブルトには肉芽をきゅっと摘ままれて。

 ユフィは喉を反らして喘いだ。

「知ってますか? 絵本に登場する悪い妖精リャナンシーは、物語の中でひどい嘘をつくんです。その嘘に怒ったお城の領主は、悪い妖精リャナンシーに手枷と首輪をつけて、狭くて暗い牢屋に閉じ込めるんですよ」
「ひが、ひがうのっ。ほ、んとに、他の男のひとのとこなんて、いかない。わたしにはルト様とアゼル様がいれば、いいの……! それ以外、何もいらないのに……やだ……いかないで……わたしを、一人にしないで、……ください」

 きっと、閉じ込められると思ったのだろう。
 ユフィは震えながらランブルトの腕を掴んでいた。

「ふふっ、分かってますよ。貴女が暗くて狭い場所が嫌いなことくらい。だからこうやって、毎日のようにこの寝室に足を運んでいるんですよ。独りぼっちは寂しいですからね」
「ぁ……」

 あぁこの顔だ、と、ランブルトは思った。
 ユフィが一心に見つめている。
 閉じ込められるかもしれないと涙を流して怖がるのも、嬉しそうに笑うのも、ほっとした顔も、全部ランブルトの行動の結果によってもたらされなければならない。

 そうでなければ、ならない。
 義兄アゼルを通していない、本来ランブルトが求めるユフィの姿だ。

「じゃあ、誰がほしいか言ってごらん」

 義妹ユフィの髪を撫でる義兄アゼルを横目にしたあと。

 凶悪な嫉妬心に引きずられるようにして、ランブルトはユフィの心を支配し始めた。









 数か月前──
 まだユフィが、狭い借家で義兄と二人で暮らしていた時のこと。
 
 ランブルトは、人生何度目かの絶望の淵に立たされていた。

(また、この感情を味わうのか)

 今までだって何度も絶望を味わってきたのに、これ以上の絶望があるとは思いもしていなかった。

 一番最初は、子どもの頃。目の前で母親を殺された時は自分の無力感を嫌というほど味わった。母親に庇われて生き残ってしまった自分に心底吐き気がした。

 少し成長して、二十歳のころ。ハッシュフィード家で、豊富な魔力と魔法の才能を持つアゼルを見た時は、強い劣等感に苛まれた。

 人生で初めて、純粋な気持ちで好きになった少女ユフィと再会した時には、彼女がアゼルを懸想していると分かって苦しんだ。

 それまでに味わった絶望だって、歯を食いしばって耐えてきたものなのに。

(ユフィさん…………)

 ランブルトの目の前には、笑顔を失った初恋の少女ユフィがいた。

 長期間にわたって吸血鬼ヴァンパイアの魅了にかけられたせいで、心を失くしてしまった。すべて悪いのは義兄あいつだ。あいつが吸血鬼ヴァンパイアの力を暴走させたせいで、彼女はこうなってしまった。

『────あなたは誰ですか?』

 そう言われて、ランブルトの心の中に湧き上がってきたものは、悲しさではなく、忘れてしまったことへの虚しさだった。
 
 この様子だと、二人でステンドグラスを見上げたあの時の記憶──初デートの思い出もすっぽり抜け落ちているだろう。

(こんな状態でも…………貴女は義兄あにを見ているんですね)

 無意識なのかは分からないが、心を失っている間のユフィは、ずっと義兄あにの姿を探し回っていた。

 ランブルトの行き場のない怒りは、すぐにアゼルへの“嫉妬”心へと姿を変えた。

『アゼル様は……どこですか……?』

 そんなユフィの姿を、ランブルトは傍でずっと見ていた。心を取り戻すまで、誠心誠意ケアを続けていた。アゼルへのどす黒い嫉妬心を抑え込みながら、笑顔を張り付けていた。
 
 どうして、彼女の家が没落する前に縁談を申し込まなかったのだろう。
 ──さっさと申し込んでいれば、今ごろ彼女と結婚して幸せな家庭を築けていたのに。

 どうして、自分は彼女の義兄あにでないのだろう。
 ──ぶっきらぼうなアゼルよりも、よっぽど優しい義兄あにとして、ゆっくりと身も心も手に入れられたのに。


 ケアの甲斐あって、ユフィはランブルトのことを思い出した。
 だが、一度ランブルトの心に空いた穴は、どれだけ時が経っても空虚なままだった。

『ランブルト様は珈琲もブラックですよね。苦くないのですか?』
『この苦みが美味しいのですがね。飲んでみます?』
『ええっと、ミルクと角砂糖を五つほどいただければ……』
『それだとブラックの意味がなくなりますよ』
『ですよね……』

