Serendipity∞Horoscope

神月

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夢追い編

第42話、紡ぎし琥珀

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「それは……自分がそれを成し遂げたいかどうか、だ」
「……!」
 少年は気付かされたように目を丸くし、やがて男性は朗らかな笑みを浮かべながら
「君がこれをお兄さんや周りは関係なく、自分が成し遂げたい夢なのだと思うのならもう少し頑張るのも手だと思うよ」
「…………」
「二年後、君が卒業する時になったらまた来るよ。その時にももし行く先がなかったら……その時は、うちにおいで」
「え……?」
 何度も目を丸くし、唐突な発言に声を上げると男性は笑い
「ははは、確かに私は近くの会場であった研究発表会の為に来たんだが、実はここにも用があって来ていたんだ」
 それは研修生の書類を取りに来る事だったと話し、言葉を失っていた少年を前に笑い続けながら
「いつも郵送してもらえるんだけど、今回は折角近くまで来たからね。どうせならって取りに来たというわけなんだ」
 そう笑いながら言うと男性は立ち上がり、校舎へ振り返ると眺めながら
「私は毎年君のような……執事やメイドを目指す生徒達の実習先として受け入れていてね、今年はたまたまこの学校の生徒を受け入れる事になっていたんだ」
「…………」
「この学校の生徒は素晴らしいものだよ。博識で、努力家で……」
 そう語る姿を呆然と見つめていた少年は我に返ると男性に向かって投げかける。
「あ、あの! 貴方は……貴方の名前を教えてください!」
「あぁ、私かい? 神月博かみづきひろしだよ」
 心の中で聞かされた名を復唱し、グッと手を握り込みながら顔を上げ
「あの、聞いてくれて、ありがとうございました」
「相談に乗るのは大人の役目さ。どんな結果になろうと後悔だけはしないように……頑張れよ、少年」
 そう言い残すと男性はこの学校の出口へと消えていった。
 その時の出来事とかけられた言葉は大きな衝撃と影響を与え、消えかけていた夢に火をつけた。
(優等生でなくてもいい。優秀になる為でなくても自分のしたいことの為に頑張る)
 それから少年はこれまでよりより一層練習や勉強に励み、質量こそそう変わりはなけれど何よりも変化したのはそれらに取り組む意識だった。
 傍から見れば気付かぬ程目に見えない変化であり、その心境変化は彼以外誰も知らない。

