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私の婚約者は、この国の第二王子であるグルゼン様だ。
彼という人間は、そこまで褒められた人間ではない。自分の思い通りにならなければすぐに怒るし、正直一緒にいて息苦しい人間である。
だが、それでも私は我慢していた。
彼のような男でも、第二王子。アスキード家の発展のために、その身を捧げる覚悟を決めていた私は、グルゼン様とのつまらない毎日に耐え続けているのだ。
「お前との婚約を破棄したい」
「え?」
そんな彼から告げられたのは、突然の婚約破棄だった。
あまりにも唐突な発言だったため、私も驚きを隠せない。
「ど、どうして、急にそのようなことを……?」
「お前の妹は、獣人の国に嫁ぐらしいな?」
「え? そうですけど……」
「それが気に入らないんだよ」
グルゼン様が言ってきたのは、このラグフェンド王国の隣にある国に関することだった。
その国は、リオネルダ王国という国だ。通称は獣人の国と呼ばれている。
呼び名の通り、私達人間とは違う獣と人が混ざったような種族である獣人達が暮らしている国だ。
私の妹は、その国の第二王子の元に嫁ぐことになっている。
近年、二つの国は和平を結んだ。そこで、こちらの国とあちらの国で婚約を結ぶことになったのである。
その大役に、アスキード家は立候補して、妹のメーリアが嫁ぐことになったのだ。
「それが気に入らないとは、どういうことですか?」
「僕とお前が結婚すれば、僕はその獣人の義理の兄になるということだろう? そんな吐き気がするような関係性になりたくないのさ」
「吐き気がする? なんということを……」
獣人というものは、つい最近まで野蛮な種族と言われていた。
敵対していた時の名残で、そういう風に噂されていたのだ。
その差別意識を未だ払拭できていない人は、意外にも多い。国の頂点に位置する王族の一員である彼も、その一人だったようだ。
それは、信じられないことである。本来なら、彼のような立場の人間が一番に認識を改めなければならないのだ。それができていないなど、まず王族としてどうなのだろうか。
「そのような偏見や差別を持つなど、王族として恥ずかしくはないのですか?」
「うるさい! お前の意見なんて聞いていないんだよ! とにかく、お前との婚約なんて願い下げだ。第一、前々からうるさいと思っていたしな……」
「あなたは……」
「これ以上、お前の御託は聞きたくない! 早く、この部屋から出て行け!」
語気を荒げる第二王子に、私は下がるしかなかった。
これ以上、騒ぎを大きくしてもいいことはない。ここは、大人しく帰るしかないだろう。
彼という人間は、そこまで褒められた人間ではない。自分の思い通りにならなければすぐに怒るし、正直一緒にいて息苦しい人間である。
だが、それでも私は我慢していた。
彼のような男でも、第二王子。アスキード家の発展のために、その身を捧げる覚悟を決めていた私は、グルゼン様とのつまらない毎日に耐え続けているのだ。
「お前との婚約を破棄したい」
「え?」
そんな彼から告げられたのは、突然の婚約破棄だった。
あまりにも唐突な発言だったため、私も驚きを隠せない。
「ど、どうして、急にそのようなことを……?」
「お前の妹は、獣人の国に嫁ぐらしいな?」
「え? そうですけど……」
「それが気に入らないんだよ」
グルゼン様が言ってきたのは、このラグフェンド王国の隣にある国に関することだった。
その国は、リオネルダ王国という国だ。通称は獣人の国と呼ばれている。
呼び名の通り、私達人間とは違う獣と人が混ざったような種族である獣人達が暮らしている国だ。
私の妹は、その国の第二王子の元に嫁ぐことになっている。
近年、二つの国は和平を結んだ。そこで、こちらの国とあちらの国で婚約を結ぶことになったのである。
その大役に、アスキード家は立候補して、妹のメーリアが嫁ぐことになったのだ。
「それが気に入らないとは、どういうことですか?」
「僕とお前が結婚すれば、僕はその獣人の義理の兄になるということだろう? そんな吐き気がするような関係性になりたくないのさ」
「吐き気がする? なんということを……」
獣人というものは、つい最近まで野蛮な種族と言われていた。
敵対していた時の名残で、そういう風に噂されていたのだ。
その差別意識を未だ払拭できていない人は、意外にも多い。国の頂点に位置する王族の一員である彼も、その一人だったようだ。
それは、信じられないことである。本来なら、彼のような立場の人間が一番に認識を改めなければならないのだ。それができていないなど、まず王族としてどうなのだろうか。
「そのような偏見や差別を持つなど、王族として恥ずかしくはないのですか?」
「うるさい! お前の意見なんて聞いていないんだよ! とにかく、お前との婚約なんて願い下げだ。第一、前々からうるさいと思っていたしな……」
「あなたは……」
「これ以上、お前の御託は聞きたくない! 早く、この部屋から出て行け!」
語気を荒げる第二王子に、私は下がるしかなかった。
これ以上、騒ぎを大きくしてもいいことはない。ここは、大人しく帰るしかないだろう。
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