Serendipity∞Horoscope

神月

文字の大きさ
8 / 64

第8話、家名と歴史

しおりを挟む
 五月の大型連休の迫るこの日、クラス内はざわめいていた。
 そんな中1-Bでは緋香琉とクロスが周りと同じように連休の話をしていた。

「あ、GWに兄ちゃんが遊びに来るって」
「兄ちゃん……って緋香琉の?」

 とクロスが問いかけると緋香琉は故郷の大阪に一つ上の兄がいると話した。そして一人上京した緋香琉の様子を見にわざわざ大阪から来るのだと言う。

「とか言って、遊びに来るようなもんだけどー」 



 間もなく待望の大型連休に入り、多くの連休者がテーマパークやら旅行やら何やらで浮き足立つ中、彩音は変わらぬ日常……リビングにて寝そべりながら漫画の本を読んでいた。
 そこに北条啓が現れると

「お嬢様、明後日ある場に行きますので準備をよろしくお願いします」
「明後日? どこに行くのさ」

 と視線を向けると告げられた一言に目を丸くした。

「神月家です」

 ここは学校生活の為にいるようなもので本来は別の場に家がある。
 ここから遠い場所故連休でもなければゆっくり行けず、この機会に行っておきたいと話す。そしておそらく泊まりになるだろうと告げ彩音の表情が眉をしかめると

「タオル類や寝具など向こうで用意されていると思われますので準備は要りません。是非とも、元気なお姿をおじい様に見せてあげてください」
「あぁ、おじいちゃんの所に行くのね。というかあんたの本来の主はおじいちゃんだっけ?」

 こうして時は経ち、2人は人が多く行き交う新幹線乗車口にいた。
 余りの人の多さにうんざりする中新幹線が停車して乗り込む。
 数時間電車に揺られいくつかの駅を通り過ぎると車窓から風景を眺めている彩音を見ながら啓も揺られ、やがて目的の駅に辿り着く。

「さて……駅までは迎えが来ているはずです」
「そうなんだ。おじいちゃんの家はいつも車で行ってたから電車で近くまで来たことなかったなー」

 と気楽な様子で呟いていた彩音だが、迎えの車だと言う車には見知らぬ初老の男性が運転席に乗っており彩音は疑問符を浮かべた。
 乗り込む事を躊躇し見上げれど、北条啓の一言で疑問符を浮かべながら乗り込む。

 名古屋の中でも辺境地に実家があり、そこから少し離れた車で数十分の所に祖父の家はある。
 しかしいくら今までと違う方法で近くまで来て駅から車で向かっているとは言えど、記憶の片隅にもない場を通っていた。
 記憶と違う車、それは幼い頃より何年も経ってるため変わっていてもおかしくないが見知らぬ運転手に記憶にあるようなないような道。
 違和感は疑問符に、そしてそれはやがて確信に変わる。

 一本道に入り、ふと横にあった何かを通り過ぎた時勢いよく後ろを振り返る。
 一瞬門のようなものが見えた気がしたのは正しく、まるで屋敷への道にありそうな門が遠ざかっていく。

「えっこれって……おじいちゃん家に向かってるんだよね? あんな門あったっけ……しかも、まだ家は見えないしこんなに遠くなかったような……?」
「あぁ、そう言えば言い忘れていました。おじい様の家とは言えど……私達が向かうのは本家ですよ」
「は……?」

 やがて一本道を抜け、広々とした土地に出ると彩音は再び視線を窓の外に向ける。
 通り過ぎていく景色の中車窓から見えたのは綺麗に植えられた木と色とりどりの花が咲き、それは人工的に手の加えられた並びをしている。
 綺麗に整えられ、目を丸くしていると間もなく車が止まる。そしてドアを開き車から降り視線を上げると

「…………」

 そこはまるで貴族が住む城にあるような立派な庭が広がっていた。開いた口は開いたまま閉じず、更に視線を動かすと目に何かが飛び込んでくる。
 そして目の前に広がっていたのは……屋敷と呼べる立派な建物だった。

「えっちょ……なにこれ?」

 荷物を持ち出している最中の北条啓に投げかけると、彼は荷物を持ちながら
「こちらへ来るのは初めてでしょうか。こちらこそが神月家の本家ですよ」

 その時啓の身なりを見て思い出す。
 あの時明かされた家の秘密を、自分の正体を。

「さて、参りましょうか」
「…………」

 二人を運んだ車がどこかへ走り去っていく中、彩音は再び頭上高く、見渡せぬほどに広く広がる屋敷を見て唖然としたまま屋敷へと向かう北条啓の背を目にした。

 屋敷の外観はそれこそ高家な者が住まう屋敷のイメージそのままで、何十人、何百人と住めそうな広さと思われる。
 更に視線のずっと先、玄関かと思われる正面には人の身長を優に超える大きさの両開きの扉。
 そんな扉に手をかけ、開くと彼は振り返り立ち尽くしたままの彩音に問いかける。

「お嬢様?」
「…………」

 間もなく、複雑な心境のまま首を傾げている北条啓の元へ駆け寄ると重圧な扉をくぐって中に足を踏み入れた。
 扉を抜ければいわゆるエントランスホールと呼ばれるような、広々とした空間が現れ衝撃が尽きることはなく飛び込んでくる。

(これが……神月家の家?)

