44 / 44
44.これからも平和を
再び和平を結んでから、アルフェンド王国とドナテロ王国は平和になっていた。
ここ数年、特に大きな問題は起こっていない。このまま平和がずっと続いてくれるといいのだが。
「その平和を守っていくことが、僕達の使命なのでしょうね」
「そうですね。私達はそういう責任ある立場ですから」
私は、公爵となったウルギア様と結婚して公爵夫人になった。
私の存在は、一応二国間の和平の象徴になっている。アルフェンド王国の王の姉がドナテロ王国の王弟の妻。そこには大きな意味があるようだ。
もっとも、私はそれをそこまで気にしているという訳でもない。ただウルギア様と一緒に、平和に暮らしているだけである。
「まあ、何もないならないでそれが一番ですからね。今日もいい天気だ。日向ぼっこでもしたいくらいですが」
「そうですねぇ……」
「……あんたら、何を馬鹿みたいなことを言っているんだい」
「おや……」
「お祖母様……」
そんな平和を謳歌していた私達の元に、お祖母様が少し不機嫌そうな顔をしながらやって来た。
私がお願いしたこともあって、お祖母様もガムテット山に戻らずにこちらで一緒に暮らしてもらっている。アルフェンド王国にいた時から変わらず、私の心強い一番の味方だ。
「王城に出掛けるんだろう。こんな所でのんびりしている場合じゃないはずだ」
「それはそうなんですけど、今日はなんだかいい天気だったので……」
「クレメリア、あんたは最近ウルギアに似てきたね……」
「え? そうでしょうか?」
お祖母様は、苦笑いを浮かべていた。
言われてみれば、確かに最近ウルギア様と思考が一致することが多い。ともに暮らす中で、私は彼に似てきたのだろうか。それはなんというか、嬉しいような気もする。
「まあ、平和を謳歌するのはいいけど、魔法の鍛錬は欠かしていないだろうね?」
「それはもちろんです。努力は欠かしていませんよ」
「ふん、その言葉は嘘ではないようだね……また魔力を磨いたかい?」
「ええ、お祖母様を越えなければなりませんからね」
「はっ! アタシなんて、もう越えているさ。あんたがどこまでいくのか、楽しみだね」
お祖母様の言葉に、私は笑みを浮かべた。
そうやって楽しみにしてもらえると、こちらとしてもありがたい。お祖母様に成長した姿を見せる。それは、小さな頃から私が魔法を学ぶ上でのモチベーションの一つだ。
「さて、クレメリアさん、そろそろ行きましょうか?」
「ええ、ウルギア様」
そこでウルギア様は、私に手を伸ばしてきた。私はその手をゆっくりと取る。
これからも私は、この平和を守っていく。ウルギア様とともに、新たな未来を作り上げていくのだ。
ここ数年、特に大きな問題は起こっていない。このまま平和がずっと続いてくれるといいのだが。
「その平和を守っていくことが、僕達の使命なのでしょうね」
「そうですね。私達はそういう責任ある立場ですから」
私は、公爵となったウルギア様と結婚して公爵夫人になった。
私の存在は、一応二国間の和平の象徴になっている。アルフェンド王国の王の姉がドナテロ王国の王弟の妻。そこには大きな意味があるようだ。
もっとも、私はそれをそこまで気にしているという訳でもない。ただウルギア様と一緒に、平和に暮らしているだけである。
「まあ、何もないならないでそれが一番ですからね。今日もいい天気だ。日向ぼっこでもしたいくらいですが」
「そうですねぇ……」
「……あんたら、何を馬鹿みたいなことを言っているんだい」
「おや……」
「お祖母様……」
そんな平和を謳歌していた私達の元に、お祖母様が少し不機嫌そうな顔をしながらやって来た。
私がお願いしたこともあって、お祖母様もガムテット山に戻らずにこちらで一緒に暮らしてもらっている。アルフェンド王国にいた時から変わらず、私の心強い一番の味方だ。
「王城に出掛けるんだろう。こんな所でのんびりしている場合じゃないはずだ」
「それはそうなんですけど、今日はなんだかいい天気だったので……」
「クレメリア、あんたは最近ウルギアに似てきたね……」
「え? そうでしょうか?」
お祖母様は、苦笑いを浮かべていた。
言われてみれば、確かに最近ウルギア様と思考が一致することが多い。ともに暮らす中で、私は彼に似てきたのだろうか。それはなんというか、嬉しいような気もする。
「まあ、平和を謳歌するのはいいけど、魔法の鍛錬は欠かしていないだろうね?」
「それはもちろんです。努力は欠かしていませんよ」
「ふん、その言葉は嘘ではないようだね……また魔力を磨いたかい?」
「ええ、お祖母様を越えなければなりませんからね」
「はっ! アタシなんて、もう越えているさ。あんたがどこまでいくのか、楽しみだね」
お祖母様の言葉に、私は笑みを浮かべた。
そうやって楽しみにしてもらえると、こちらとしてもありがたい。お祖母様に成長した姿を見せる。それは、小さな頃から私が魔法を学ぶ上でのモチベーションの一つだ。
「さて、クレメリアさん、そろそろ行きましょうか?」
「ええ、ウルギア様」
そこでウルギア様は、私に手を伸ばしてきた。私はその手をゆっくりと取る。
これからも私は、この平和を守っていく。ウルギア様とともに、新たな未来を作り上げていくのだ。
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(6件)
あなたにおすすめの小説
もう二度と、あなたの傷を引き受けません ~死に戻った治癒師伯爵夫人は、冷血公爵の最愛になる~
ゆぷしろん
恋愛
傷を癒やすたび、自分が同じ傷を負う――そんな代償つきの治癒魔法を持つ伯爵夫人セレフィナは、夫を救い続けた末に裏切られ、罪を着せられて処刑される。
しかし死の直前、「もう二度と、あなたの傷は引き受けない」と誓った瞬間、彼女は夫の凱旋祝賀会の日へ死に戻っていた。
今度こそ搾取されるだけの人生を捨てると決めたセレフィナは、夫との治癒契約を破棄し、離縁を宣言。そんな彼女に手を差し伸べたのは、“冷血公爵”と恐れられるディートハルトだった。
彼が求めたのは命を削る奇跡ではなく、治癒師としての知識と才能。北辺境で広がる奇病を調査する中で、セレフィナは研究者として認められ、本当の居場所と誠実な愛を見つけていく。
搾取の愛を捨てた治癒師伯爵夫人が、自分の人生を取り戻し、冷血公爵の最愛になる死に戻り逆転ロマンス。
聖女の妹、『灰色女』の私
ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。
『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。
一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?
