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私は、エリグス様と話していた。
お父様の言葉に対する私の解釈は、間違っていたようだ。少なくとも、彼は異なる解釈をしたらしい。
「感情を抑えるということは、理性で判断した結果、考えるべきことです」
「理性で判断した結果……?」
「ええ、感情に流されて、間違った判断をしなければいいのです。友人の妹さんは、何も考えず、感情だけで物事を判断しました。その結果、破滅したに過ぎません。理性で判断していえば、あのような結果にはならなかったでしょう」
「それは……そうかもしれませんが」
エリグス様の解釈が、私はよくわからない。
妹が感情だけで物事を判断して破滅したなら、感情がなければいいという私の解釈は正しいはずである。
「だから、まずは理性で考えてみてください。今、あなたはその感情に流されてはいけないのですか?」
「理性で考える……」
そこで、エリグス様から質問が投げかけられた。
今の状況を、理性で考えるとどうなるのか。私は、ゆっくりと考える。
よく考えてみれば、私がエリグス様に特別な思いを抱いていても、今は何も問題ない。むしろ、丸く収まっていいのではないだろうか。
「……確かに、今の状況で考えれば、何も問題ないのかもしれません」
「ええ、そうでしょう?」
「でも、それでいいのでしょうか?」
しかし、それでいいのか私はよくわからなくなっていた。
確かに、今は感情を抑える必要はないかもしれない。だが、それは貴族として正しいことなのだろうか。
「今は、それでいいと思います。あなたが苦しんでいるのは、無理に感情に蓋をしようとしているからです。例えば、事情が変わって、僕との婚約ができない状況になれば、あなたはまた違う判断をするのではないでしょうか?」
「抑制しなくていいのに、抑制しているから苦しいということですか?」
「そういうことだと思います。今は、別に感情に従っても問題ないのですから、従えばいいのではないでしょうか?」
エリグス様の言葉を、私はすぐに飲み込むことができなかった。
だが、わからない訳ではない。今は何も問題ないのに、抑制しようと思うのは苦しいことである。何か起こった時に、考えるべきなのかもしれない。
「……ところで、エリグス様、先程から私の話のように扱っていませんか?」
「え? あっ……いや、そうではないのですが……」
そこで、私はあることを指摘した。
先程から、エリグス様が友人という設定を忘れているのだ。一応、それははっきりさせておかなければならないだろう。
お父様の言葉に対する私の解釈は、間違っていたようだ。少なくとも、彼は異なる解釈をしたらしい。
「感情を抑えるということは、理性で判断した結果、考えるべきことです」
「理性で判断した結果……?」
「ええ、感情に流されて、間違った判断をしなければいいのです。友人の妹さんは、何も考えず、感情だけで物事を判断しました。その結果、破滅したに過ぎません。理性で判断していえば、あのような結果にはならなかったでしょう」
「それは……そうかもしれませんが」
エリグス様の解釈が、私はよくわからない。
妹が感情だけで物事を判断して破滅したなら、感情がなければいいという私の解釈は正しいはずである。
「だから、まずは理性で考えてみてください。今、あなたはその感情に流されてはいけないのですか?」
「理性で考える……」
そこで、エリグス様から質問が投げかけられた。
今の状況を、理性で考えるとどうなるのか。私は、ゆっくりと考える。
よく考えてみれば、私がエリグス様に特別な思いを抱いていても、今は何も問題ない。むしろ、丸く収まっていいのではないだろうか。
「……確かに、今の状況で考えれば、何も問題ないのかもしれません」
「ええ、そうでしょう?」
「でも、それでいいのでしょうか?」
しかし、それでいいのか私はよくわからなくなっていた。
確かに、今は感情を抑える必要はないかもしれない。だが、それは貴族として正しいことなのだろうか。
「今は、それでいいと思います。あなたが苦しんでいるのは、無理に感情に蓋をしようとしているからです。例えば、事情が変わって、僕との婚約ができない状況になれば、あなたはまた違う判断をするのではないでしょうか?」
「抑制しなくていいのに、抑制しているから苦しいということですか?」
「そういうことだと思います。今は、別に感情に従っても問題ないのですから、従えばいいのではないでしょうか?」
エリグス様の言葉を、私はすぐに飲み込むことができなかった。
だが、わからない訳ではない。今は何も問題ないのに、抑制しようと思うのは苦しいことである。何か起こった時に、考えるべきなのかもしれない。
「……ところで、エリグス様、先程から私の話のように扱っていませんか?」
「え? あっ……いや、そうではないのですが……」
そこで、私はあることを指摘した。
先程から、エリグス様が友人という設定を忘れているのだ。一応、それははっきりさせておかなければならないだろう。
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