 家名と家柄から執事になるのが当然だと思わされ、家名に恥じぬよう常に優秀でなくてはならないと口癖のように言われてはあらゆるものを叩き込まれてきた。
 しかし、あの日から少年の意思は家の為、期待を向ける家族の為ではなくあの時、あの男性がくれた言葉のように自分が目指すものの為にと向けられていった。
 そう意識が変わった瞬間、劣等生だと笑う周囲の声も落胆する教師にもこれまでのようにそう落ち込む事はなくなり、練習し失敗する度に両親や兄の表情や言葉を思い出し自分は才能がないと落胆することもなくなった。
 意識が変われど失敗は変わらず、時に少し落ち込むことはあれど
(もう一回やろう。慎重に、確実に)
 そう諦めることはなく何度も繰り返した。
 確かな意思はは日を重ねるごとに明確なものとなり、月日が流れると努力の結果、失敗続きだった様々な事が出来るようになっていく。
 二年の実習も無事参加出来、三年に進級する頃には落ちこぼれという称号は消え去り急成長を遂げ学校一の成績となっていた。
 そして十四歳、三年生の春頃。
「是非うちに来てほしいと言っている所があるんだ」
「え……?」
 教員室に呼ばれた啓は、教員室内にある応接間で担任からその話を聞かされた。
 優秀な生徒ならば二年生の実習が終わった頃に声がかかり仕え先が決まることはあれど、一般的に仕え先が決まる試験は二年、あるいは三年の秋から冬にかけて行われる。
 そんな中、思わぬ第一声に声を上げると教師は奇妙な面持ちで資料を見ながら
「日本のある一家で、うちの学校もこれまで何度か実習生を受け入れてもらい、何人かの生徒がお世話になってるんだが……」
 歯切れ悪く告げる姿に啓は疑問符を浮かべる。
 その理由が間もなく説明され
「基本的な名門一家のような表立った名声はなく、何の名家とも言い難いのだが……ただの富豪とも違っていてな……」
 まるで説明しづらそうに話し
「調べてみたところ、知る人は知る世界的にも有名な人間を輩出し続けているらしい。家系を辿れば医者や音楽家等……まさしくバラバラな分野において名を残していたとか」
 これまで実習先として実習生が実習に行くことはあれど、このような形で前もって個人に声がかかることは無かったと語り
「ここは名門校でもあるし、多くは名家の生徒が通う以上、そういう意味では仕え先として誇れるかと言えばいまいち欠けるというか……」
 そもそも日本という国が治安がいい事もあり、護衛という意味での給仕の役目はほとんど必要とせず、それこそ国家規模ならばSPで事足りる。
 治安が良い以上、日本国家の中で護衛もある程度こなせる給仕の需要は低く、高ランクどころかランク所持者自体そこまで選り好みして望まれはしない。
 対して名門側からわざわざ日本の家を選ぶかと言われればそうでもないと啓は聞かされ
「要するに、北条家としても、この学校の出としても身に余るレベルの場所というか、誇れるレベルの仕え先ではないというか……」
「…………」
「そこではここで学んだ技術や才能を生かしきれないのではないかと思われる。勿論、君の希望に従って決めるものだからその判断にこちらがとやかく言えるものではないが」
 名指し自体、何かの縁でもないと在り得ない話ではあるがと教師は腕を組みながら唸ると、それに対して啓は口を開く。
「確かに、日本はあまりそういうイメージはありませんね」
「そうか。確か君は日本人とのハーフだったか?」
「はい。父が日本人で、日本人としての血が流れてはいますが……」
 そう僅かに表情を動かし
「日本人としての血を受け継ぎながら、私はこのイギリスで生まれ、ずっとこの国で育ってきたので日本という国を実際に見たことはないのです」
「ここ最近の君の成長は著しく、北条家の出と言うこともあり他にも数多くの名家が君に目をつけている可能性はある」
「…………」
「それこそ君の家名に恥じないような大富豪や名家からな」
 更に一般的に声のかかりやすい秋頃になればもっと多くの場から声がかかるのではないかと思われ
「だから、しっかり考えて決めるんだ。幸い、今回君に声をかけた『神月家』は答えを急いではいない」
 まるでかつての彼を知るかのような口ぶりで、他に希望の場所があれば断っても構わないとも伝えられており
「向こうもよく考えて決めるよう伝えて欲しいと言われている」