出来損ないと言われて、国を追い出されました。魔物避けの効果も失われるので、魔物が押し寄せてきますが、頑張って倒してくださいね
猿喰 森繁
恋愛
「婚約破棄だ!」
広間に高らかに響く声。
私の婚約者であり、この国の王子である。
「そうですか」
「貴様は、魔法の一つもろくに使えないと聞く。そんな出来損ないは、俺にふさわしくない」
「… … …」
「よって、婚約は破棄だ!」
私は、周りを見渡す。
私を見下し、気持ち悪そうに見ているもの、冷ややかな笑いを浮かべているもの、私を守ってくれそうな人は、いないようだ。
「王様も同じ意見ということで、よろしいでしょうか?」
私のその言葉に王は言葉を返すでもなく、ただ一つ頷いた。それを確認して、私はため息をついた。たしかに私は魔法を使えない。魔力というものを持っていないからだ。
なにやら勘違いしているようだが、聖女は魔法なんて使えませんよ。
虐げられた聖女が魔力を引き揚げて隣国へ渡った結果、祖国が完全に詰んだ件について~冷徹皇帝陛下は私を甘やかすのに忙しいそうです~
日々埋没。
恋愛
「お前は無能な欠陥品」と婚約破棄された聖女エルゼ。
彼女が国中の魔力を手繰り寄せて出国した瞬間、祖国の繁栄は終わった。
一方、隣国の皇帝に保護されたエルゼは、至れり尽くせりの溺愛生活の中で真の力を開花させていく。
婚約破棄されたので、聖女になりました。けど、こんな国の為には働けません。自分の王国を建設します。
ぽっちゃりおっさん
恋愛
公爵であるアルフォンス家一人息子ボクリアと婚約していた貴族の娘サラ。
しかし公爵から一方的に婚約破棄を告げられる。
屈辱の日々を送っていたサラは、15歳の洗礼を受ける日に【聖女】としての啓示を受けた。
【聖女】としてのスタートを切るが、幸運を祈る相手が、あの憎っくきアルフォンス家であった。
差別主義者のアルフォンス家の為には、祈る気にはなれず、サラは国を飛び出してしまう。
そこでサラが取った決断は?
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
追放聖女の再就職 〜長年仕えた王家からニセモノと追い出されたわたしですが頑張りますね、魔王さま!〜
三崎ちさ
恋愛
メリアは王宮に勤める聖女、だった。
「真なる聖女はこの世に一人、エミリーのみ! お前はニセモノだ!」
ある日突然いきりたった王子から国外追放、そして婚約破棄もオマケのように言い渡される。
「困ったわ、追放されても生きてはいけるけど、どうやってお金を稼ごうかしら」
メリアには病気の両親がいる。王宮で聖女として働いていたのも両親の治療費のためだった。国の外には魔物がウロウロ、しかし聖女として活躍してきたメリアには魔物は大した脅威ではない。ただ心配なことは『お金の稼ぎ方』だけである。
そんな中、メリアはひょんなことから封印されていたはずの魔族と出会い、魔王のもとで働くことになる。
「頑張りますね、魔王さま!」
「……」(かわいい……)
一方、メリアを独断で追放した王子は父の激昂を招いていた。
「メリアを魔族と引き合わせるわけにはいかん!」
国王はメリアと魔族について、何か秘密があるようで……?
即オチ真面目魔王さまと両親のためにお金を稼ぎたい!ニセモノ疑惑聖女のラブコメです。
※小説家になろうさんにも掲載
【妄想QA】
Q:クレメリアの母親は?
A:お祖母様「生きてるよ、別の国でね。
クレメリアの事は娘として愛せたけれど、同時にあの男の血を継いでるというだけで耐えられなかったのさ。
同様の理由で、あの男の血族が王族やってるこの国にも居られなかったのさ。
この話はクレメリアにはナイショだよ」
感想ありがとうございます。
母親に関しては、ご想像にお任せします。
>遠い妹
…てなんですか?
年の離れた妹…では?
エルベルト「まさか離したはずの妹が聖女として戻ってくるとは……」
ところでエルベルト前陛下とクレメリアは、同母ですか?
異母兄妹ですか?
ご指摘ありがとうございます。
確かに年の離れた妹が正しいです。
エルベルトとクレメリアの母親は違います。
【32話】
>お祖母様に反論するために檻に近づいたことによって(略
⇛格子に近づいた or 鉄格子近づいた
ご指摘ありがとうございます。
修正させていただきます。