 どれだけ楽しい会話をしても、体を重ねても、ユフィから求められている感じがしない。

 ユフィの気持ちが自分に向いていない気がする。

 そんな不安感が常にあった。
 そしてその理由も、ランブルトは見当がついていた。

 ユフィの心には義兄アゼルがいる。
 
(────彼女を一番愛しているのは、誰か)

 粘着なまでに義妹いもうとにすがりつくハーフ吸血鬼ヴァンパイアなんかよりも、何百倍も愛してる自信があるのに。
 

 ────ユフィの初恋は、無表情で愛想のない義兄アゼルである。


 そんな現実が、まるで重たい鎖のようにランブルトの身に、のしかかっていた。






 *





 
「ん、んふぅ……ちゅ。っん、ぁ……はぅ、んっ……」
「ほら休んでないで? 俺みたいな男はちゃんと態度で示してくれないと納得してくれませんよ」
「は、い……ん、……んっ、……んぅ」

 ユフィは、ランブルトの薄い唇を丹念に愛撫していた。
 だけれども、しだいに物足りなさを覚えてしまう。
 唾液を送っても送り返してくれない。彼の魔力の匂いに、下腹部が疼く。ついさきほど義兄が膣内ナカから出て行ってしまったため、ユフィはランブルトの魔力が欲しくて仕方なかった。

「ぁ……ちゅ、ぅ……きも、ち……ぃ」
「おやおや……」

 小さな舌を細めて、ランブルトの上唇と下唇の隙間に侵入しようと試みる。
 が、頑なにランブルトが侵入を阻むので、ツラくなってきたユフィは「や……っ」と非難めいた声をあげた。

「ルト様……っ口、開けてほしいです……っ」
「そんなにキスしたいの?」
「きすしたいです……っ」

 だが、ランブルトはユフィの下唇を親指で軽く押した。
「え……なんで……」と言いたげな顔。

「そんなにがっつかなくても、俺は逃げませんよ。さっきまでアゼルさんに下の口ばかり虐められてましたからね。上の口が寂しくなってしまったの?」
「き、キスしたい……っ」
「あぁそういえば、アゼルさんにはもうキスしてもらえなくなりましたね」
「え、あ……」
「キスもハグもしてもらえず、男のモノをお尻に捻じこまれて何時間もイかされ続けるなんて……かわいそうなユフィ。俺ならそんなひどいことしませんよ」
「?」
「二人で気持ちよくなれるキスをしましょう、ユフィ」

 ユフィの顔がぱぁ……と明るくなる。

「じゃあまず、お義兄にいさんから貰った精液魔力を掻きだしましょうね。これだと俺の精液魔力を入れられないので」
「ぇ」
「ほら、ちょうど向こうにいます。せっかくなのでお義兄にいさんに見てもらいましょうね」

 ランブルトはユフィを抱きあげると、アゼルの目の前にあるテーブルの上に座らせた。
 ユフィは戸惑いがちにランブルトを見上げる。
 だが、ランブルトはにこりと笑うだけで何も言わなかった。

「アゼル様……」

 ユフィは意を決してアゼルに話しかけ、ゆっくりと足を開いた。

「なに?」
「ルト様が、せーえき掻きだせたら、キスしてくれるって……」
「…………」
「み、見ていてください……っ」

 ユフィはおそるおそる秘唇に指を突っ込んだ。ぐちゅぐちゅと卑猥な音を響かせながら、精液を掻き出していく。

「は、……ぅ、ぁ……っ」

 ユフィは、精液を掻きだす行為に夢中になっていた。
 ランブルトはクスクスと笑う。

「しっかり掻き出せましたか?」
「で、きた。でき、ました、から……!」
「じゃあ、確認してみましょう」
「ぁあ……っ!」
 
 ランブルトは、ユフィの足を大きく開脚させ、膣内に指をずぷりと埋めた。

「奥の方に残ってますが……これはさすがに貴女の指じゃ無理そうですね。俺が掻き出してあげますよ」
「ぁ、……っんぁ、ぁ……んぅっ!」

 ユフィは、甘えた声を出しながらランブルトの首に腕を回した。

「ダメですよ」

 それでもユフィがキスを求めてくるので、ランブルトは愉快そうに笑いながら「だーめ」と甘く制した。その間にも膣内の精液を掻き出す作業は怠らない。

「きす……ルトさま、きすっ、きすしたい……っ!」
「ふふっ、必死だ……。でもだめ、あともうちょっと我慢できるはずでしょう?」
「は、ぅ……きす……っ」

 ユフィは、ランブルトに膣内を弄られながら、すぐ傍に居る義兄の視線を鋭敏に感じ取っていた。でも、そんなことはどうでもよかった。とにかく彼とキスがしたくて仕方なかった。

 ────あ、そこ♡

 精液を掻き出す動きは、目的が違うだけで愛撫となんら変わらない。
 いいトコロをこすられたユフィは、気持ちよさに喘ぎ、ランブルトの腕をぎゅっと掴んだ。

 ────すりすり、されるの……っ。
 ────き、もち、ぃ……っ♡

「たぶんもう残っていないと思いますが、自分の指を入れて確認してみましょうか」
「ぇ、あ……ぅう、んぅ……」

 ────確認、しなきゃっ。
 ────確認しないと、キス、してもらえない……っ。

「ん、んぅ、ぁ……」

 ────もう、ない、かな……っ。
 ────奥も、ない……?

