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40.友人を売ることで
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「ようやく演技をやめたか。ルーアス、お前も自分と面倒をかけられたものだ」
「……そのようですね」
リヴェンド殿下の変化に対して、ラメリオ殿下は軽蔑するような視線を向けていた。
それに対して、ルーアス殿下は悲しそうな目をしている。その視線からは、それぞれのリヴェンド殿下に対する考え方というものが、伝わってくるような気もする。
その当の本人であるリヴェンド殿下は、気まずそうな表情をしていた。流石の彼でも、この状況では居たたまれなくなるものなのだろうか。
「さて、リヴェンド。お前も既にルーアスから色々と聞いていることだろうが、状況というものを改めて整理するとしようか。お前は、ドラルク侯爵家の令息であるディアルスと取引をした。ゲヘナドに幽閉されないために、連れ去られたのだな?」
「そ、それは……」
「見返りとして、ディアルスとエゼルス伯爵家のアフェリア嬢との婚約を手伝うとでも、約束したか?」
「……」
ラメリオ殿下の言葉に、リヴェンド殿下は答えない。この期に及んで、まだ彼は往生際が悪いようである。
いやそれとも、気圧されているだけだろうか。その可能性はある。リヴェンド殿下は、小心者であるだろうし。
「お前は曲がりなりにも、アフェリア嬢に対しては敬意を持っていると思っていたが、そういう訳でもなかったようだな?」
「ぼ、僕はっ……」
そこでリヴェンド殿下は、私の方に視線を向けてきた。
彼は私を、ディアルス様に売った訳である。そのことについても、罪悪感を多少なりとも感じているのだろうか。リヴェンド殿下の表情は、少し気まずそうに見える。
とはいえ、そんな顔をされても私としては許せない。ことリヴェンド殿下に関しては、特にそう思ってしまう。
「リヴェンド殿下、あなたは私とディアルス様のことをよく知っていましたよね?」
「む? そうだったのか?」
「あ、ええ、リヴェンド殿下にはそのことに関する相談などもしていましたから」
「なるほど、それはなんとも興味深い事柄だな」
「うっ……」
私の言葉に、リヴェンド殿下はゆっくりと下を向いた。
彼はディアルス様という人間の危険性などを、理解していたはずだ。エゼルス伯爵家が彼との婚約を望んでおらず困っているということも、何度も話した。それなのに、彼はディアルス様に協力したのである。
考えれば考える程に、彼に対する怒りというものが湧いてきた。
本当にひどい裏切りである。どうやら彼の中には、私に対する友情というものは一かけらも残っていないらしい。
「……そのようですね」
リヴェンド殿下の変化に対して、ラメリオ殿下は軽蔑するような視線を向けていた。
それに対して、ルーアス殿下は悲しそうな目をしている。その視線からは、それぞれのリヴェンド殿下に対する考え方というものが、伝わってくるような気もする。
その当の本人であるリヴェンド殿下は、気まずそうな表情をしていた。流石の彼でも、この状況では居たたまれなくなるものなのだろうか。
「さて、リヴェンド。お前も既にルーアスから色々と聞いていることだろうが、状況というものを改めて整理するとしようか。お前は、ドラルク侯爵家の令息であるディアルスと取引をした。ゲヘナドに幽閉されないために、連れ去られたのだな?」
「そ、それは……」
「見返りとして、ディアルスとエゼルス伯爵家のアフェリア嬢との婚約を手伝うとでも、約束したか?」
「……」
ラメリオ殿下の言葉に、リヴェンド殿下は答えない。この期に及んで、まだ彼は往生際が悪いようである。
いやそれとも、気圧されているだけだろうか。その可能性はある。リヴェンド殿下は、小心者であるだろうし。
「お前は曲がりなりにも、アフェリア嬢に対しては敬意を持っていると思っていたが、そういう訳でもなかったようだな?」
「ぼ、僕はっ……」
そこでリヴェンド殿下は、私の方に視線を向けてきた。
彼は私を、ディアルス様に売った訳である。そのことについても、罪悪感を多少なりとも感じているのだろうか。リヴェンド殿下の表情は、少し気まずそうに見える。
とはいえ、そんな顔をされても私としては許せない。ことリヴェンド殿下に関しては、特にそう思ってしまう。
「リヴェンド殿下、あなたは私とディアルス様のことをよく知っていましたよね?」
「む? そうだったのか?」
「あ、ええ、リヴェンド殿下にはそのことに関する相談などもしていましたから」
「なるほど、それはなんとも興味深い事柄だな」
「うっ……」
私の言葉に、リヴェンド殿下はゆっくりと下を向いた。
彼はディアルス様という人間の危険性などを、理解していたはずだ。エゼルス伯爵家が彼との婚約を望んでおらず困っているということも、何度も話した。それなのに、彼はディアルス様に協力したのである。
考えれば考える程に、彼に対する怒りというものが湧いてきた。
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