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第19話 過去の話
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私は、ロクス様とともに、とある部屋に来ていた。
今回は、誰かと会う訳ではない。私の父やその兄弟達に、何があったのかを教えてもらうのだ。
「まず、我々の父上に起こっていたある出来事について、お教えします」
「ある出来事?」
「ええ、我々の前の代、ヴァンデイン家では後継者争いをしていたのです」
「後継者争い……」
どうやら、私達の父は、後継者争いをしていたようだ。
公爵家といった大きな家には、そういう争いが起こることは珍しいことではない。平和に見えるヴァンデイン家も、かつてはそのような争いをしていたのだろう。
その争いの話をする時点で、私の父が何故亡くなったのかもわかった。恐らく、父は後継者争いの中で、亡くなったのだ。
「それで、私の父は亡くなったのですか?」
「……ええ、そういうことです。そして、その原因を作ったのが……アウターノの父上であるレグド様なのです」
「レグド様が……」
私の予想通り、父は後継者争いによって亡くなったらしい。
そして、その原因を作ったのが、先程会ったアウターノの様の父であるレグド様のようだ。
「僕も、詳しい事情までは知らないのですが、レグド様がラグド様を亡き者にしたということは事実のようなのです。それにより、僕の父上はひどく激昂して、レグド様に裁きを与えたらしいのです」
「裁き……」
そんなレグド様に対して、ログド様は裁きを与えたらしい。
それが、どのような裁きだったのかは、聞くまでもないだろう。
「そのことがあったため、アウターノは僕の父上やその子供達を恨んでいるのです。自分の父上を奪った一族として、ずっと憎しみを向けてくるのです」
「そうなのですね……」
先程のアウターノ様の態度は、そのようなことが原因だったようだ。
私に対して恨みがないと言っていたのは、自分の父が私の父を奪ったからなのだろう。
「なんだか、理解できてきました……私の母が、どうしてヴァンデイン家を頼らなかったのか」
「……そうですね」
今の話を聞いて、私は理解できてきた。
母は、そういうことに私が巻き込まれることを危惧して、ヴァンデイン家を頼らなかったのだ。
他に理由があったのかもしれないが、一番はそれだろう。父が亡くなった原因を作った家を、頼ろうとは思わないはずである。
「もしかしたら、僕達は余計なことをしたのかもしれませんね」
「余計なこと?」
「あなたの母上が、我々を頼ろうとしなかった時点で、あなたのことは放っておいた方がよかったのかもしれません。少なくとも、あなたの母上は、それを望んでいたのですから……」
ロクス様の言葉に、私は何も言えなかった。
その言葉に返すべき言葉が何も思いつかなかったのだ。
今回は、誰かと会う訳ではない。私の父やその兄弟達に、何があったのかを教えてもらうのだ。
「まず、我々の父上に起こっていたある出来事について、お教えします」
「ある出来事?」
「ええ、我々の前の代、ヴァンデイン家では後継者争いをしていたのです」
「後継者争い……」
どうやら、私達の父は、後継者争いをしていたようだ。
公爵家といった大きな家には、そういう争いが起こることは珍しいことではない。平和に見えるヴァンデイン家も、かつてはそのような争いをしていたのだろう。
その争いの話をする時点で、私の父が何故亡くなったのかもわかった。恐らく、父は後継者争いの中で、亡くなったのだ。
「それで、私の父は亡くなったのですか?」
「……ええ、そういうことです。そして、その原因を作ったのが……アウターノの父上であるレグド様なのです」
「レグド様が……」
私の予想通り、父は後継者争いによって亡くなったらしい。
そして、その原因を作ったのが、先程会ったアウターノの様の父であるレグド様のようだ。
「僕も、詳しい事情までは知らないのですが、レグド様がラグド様を亡き者にしたということは事実のようなのです。それにより、僕の父上はひどく激昂して、レグド様に裁きを与えたらしいのです」
「裁き……」
そんなレグド様に対して、ログド様は裁きを与えたらしい。
それが、どのような裁きだったのかは、聞くまでもないだろう。
「そのことがあったため、アウターノは僕の父上やその子供達を恨んでいるのです。自分の父上を奪った一族として、ずっと憎しみを向けてくるのです」
「そうなのですね……」
先程のアウターノ様の態度は、そのようなことが原因だったようだ。
私に対して恨みがないと言っていたのは、自分の父が私の父を奪ったからなのだろう。
「なんだか、理解できてきました……私の母が、どうしてヴァンデイン家を頼らなかったのか」
「……そうですね」
今の話を聞いて、私は理解できてきた。
母は、そういうことに私が巻き込まれることを危惧して、ヴァンデイン家を頼らなかったのだ。
他に理由があったのかもしれないが、一番はそれだろう。父が亡くなった原因を作った家を、頼ろうとは思わないはずである。
「もしかしたら、僕達は余計なことをしたのかもしれませんね」
「余計なこと?」
「あなたの母上が、我々を頼ろうとしなかった時点で、あなたのことは放っておいた方がよかったのかもしれません。少なくとも、あなたの母上は、それを望んでいたのですから……」
ロクス様の言葉に、私は何も言えなかった。
その言葉に返すべき言葉が何も思いつかなかったのだ。
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