ブラコン姉妹は、天使だろうか?【ブラてん】

三城 谷

文字の大きさ
52 / 68
美咲ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美咲√(10)

しおりを挟む
 ――今度の休み、私とデートをして下さいませんか!?

 廊下で言われた一言が反響しながら、俺は教室の机に突っ伏していた。血の繋がりが無いとはいえ、妹からデートに誘われるとは思いもしなかった。高校生活の中で、一度は経験してみたい出来事ではあったが……まさか美咲から言われるとは予想していなかった事だ。

 「……人生、何が起こるか分からんな……はぁ」
 「何が起こるか分からないのが、人生というものです。言い換えるなら、人生の中でどうなるか分からないという状況はソーシャルゲームのガチャと同じ事!さぁ先輩、自分というユーザーで課金をしま――だはっ!?どうして殴るんですか!?」
 「人の独り言を聞いておいて、ガチャとか抜かしてんじゃねぇぞ?」
 「……ええー、ガチャ駄目でした?我ながら良い例えだと思ったんですけど」

 良い得て妙だとは思ったが、それでもナイーブな時に茶化されたら堪ったもんじゃない。元気付けようとしてくれてたのは有り難いが、今は何も考えないであいつの事を考えるのが最優先事項だろう。だが授業はちゃんと受けなくちゃいけないし、考える時間を作らないといけない。どうしたものか。


 「はぁ、先輩。妹さんから告白されたからって、ちょっと考え込み過ぎませんか?」
 「……おい、何で知ってんだ?お前」
 「あれだけ盛大に廊下で話してれば、誰だって気付きますよ。まぁ正確にはじゃなくて、に誘われたっていうのも知ってますけどねぇ」

 記事というかスクープの臭いを嗅ぎ付ける速度があり、それだけの行動力があるのは認める部分ではある。だがしかし、それでもプライベートな事まで嗅ぎ付けられてしまうのは遠慮して欲しい部分である。正直に言えば、人にはプライバシーの権利があるのだから、程々にして欲しいものだ。

 「お前、プライバシーの権利って知ってるか?」
 「では先輩、逆に知る権利は知っていますか?」
 「……はぁ、んで?何か用事でもあったのか?」
 「特には無いですよ。ボクは何か悩んでいた先輩が気になっただけなので、明確な用事は無いですよ」

 俺の机からヒョコッと顔を出しながら、何食わぬ顔をしてそんな事を言う。本当に彼女は心配して来たのは分かるが、今は軽い冗談にツッコミを入れられる余裕が無さそうだ。そう思いながら、俺は彼女に言うのである。

 「幽、もしお前が家族からデートに誘われたら行くか?もしくは親しい人間からでも良いぞ」
 「ボクに意見を聞くという事は、相当考え込んでますね。ボクが出す答えは、そうですね。――」

 机から顔を出すのを止めた彼女は、立ち上がって俺の横を通り過ぎる。そろそろチャイムが鳴ると予想があっての行動だろうが、彼女の見解を聞く為に俺も廊下へと出る。やがて教室から出た瞬間に彼女は振り返り、俺へと指を差して言うのであった。

 「――デートしてみて、答えを出します。恋愛なんて、人それぞれですよ。先輩♪」
 「……」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。

クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。 3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。 ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。 「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

王宮地味女官、只者じゃねぇ

宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。 しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!? 王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。 訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ―― さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。 「おら、案内させてもらいますけんの」 その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。 王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」 副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」 ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」 そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」 けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。 王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。 訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る―― これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。 ★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。

処理中です...