 膣内を確認しながらも、ユフィは無意識で感じる部分に指を押し当てていた。

 ────あ、ここ。
 ────ここ、撫でると、きもちぃ♡
 ────きも、ちぃ……♡
 ────きもちぃ、きもちぃ♡♡♡
 ────あ、うそ……っ。
 ────イっちゃう……。
 ────どうしよ……っ。
 ────自慰は、禁止、されてるのに……っ。
 ────アゼル様と、ルト様が見てるのに……っ。
 ────イッちゃう……っ♡♡♡

「あぁ……っ!」




 *





 そのあとランブルトは、ユフィをベッドまで運んだ。
 約束通り、ユフィとの触れ合いを愉しむためである。
 
「さっきイク許可もしてないのに自分でイきましたね?」
「っ、ゆ、る、して……」

 許しを乞いながらも、ユフィはランブルトの唇に吸い付くことをやめなかった。そんなユフィに対して、ランブルトは余裕の笑みを見せる。

「キスで俺を満足させられたら、許してあげる」
「した、ちょーらい……した……っ」
「お望みのままに」
「ふっ、ぁ……ちゅ、っん、ぁ……」
 
 ユフィは、ランブルトの口の中に舌を突き入れた。ぬるぬるの舌同士を触れ合わせるのが心地よくて、夢中で絡める。唾液を送り込み、触れ合いを堪能した。
 
「ん、ぁ、ふっ、ぁ……ん、んぅ」
「すぐ息があがる…………キスが下手なのは昔のままかな」
「っ、ん、ぁ、ちゅ……っ」
「まるでミルクを求める子猫みたいだ……」
「まん、ぞく、した……?」
「まだダメ」
「ぇ……」
「だからそのまま、 “おかえり”の挨拶もしてしまいましょうか」
「は、い……っ」

 ユフィは、ランブルトの体を愛撫し始めた。

 のどぼとけ、首筋、鎖骨の順番でキスを落としたあと、シャツのボタンを開けて胸の愛撫を始める。引き締まった体にリップ音を響かせ、乳首をちろちろと舐める。ユフィは何の躊躇もなく、ランブルトのトラウザーズに顔を近づけた。“前”をくつろげていく。

 ────お……っきい……っ♡

 トラウザーズから飛び出してきたランブルトの雄を見て、ユフィは恍惚のため息をこぼす。壊れ物を扱うように先端にキスを落としたあと、たっぷりと唾液をまとわせ、舌を使って肉傘をにゅちにゅちと愛撫していく。

 ぢゅる、ぢゅる、ぢゅる……っ。

「ん、んふぅ……っ、ちゅっ、ん……あ、ふぅ……んふぅ……っ」
 
 必死になってしゃぶりつくユフィに、ランブルトはこの上ない愛おしさを感じていた。ゾクゾクするほど淫靡なのに、下品さがない。

「温かいな、貴女の口内なか
「ふぅ、ん、ちゅ、……ぁ……」

 ランブルトがユフィの頭を撫でると、お尻がふりんふりんと揺れた。
 重く昏い愉悦の感情が、ランブルトの身体を包み込む。
 なんと、心地よいのだろう。
 ランブルトはふつふつとわきあがってくる射精欲にまかせて、ユフィの口の中に精を吐き出した。

「ん、んふぅ、ぢゅる……ふぅ……」

 これ幸いと、ユフィはモノを喉奥まで咥え込んだ。口内でドクドクッと震えるモノを、舌全体を使って扱いていく。白濁液がすべて出されるまで、ユフィはうっとりと目を細めていた。