 それからさらに時は流れ、あの出来事から二年の時を経て少し成長を見せた啓が建物から出た時声は聞こえてきた。
「卒業試験に合格したようだね」
 それは二月の事、聞こえた声に視線を上げると目の前に映った姿に啓は目を丸くする。
 それは二年前、あの時と変わらぬ茶色のコートに身を包んだ男性の姿だった。
「おめでとう。少年」
「貴方は……!」
 あの時と変わらず、穏やかにそう告げる第一声に目を丸くしていた少年はあの日の記憶を胸に留め、男性に向けて頭を下げお礼を告げた。
「あの時は……どうもありがとうございました」
「おやおや、心身共に成長したって感じだねえ」
 と男性もまたあの頃と変わらぬ朗らかさで、心身共に成長を見せた少年を見ながら口を開く。
「背だけじゃなくて人としても」
「貴方のおかげです。……でも、兄さんが二年で卒業したにも関わらず、私は結局三年かかってしまいました」
 しかも卒業が認められると同時に最低限保証されているCランクのままで、技術を洗練させる為に全力を費やした為ランク昇級試験に挑む余裕が無かったと悔やむように告げた。
「兄は二年で卒業試験に合格するだけでなく、卒業する頃にはAランクへの昇格試験も合格していたんです。結局私は兄に敵う結果も残せずに……」
 兄の功績は北条家の家系にとっても優秀な類で、学校にとっても優等生と鼻高く称えられるもの。
 最終的に自分も優等生として数えられる場所まで上り詰めたものの兄に比べれば大したことは無いと語る。
 そんな様子に男性の表情が変わると
「北条家の名を汚す事は何とか避けられれど、それでも私は兄さんや家からすれば……」
「君の同級生、言わば下級生でさえそのほとんどは君より年上の子も少なくはない。そんな中、君は挫けず努力を続けたんだろう?」
 そう問いかけられ、目を丸くしながら男性を見ると男性は微笑みながら
「あの時、退学寸前まで追い込まれていた君が留年することなく進級し、卒業試験に合格した。君は、それを成し遂げたんだろう?」
「……!」
 名門と呼ばれるこの給仕学校には入学さえ難関と言われ、進級も決して楽ではない。
 卒業資格を得るのはその上を行き、この学校を卒業したというだけで付加価値のつく名門校で途中で退学する者も少なくはないことは啓も知っているはずだった。
 しかし、今彼に言われ改めて気付かされる。
「つまり、君は十分今出来る限りの努力をしたということだ」
(あの時と同じだ)
 彼の言葉は温かく、真の優等生でいられなかった事に対しても責めることはなく努力を認めてくれる。
 だからこそ自分は頑張れたのだとグッと胸の前に上げた手を握り込んだ。
 そして
「あの時の言葉……本当だったんですね」
 教師からスカウトが来た時、嬉しさよりも先に驚いたことを正直に口にし
「あれは、ただ私を励ます為に言ったのだと思い……」
 もちろん成績による選別も有り得るが、名のある場所であればあるほどそのほとんどは元々仕える予定の人間は決まっているもの。
 何なら元より仕え先が決まっている事を前提に学ばせる為、主人でもある名家側からこういった学校へ通わせる事も少なくはない。
 そんな場へコネも縁もない者が希望として望もうものなら相当自信のある能力がなくては厳しい世界。
 だからこそ彼は驚きながら問いかける。
「何故、私を名指しで選んだのですか……? 先生も、貴方の家は名指しでスカウトする事はほとんど無いと……」
「うちは実力だけじゃあんまり人を選ばないからね」
 そう返ってきた言葉に反応すると男性はポケットに手を入れながら
「君の言う通り、見栄や世間体に拘りのある家であればあるほど実力や成績で判断するだろうね。成績は、一番分かりやすい判断基準だからね」
 しかし、と彼は言葉を続け
「しかし、全くないとは言えないけれど、ウチは多くの業界に比べそう言った見栄を張る機会も少ない。つまり、そう必要ないということだよ」
「…………」
「もちろん英才教育の元若いうちからあらゆる知能を備えた子は素晴らしいけれど……私の持論としては、必要以上の実力は後からついてくるものだと思っているんだよ」
 知識や能力なんて後からいくらでもどうにでもなる。
 けど、その人本人に備わっている心や意識はそう簡単に変えられるものではないと語っていった。
 例えば辛い時そこで頑張れるか、それを続けられるか。
「それは本当に続けるべき事なのかどうか。時にはやめてしまった方が正解なものも世の中にはあるからね」
「そう、なのでしょうか」
「そうだよ。人には向き不向きがあるし、方向転換した方が本当の才能に気づける場合だってある。何も一つの事をずっとしなければならないルールなんてないからね」
 言ってしまえば最低限の常識さえ持っていれば、能力や技術はいくらでも磨く機会はある、と啓に視線を向けると
