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29.予想通りの動き
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「世論も段々と落ち着いてきたな……」
「ええ、そのようですね」
「やっぱり、お前が味方についているというのが大きいのだろうな……流石の影響力だ」
「いえ、私などは……」
ロナード様は、エリクシスさんとそのような会話を交わしていた。
確かに、彼の影響力はかなり高いといえるだろう。レオルード様の忠臣で優秀と名高い者達、そういう人達が揃ってロナード様を支持することによって、彼への批判意見は段々と薄れていったのだ。
レオルード様の遺書も、効力を発揮しているといえるだろう。ロナード様への支持によって、その信憑性が増したのだ。
「……とはいえ、まだまだやることはたくさんある訳か」
「ええ、ロナード様、どうかよろしくお願いします」
「ああ、任せておけ……いや、そんなに自信があるという訳ではないが」
ロナード様は、書類をまとめてから私の方に目を向けた。
今日、私はメリリナさんとともに彼から呼び出されていた。状況から考えて、恐らくエリクシスさんもそれで呼び出されたのだろう。
「……今日、あなた達を呼び出したのは他でもない。ホルルナ嬢から手紙が届いたからだ」
「手紙、ですか?」
「ああ、まあ個人的なものではあるが、どうせ内容は碌なものではないだろうから、この際集まって相談した方がいいと思ってな」
「なるほど、そういうことでしたか……」
私は、ロナード様にホルルナのことを相談していた。彼女は、必ず何かしら仕掛けてくる。その時は、力を貸して欲しい。そう言っておいたのだ。
その手紙をロナード様や信頼できる人達に見せるのは特に問題はない。というか、力を貸してもらえるならとてもありがたいくらいだ。
「でも、どうしてエリクシスさんも?」
「エリクシスには、色々と調べてもらっていたんだ」
「正確に言えば、調べたのは私の部下です」
「そんな細かいことはどうでもいいだろう」
エリクシスさんは、評判通り真面目な人だ。この王城で暮らすようになって、私はそれを改めて理解した。
それにしても、エリクシスさんは本当にロナード様の忠臣として行動している。彼の忠誠心は、別にレオルード様だけに向けられている訳ではないようだ。
「まあ、とりあえずあなたが手紙を読んでみてくれ」
「はい、それでは失礼します」
私は、ロナード様から手紙を受け取った。
とりあえず、中身を見てみる。そこにはホルルナ字で、色々と刻まれていた。
「……どうやら、彼女は王妃の地位を望んでいるようですね」
「王妃の地位……そうか、なるほどな」
私に代わって、王妃になること。ホルルナの望みとは、そのようなものだった。
嫌われ者の王弟殿下の妻には私の方が相応しい。そう言っていたのに、今更彼女は彼の妻となることを望んでいるのだ。
「ええ、そのようですね」
「やっぱり、お前が味方についているというのが大きいのだろうな……流石の影響力だ」
「いえ、私などは……」
ロナード様は、エリクシスさんとそのような会話を交わしていた。
確かに、彼の影響力はかなり高いといえるだろう。レオルード様の忠臣で優秀と名高い者達、そういう人達が揃ってロナード様を支持することによって、彼への批判意見は段々と薄れていったのだ。
レオルード様の遺書も、効力を発揮しているといえるだろう。ロナード様への支持によって、その信憑性が増したのだ。
「……とはいえ、まだまだやることはたくさんある訳か」
「ええ、ロナード様、どうかよろしくお願いします」
「ああ、任せておけ……いや、そんなに自信があるという訳ではないが」
ロナード様は、書類をまとめてから私の方に目を向けた。
今日、私はメリリナさんとともに彼から呼び出されていた。状況から考えて、恐らくエリクシスさんもそれで呼び出されたのだろう。
「……今日、あなた達を呼び出したのは他でもない。ホルルナ嬢から手紙が届いたからだ」
「手紙、ですか?」
「ああ、まあ個人的なものではあるが、どうせ内容は碌なものではないだろうから、この際集まって相談した方がいいと思ってな」
「なるほど、そういうことでしたか……」
私は、ロナード様にホルルナのことを相談していた。彼女は、必ず何かしら仕掛けてくる。その時は、力を貸して欲しい。そう言っておいたのだ。
その手紙をロナード様や信頼できる人達に見せるのは特に問題はない。というか、力を貸してもらえるならとてもありがたいくらいだ。
「でも、どうしてエリクシスさんも?」
「エリクシスには、色々と調べてもらっていたんだ」
「正確に言えば、調べたのは私の部下です」
「そんな細かいことはどうでもいいだろう」
エリクシスさんは、評判通り真面目な人だ。この王城で暮らすようになって、私はそれを改めて理解した。
それにしても、エリクシスさんは本当にロナード様の忠臣として行動している。彼の忠誠心は、別にレオルード様だけに向けられている訳ではないようだ。
「まあ、とりあえずあなたが手紙を読んでみてくれ」
「はい、それでは失礼します」
私は、ロナード様から手紙を受け取った。
とりあえず、中身を見てみる。そこにはホルルナ字で、色々と刻まれていた。
「……どうやら、彼女は王妃の地位を望んでいるようですね」
「王妃の地位……そうか、なるほどな」
私に代わって、王妃になること。ホルルナの望みとは、そのようなものだった。
嫌われ者の王弟殿下の妻には私の方が相応しい。そう言っていたのに、今更彼女は彼の妻となることを望んでいるのだ。
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