 映画やアニメの世界じゃないか、と疑ってしまう程に現実味がない。
 だが、少し前に同じような光景を目にしている事実が困惑感を増している理由でもある。

(アニメで見てきた風景まんま現実にあるなんて。でもアニメでは玄関とかにメイドさんとかがズラっと並んで『お帰りなさいませ、ご主人様!』とか言ってるイメージがあるけどそんな事は無かったな……?)

 と想像通りの部分と想像と違う展開を思い浮かべていた所とある男性が姿を現した。
 四十代程に見える男性の案内で廊下を歩けど、いくつもある扉を通り過ぎながら壁に飾られた花や絵画はとても一般家庭のソレではないと緊張しながら案内してくれている男性を見ると彼の姿から

(啓と同じ服。という事はこの人は……執事?)

「お待ちしておりました。そしてお嬢様、よくおいで下さいました」
 戸惑いの中、男性は歓迎の言葉を述べながら笑みを浮かべ案内されたのは綺麗な客室。
 促されるまま座ると彩音と啓の荷物を持ちながら男性は「少しお待ち下さい」と頭を下げ去っていった。
 間もなく落ち着かぬ様子で縮こまらせていた彩音だが、伏せ気味に視線を向けると

「……さっきの人も執事?」
「ええ」
「…………」

 黙り込んでいた時、扉が開くと今度は黒を基調に白いエプロンをつけた女性がティーカップを持って現れ彩音は振り向いた。その姿はまさしく

(メッ、メイドさん!?)

 唖然とした傍ら、メイド姿の女性はテーブルに茶菓子を置いていくと去っていき、彩音は疑い深い目で置かれたティーカップを見ていた。その中には紅茶が入っており、かつての啓とのやりとりを思い出すと

(こ、この紅茶……一杯何円なんだ)

 とつい身構えてしまう。
 そしてそんな様子を分かっているかのように啓が見ていると、ふと聞こえた声に視線は彩音から声へと向けられた。

「おお北条、元気にしていたか」
「執事長、ご無沙汰しております」

 その声に彩音も視線を向けると、初老と思わしき白髪の男性が立っておりふと視線が合うと彼は姿勢を正すと会釈し

「ようこそおいで下さいました。もう間もなくおじい様がいらっしゃると思われますのでもうしばらくお待ちください」
「あ、はい……」
「……北条、話はまた後でな」
「はい」

 去り際に啓にそう呟き去って間もなく、扉が開くとやっと彩音の目に見慣れた姿が映ると嬉しさと安心感のあまり立ち上がり声を上げた。

「おじいちゃん……!」
「おお、彩音! よく来たなあ!」



 間もなく、客室には彩音と北条啓、そして祖父のがソファに座っていた。
 そして安心感を得ながら縮こまらせていた彩音に菓子へと手を差すと
「最近はこの『チーズタルト』が流行っているそうじゃないか。紅茶も冷めてしまわぬうちに飲むといい」
「えっあ……うん」

 促されるままタルトを取ると

「いただきます……」

 口に入れ、紅茶も飲んだ後彩音はティーカップを持ったままここに来るまでに知った事実と疑問を祖父に投げかけた。

「おじいちゃん、ここが本家だって聞いたけど」
「あぁ、驚いただろう」
「あの家はどうしたの? 小さい頃によく遊びに行ってた昔の家みたいな家は……」
「あぁ、あれは別荘だよ」
「……別荘?」

 答えに目を丸くする傍ら祖父は笑っており

「え、別荘て何?」
「実は彩音が遊びに来る時に合わせて、時折じいちゃんもあの家で過ごすんだ。普段はここで生活してるんだが……あそこはじいちゃんが生まれ育った家だから思い入れも深くてね」

 確か、この家系の事は祖父の代から復活させた……と啓から聞かされた話を思い出す。
 元よりあの古屋で生まれ育った祖父は代々受け継いできたこの屋敷を継承し、そして復活させることを機に移り住んだのだと言う。
 しかし思い入れも強く慣れ親しんだあの古屋には時折立ち寄り、数日過ごしてはここに戻ってくることもあるそうで、その中には彩音が遊びに来る際にも数日前からあの古き家に戻っていたのだと笑いながら聞かされ彩音は唖然としていた。