「後は卒業を待つだけか。君に正式に声をかけようとした時には見違えるように学内での優等生になっていて、もっと名誉ある場所を選ぶかと思ってもいたけど……君がうちに来てくれると聞いた時は嬉しかったよ」
「私は……貴方のおかげでここまで来られたのです」
 そう啓は思いを滲ませるように口を開き
「ここまで決して楽な道ではありませんでしたが……どんなに辛くても、思うようにいかなくてもあの時貴方が声をかけてくれたから私は頑張れたのです」
「…………」
「そして、こうして無事貴方の家に仕えられると決まった今も……もっと努力し上を目指そうと思えるようになりました。なので……」
 例え仕える場所が決まったとしても、より上のランクを目指していくつもりだと宣言するように告げる。
 博の視線の先、そこには真剣な表情でいる少年の姿があり
「これは私の家系や両親に対する見栄とは関係なく、少しでも神月家のお役に立てるようになりたいのです」
「ふむ……」
「私は……優秀な兄さんに勝つことは出来ないと思っていた。でも……。……本当は、兄さんにも負けない執事になりたいんです」
 不可能だと思えたことが、意識一つで変わると知ったから。
 二人の間に僅かな間が流れ、少し考える素振りを見せていた博の声に啓は目を丸くする。
「……君がそのつもりなら、君に提案があるんだけど」
「提案……ですか?」
「ランク昇級試験もだけど、その為に学ぶ学校が日本にはあまりないんだ。一応執事の為の学校はあるけど、特に上位の試験に適応した教育が受けられるとは限らなくてね」
 つまり、日本ではランク昇級試験に向けて学べる場がない。
 それは日本が他国より圧倒的な治安の良さがあり、そもそも護衛やそれらのスキルを必要としてまでの給仕が必要ないのが大きな理由にある。
「私としては今のままでも何も問題ないけれど、もし君が望むのなら今からでも挑戦するのはどうだい?」
 そのまま続けられる言葉に啓は目を丸くし
「本来であれば、このまま卒業し次第啓くんには日本の本家に来てもらうつもりだったんだ。けど、本来の君の主でもある主人が仕事上の利便も兼ねた別荘が日本の外にあってね」
 そこは普段、その主人の奥さんが過ごしており、そこにも神月家に仕える給仕が何人かいることに加えある為にも使われていた。
 それは、専門の学校で学びランクを得るという概念のない日本だからこそランクを持たない者も多く、時にそう言った技術を学びたいと言う者も現れる。
「学校で学びたいって子には通わせたりもするけど、基本的な技術を身につけるくらいなら直接学んだ方が確実だったりもするからね」
 なので時折日本にいる給仕達も研修と称してその国にある屋敷に赴き研修をすることもあるが、希望者によっては向こうの屋敷で学ばせるのだとか。
 つまり、その海外にある屋敷で修行をしないかという提案だった。
「その国は日本に比べて治安も約束されてなかったりしてね、向こうには本家より高ランク持ちが揃ってるんだ」
 そこにはAランクの給仕も存在し、更にはその中でも様々な分野に特化した人もいるというのだ。
「啓くんが望めば、向こうにはボディーガードやそう言った護衛術の能力に長けた人もいるから専門外的な事も教えてもらえるはずだよ」
「しかし……良いのですか?」
 そう困惑混じりに問いかけると彼は変わらぬ笑みを浮かべながら答え
「挑戦しよう、と思った時がやり時だよ。僕は正式なご主人様じゃなくて、こういう事を代行してるだけだけど君が望むならそうご主人様に伝えておくし、その屋敷への手配もしよう」

 イギリスの給仕学校を卒業した時十五歳。
 本来春から日本に渡るはずだった啓は彩音の父、神月博の提案もあり卒業後日本の本家に出向くのではなく、日本ともイギリスとも違う国で更に二年間勉学に励んだ。
 その努力の結果、見事ランク昇級試験に合格しAランクに昇格し、やがて十七歳で本来向かうべきだった日本へ渡ると本格的に仕えることとなった。
「そんな事が……」
 話し終え、聞き入るように聞いていた彩音がそう呟くと啓は目を伏せ話す。
「確かに私の正式なご主人様は貴方のおじい様であり、博様はただそういった一部の業務を引き受けていたようですが……私にとって貴方のお父様はかけがえのない恩があるのです」
 塞がれかけていた道を見出してくれた、暗闇の中光を与え手を引いてくれた存在。
 そう啓は思いに馳せるように語り
「博様も研究者として飛び回り、お忙しいので海外の屋敷に来られる事はほとんどありませんでしたが……それでも気にかけて下さっていたのですよ」
「…………」
「ご主人様も博様も素晴らしいお方です。誰にでも分け隔てなく接せられる心お優しい方で……温かな雰囲気に、こちらまで穏やかになってしまうのですから」
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