平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。

木山楽斗

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第57話 その思いは

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 私は、ロクス様に色々なことを聞いていた。
 ロクス様が私を好きになり、私がいなくなり、私とまた出会い、私が家族と判明する。そのような流れを、全て話してくれた。
 話を聞いている内に、私は落ち着いてきていた。ロクス様の告白が衝撃的だったことは変わらないが、今は意外にも冷静に考えることができるようになっている。

「ロクス様……ロクス様がどのような思いを抱いていたか、理解することができました。話して頂き、ありがとうございました」
「いえ、なんというか、恥ずかしい話でしたが……」

 とりあえず、私はロクス様にお礼を言っておいた。
 このような話をしてくれたのは、ロクス様の優しさだ。私が落ち着けるように、さらに自分がどういう思いを抱いていたかもわかるように説明してくれたのである。

「私は、ロクス様の思いに対する答えを出さなければなりませんよね……」
「あ、いえ、別に急いで答えを出してもらわなくても、大丈夫ですよ?」
「いえ、私の答えは決まっています。だから、今すぐにでも答えを出すことはできます」

 そんなロクス様に、私は答えを出さなければならないと思った。
 私の答えは、既に決まっている。ロクス様の話を聞いていて、結論が出たのだ。

「そうですか……それなら、答えを聞かせてもらえますか?」
「ええ、もちろんです」

 ロクス様は、真面目で誠実な人である。
 彼には、色々と助けられてきた。公爵家の人間と判明した時も、ドルバル様に付きまとわれそうなった時も、それからもずっと助けられてきたのである。
 そんなロクス様は、私にとってとても頼りになる人だ。思えば、彼はいつも傍にいて、私を助けてくれた。私も、自然と当たり前のようにロクス様を頼っていた気がする。
 そんなロクス様と一緒になれたなら、絶対に幸せになれるだろう。そう思える時点で、私の答えは決まったのである。

「ロクス様……私も、ロクス様のことが好きです」
「え?」
「ロクス様は、真面目で誠実で……何より、私を見てくれています。だから、これからも私と一緒に歩んでください」

 そして、もう一つ決め手になったのは、ロクス様が私という人間を求めてくれたからだ。
 かつて私の婚約者だったドルバル様は、私の地位ばかりに目をやる人だった。そんな人と接していたからか、地位に関係ない好意がどうしようもなく嬉しいのだ。

「……もちろんです」

 私の言葉に、ロクス様は頷いてくれた。
 こうして、私達はお互いに思いを伝えたのである。
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