「しばらく会わなかったから心配していたけど元気そうで嬉しいなあ」

 そう嬉しそうに話す姿は、この家系の事を知れどかつてあの古風の家で過ごした時と何も変わってなく、庭で花火をする様子を縁側から見ている姿や料理を囲み談笑する姿……。
 ただ変わっているのは、こうして会って話すこの場所だけ。

「もっとお嬢様って、てっきり入口通ったらずらーってメイドさんとかが並んでて『おかえりなさい、お嬢様!』とか言うのかと思ってたよ」
「ははは、実は孫が来るって話を聞いて出迎えたいと言う者もいたんだが、嫌かと思って敢えて止めておいたんだ。けどやって欲しいんなら次は頼もうか?」
「えっ」
「車も普通のでって言われていたからなあ……」

 誰がそんな事を言ったのか。
 ふと横目で見ると、そうと思われる本人は優雅に紅茶を飲んでいた。

「大変だったぞ、皆がお前さんの姿を一目見たいと浮き足立ってしまってなあ。何せここへ来るのは初めてだからなあ」

 しばらく経ち、啓が部屋を後にすると残った彩音は祖父と旅に出ていた頃の話やこの身分についての話、学校について談笑していた。
 そして時刻はまもなく昼。
 時計を見て祖父がメイドさんを呼ぶと昼食を持ってくるように頼み、その瞬間彩音の感覚は再び現実に引き戻された。

(昼ってまさか……豪華なものがでてくるんじゃ……)

 この場も屋敷の外観も相まって、今となってはもはや何が出てきてもおかしくない。
 高級パスタ、オシャレなフレンチ……しかし、運ばれたものに目を丸くすると視線を上げながら問いかけた。
「おじいちゃん、これ……」
「む、やはりもうちょっと豪華なもんがよかったかの?」
「いや、これ……」

 目の前に運ばれたものは予想外と言えるもので、お椀の中には米が盛られている。
 そしてその横には急須があり、とある袋が置かれている。呆然とする中祖父は何の躊躇いもなく袋の封を開け始め、それは市販のお茶漬けの素だった。

「もっとすごいのが出てくるかと思った……」

 とつい呟くと、横に控えていたメイドさんが笑いながら

「ふふ、ご主人様はそのお茶漬けが好きなんですよね」
「いくら豪華で厳選された食材を使った高級なものを食べようと、わしとて元はただの平民。子供の頃から食べていたこれだけは味が忘れられなくてな、時折食べたくなるものなんだ」

 とお湯をかけながら話し

「毎日食べても飽きないくらい好きなんじゃ」
「…………」
「それに、彩音もまだ慣れきっておらんと思ってなあ。ここに来るだけで相当驚くだろうとも思い、これはいい機会だと昼は茶漬けに……」
「……そうだね」

 と一杯の茶碗とお湯と、素朴なお茶漬けの素を見るとホッと息が漏れた。

「貴族だって言われても、今までの生活から突然何もかもは変えられないし今まで好きだったものは変わらないし。変に豪華なものよりこっちのがいいな」
「庶民の味、とはよく言ったものよ。こうして環境が変わってからその意味を染みるほど感じる事になるんだからなあ」

 だからこそ、名家としての在り方に合わせながら時折素朴なものが食べたくなるという。
 その言葉に彩音が顔を上げると 

「だが、こうなってしまった以上高級なものに対する教養も必要でな。時折名店と呼ばれる場を回ったり、腕よりのシェフ渾身の料理を作らせる事もある」

 周りはずっとそういう教育を受けてきたものばかりで、上には上なりのマナーというものがある。
 だからそんな者達に合わせられるように祖父も始めは戸惑いながら少しずつその世界に慣れていったのだと言う。

「しかし、流石に質素過ぎたかな?」
「……せめてそんなお湯を入れるだけのじゃなくて、ちゃんとしたのならまた別だったかもしれないのに」
「本物の茶でつくるお茶漬けか? しかしわしはこの味だからこそ好きで……」

 室内には笑い声が響き、間もなく昼を回ろうとしていた。



 昼を回ると彩音は祖父に連れられある場へとやってきていた。
 部屋自体は小さいものの、本棚には所狭しと本が並べられており物珍しそうに見渡していると祖父はどこからか大きめの本を持って現れ、置かれた本を彩音が覗き込むと

「折角来たんだから、少し家について興味はないか?」
「興味って、これは……?」
「これは神月家の家系図を記した本だよ」
「へ……」

 ページをめくると、長々と文章が綴られており、さらにめくると何人もの人の顔が並んでいた。それは歴史の教科書などで見たりする家系図によく似ておりページを捲りながら

「うちの家系図って……」
「うちはそれは長ーく続く家系でな。一度表に出なくなった故世間には知られていないが……あの天皇家に劣らぬ程長く血を繋ぐ由緒正しき家でもある」
「…………」
「武士、音楽家、探検家……様々な分野で名を馳せたと言われており、それは偶然か今も続いている」
「それ聞いた。それがうちの特殊なる理由だって……」

