刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。

木山楽斗

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71.狙われる竜③

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 私は、宿屋の自室にてみんなに事情を話していた。リルフが何者だったか、その後騎士団と何があったか、全て包み隠さず話したのである。
 その結果、皆は黙ってしまった。私の話が、あまりに衝撃的だったからなのかもしれない。

「……つまり、騎士団はお前達を敵だと認識しているって訳か」
「兄貴……」

 最初に口を開いたのは、兄貴だった。兄貴にとっては、自分が所属している団体が私の敵に回ったのだ。きっと、複雑な心境だろう。

「兄貴、その……」
「いや、いいのさ。騎士団がお前達の敵に回るっていうなら、俺も腹を括らないと駄目だということだな……」
「そ、そんな、でも、騎士になることは兄貴の夢だったのに……」
「俺にとって騎士団なんかよりも、お前達の方が大切だ」
「兄貴……」

 兄貴は、私を見ながら真剣な顔でそう言ってきた。私のために、自らも騎士団と決別しても構わない。その覚悟に対して、私はなんと声をかけていいかわからなかった。

「そんな顔をしないでくれ。別に、俺は騎士団に未練なんて残っていない。思うんだ。俺は騎士になりたかった。でも、それはきっと騎士団に属するということではない。大切なものを守る……俺がなりたかったのは、そういう存在なんだと思うんだ」
「そっか……それが、兄貴なんだね」
「ああ、それが俺なんだ」

 兄貴の言葉を聞いて、私は理解した。彼にとっては、騎士団に属しているという事実は、それ程重要ではないのだ。
 それなら、兄貴を頼らせてもらおう。今は一人でも味方が欲しい。それが兄貴なら、百人力である。

「なんというか、大変なことになっているのね……」
「うん、僕達の理解が追いつかないくらいの出来事だよ」
「ちょっと、何勝手にひとくくりにしているのよ?」
「姉さん、状況がきちんと理解できているの?」
「それは……まあ、できていないんだけど」

 兄貴の後に、ミルーシャとメルラムが口を開いた。二人とも、まだ色々と飲み込むことができていないようである。

「まあ、でも、フェリナの危機に、私達も黙っている訳にはいかないわよね」
「もちろん、そうだよね。僕達にできることがあるなら、喜んで協力するよ」
「二人とも……ありがとう」

 ミルーシャとメルラムも、すぐに協力を申し出てくれた。二人の申し出も、ありがたいものである。
 結果的に、私は三人もの協力者を得ることができた。これ程、心強い味方ができたのだ。きっと、今回の出来事もなんとかなるだろう。例え、それがどれだけ困難なことだったとしても。
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