「本当に美味しそうに飲みますね」 
「ちゅ、ぅ。ん、ぁ……っ」

 ランブルトは、ユフィの金髪を一房すくった。
 ショートヘアー時の彼女は妖精のような愛らしさがあったが、ロングの彼女は“妖精”よりも“女神”といった雰囲気である。

「あぁ……この髪についた匂い……」

 髪を鼻におしつけて、軽く吸い込む。
 いつもなら風呂上りの石鹸の良い香りがするのに、今はアゼルの匂いがねっとりと付着していた。

「……………ふっ」

 ────また、苛立ってしまう。

 女性を手玉にとるはずの自分が、逆に手玉に取られて、振り回されている。
 そんな自分に、ランブルトは独り嗤った。

「る、とさま……?」


 に。


「ねえ、ユフィ。俺との子どもがほしくないですか?」


 ランブルトは、ユフィの口端に垂れた精液を、指で押し広げるようにして頬に塗り込んだ。

 丹念に、優しく、丁寧に。
 そのあと、親指をユフィの口の中に入れて、口内を犯してやる。

「子、ども……?」
「ええ。俺と貴女の子どもなら、きっと、可愛いと思いますよ」
「わ、たし……赤ちゃん、作れない……」
「確かに、貴女は子どもを作れる体じゃないね。でも、俺が作った薬と魔法を組み合わせれば、もしかしたら作れるかもしれない」

 半分は本気で、半分は嘘である。
 ユフィに飲ませる薬を開発している傍ら、妊娠の可能性を少しでも増やせないかと、ランブルトは画策していた。

 が、ほぼ不可能だろうと結論がでている。
 
 あえて話題として出したのは、ユフィに「赤ちゃんができるかもしれない」と意識させるためだ。

(貴女にはオンナの悦びを感じてもらわないと困る)

 そしてソレは、まず間違いなくユフィにとって初めての感情だろうから。









「あぁ……、子宮がおりっぱなしだな………これだけ出せば、着床しそうなものですがね」
「っあ、っ、っっっっは、ぁ、っ♡」

 ただの甘いラムネ菓子を、薬だと言われて飲まされて以来、ユフィはいつも以上にランブルトの存在を感じてしまっていた。

 ────ると様、本気だ……っ♡
 ────本気で、赤ちゃん作ろうとしてるっ♡
 ────どうしよ。
 ────赤ちゃん、できちゃうの、かな。
 ────できちゃうのかな……っ♡

 熱いモノをねじ込まれて、奥へ奥へと精液を流し込まれる。いつもと異なる感覚に身を震わせながら、ユフィは枕をぎゅっと握りしめていた。

「っあ、はぁ……っ、くぅ、ぁ……っ」
「作っても大丈夫ですよ。俺は父親になる覚悟がありますし、経済力もあります。ユフィも子ども好きでしょう? 可愛いですしね」
「ぁ……ぅ、ん、ぁあ……っ!」
「なんなら挙式もしてしまいましょうか。いつも着ているベビードールも、ウェディングドレスをモチーフにして作らせたものなんですが、やっぱり本物には敵わないでしょうね」
「ふーっ、ぁ、ん、ぁ、んっ、ぅん……っ!」
「俺の子どもを身籠った貴女と、バージンロードを歩くんです。……素敵だな。きっとみんな祝福してくれる」
「っ、ぁ、あぁ……っ、ぅあっ!」

 さらにそこへ、アゼルがやってくる気配があった。

「子どもがどうとか聞こえたけど」
「もしもの話ですよ」
「…………」

 アゼルはじっとユフィを見ていた。

 すべて、ランブルトの想定内だ。
 
 アゼルがやってくるのも想定内。子どもというワードにそれ以上食いついてこないのも想定内。ユフィと触れ合おうとするのも、すべて想定の内。

「ユフィ……」

 アゼルは、ユフィの髪を撫でようとした。
 その瞬間を狙って、ランブルトはユフィの身体を揺さぶる。

「あっ……っあ゛」
「こんなところまで俺のが入ってる……。ふふっ、貴女の身体は小さいから、すぐ奥に当たってしまうんですよね」

 お腹の上から、子宮のある位置を撫でてやる。
 愛してやる。

「俺との子ども、作りたい?」

 今度は熱い肉傘で。
 甘やかすように、すりすりすりすり……っ♡と、子宮を撫でてやれば、腟内が媚びたようにまとわりついてくる。

「孕もうか」




 ユフィは──




「はい♡」と、頷いた。

 





 






































---------
【あとがき】
お読みいただきましてありがとうございます。
これにてIFストーリー『虚弱少女は【淫愛】に囚われる ~麗しの義兄と貴族令息の愛が重くて息ができない~』は完結いたしました。


また、本編である『ハーフヴァンパイアは虚弱義妹を逃がさない ~虚弱体質の元貴族令嬢は義兄の執着愛に囚われる~』も完結したので【淫愛】と同じくAfterStoryを同時刻に投稿してます。

AfterStory:
『ランブルト様とヨル君と一緒にデカ盛りパフェを食べに行ったらアゼル様が乱入してきた話』

本編はハピエンなので、こっちのAfterStoryは甘々コメディでお届け。タイトル通りのお話。
【淫愛】と本編は世界観やキャラは全て一緒ですが、【淫愛】のあとに読むと雰囲気の違いにびっくりするかもです。
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