 そして、祖父はとある項目に指差し

「中でもこの人は特別でな、何より……我が家の言い伝えの始まりだとも言われている。巫女として人々を導き、平穏の世を守ったと言われておる」
「巫女……」
「この者は陰陽師でな、兄弟そろって優秀だったと伝えられておる。この伝説は意図してなったのではなく、それぞれが己の夢を追い続けた結果起きたもの」

 だからこそ言い伝えと言われている。
 中にはこの言い伝えを重んじて名を馳せた者もいるかもしれないが、と告げる祖父に彩音は黙り込んだ。
 聞けば聞くほど例え偶然の末に起きた事でもこの家の凄さが伝わり、血と家名を受け継ぐ事の特別さが苦しい程に伝わり表情は歪んだ。
 この血を受けた母も偉大なる形跡を残している。
 だからこそ自ずと自分も何かを成し遂げなければならないのではないか、と思ってしまう。

「私に……そんなことができるとは思えないんだけど」
「ん?」

 呟くと祖父は振り返り、彩音は開かれた分厚い本の偉大なる先祖たちの家系図を見ながら両手を握りしめる。

「私……お母さんやみんなみたいにすごくないし、才能なんてないし。頭も運動神経も悪いし……」
「何を言う、既にあるじゃないか」

 そう言って広げたのは数年前の新聞。
 そこには見出しにでかでかと表記されたある文字が。新聞を受け取ると、有名人かのように大きく載った自分の写真を見て目を丸くする。
 それは……かつて住んでいた土地柄、毎年行われている特別な文化によるある習わしの記事だった。

 この習わしで一番になる事がどれだけ偉大な事かは彩音もよく知っている。しかし彩音は俯きがちに答え

「こんなの……大した事ないよ。確かに凄いことではあるけど、それでもその土地で一番になったってだけだし……」

 そして、いずれはこの立派な家を継ぐ事になる。
 かつての旅で、かつていた場所で国を治める人々がどれだけの苦労をしてきたかこの目で見てきたからその意味も重さも想像出来てしまう。
 国とはまた規模が違うかもしれないが、歴史を繋ぐという重圧に締め付けられていると

「……もし嫌だと言うのなら、英理の代でまた締めるだけのこと。何も強制はせんよ」
「え?」
「わしとて元はただの庶民。当初聞いた時は右も左もわからぬ素人、到底できるなどとは思わなかった。けど父からこの家の歴史を聞いた時……もったいないと思ったんだよ」
「もったいない?」

 祖父を見つめると祖父は背を向け、窓から庭を見つめながら

「言い伝えが本当のように、この言い伝えを知らずとも一旦終えた後の子孫達もまた名を馳せた。だから資産が残っていてこんな家系を記す本も残されている」

 きっとこれまで家系を繋いだ者と、この家系の言い伝えを知った先祖や父、祖父はこう思っていたから残し、繋いだのではないかと話す。
 それはその言い伝えの限界を知りたいからではないか、と。

「意図せず名を馳せる。実にロマン溢れる伝説とは思わないかのう?」
「…………」
「資産を保てなくなればここまで家名は受け継げない。その時が来るまで……できるところまで続けてみたいと思って……な」

 代々受け継ぐかどうかは受け継ぐ権利を持つ者に委ねられ、その結果ここまで受け継がれてきた。
 一度家名を棄てた時も、その教えがあったから誰も責める者はいなかったのだという。
 そして、そんな先祖でさえも……資産と家系を記す書物は残していた。その自由さがここまで神月家が続いてきた理由でもあると祖父は告げた。



 翌日、目を覚ますと起き上がり、慣れぬ広すぎる部屋を見渡す。
 ベッドから出てきて窓に向かえば日が差し込む窓からは綺麗な庭が見え色とりどりの花が植えられている。
 そして数日後、帰りの新幹線の中北条啓は彩音を見た瞬間彼女から口が開かれる。

「あの屋敷の中には、もっと沢山の人がいるんだよね?」
「ええ。今回はお嬢様の事を思ってあまり目に触れさせぬようご主人様が従者達に指示されていたそうですので。私も少し同じあの家に仕える者とお話しましたが……」

 自然豊かな景色がだんだんと見慣れた灰色に染まっていく中、一度言葉を詰まらせた啓に疑問符を浮かべるとどこか彼は楽しそうに笑みを浮かべながら口を開いた。

「そう言った指示もあって質問攻めにされてしまいましたよ。皆貴方の事が気になる様子で一目見たいって」
「えっ……やめた方がいいと思うなあ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...