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74.各々の主張
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私達は、生徒会室に呼び出されていた。
私達の他に呼び出されていたのは、リオーブ、ファルーシャ、バルクド様の三人である。事件のことを知っている者達を集めたということなのだろう。
「ディゾール様、それで話とは一体?」
「単刀直入に言おう。魂結合魔法を修得した」
「……そうですか」
私の質問に、ディゾール様はすぐに答えてくれた。それは、私が予想していた通りの答えである。
「……魂の魔法に関しては、俺よりもそこの二人の方が詳しかったはずだ。だが、俺の方が早く修得できた。それがどういうことかは、大方予想がついている」
「そ、それは……」
「お前達は、アルフィア……いや、アルフィアの体に今入っている魂がどうなるかを考え、魂結合魔法の修得ができなかったのだろう。心情としてはわからない訳ではない。だが、それは愚かなことだ」
ディゾール様は、メルティナとキャロムの二人を堂々と切り捨てた。どうやら、彼も私のことは理解していたようである。
「兄上、どういうことだ? 俺には言っている意味がわからない」
「……アルフィアの魂を元に戻すということは、アルフィアの体にアルフィアの魂が帰ってくるということだ。その時、何が起こるかを理解できない程、お前も愚かではあるまい」
「……まさか」
ディゾール様の説明で、ドルキンスは気づいたようだ。
ただ、彼以外の者達はそれ程驚いていないように見える。恐らく、なんとなく理解はしていたのだろう。
「生徒会長……つまり、あなたは今のアルフィアさんがいなくなることを許容するということなのかい?」
「そうだとしたら、なんだというのだ?」
「なっ……!」
キャロムは、ディゾール様に食って掛かっていった。しかし、その勢いも彼は気にしない。その鋭い眼光で、キャロムを睨み返すだけだ。
「この体は、元々アルフィアのものだ。その体が元の持ち主に戻ることになんの不都合があるというのだ?」
「あなたは、今のアルフィアさんに消えろというのか? 元の形に戻るからといって、それを要求するというのか? どうして、そんなに……」
「ならば、お前は本物のアルフィアに戻ってくるなというのか?」
「違う。そういうことではなくて……」
「それとも、その体にもう一つ魂を入れておいてくれてと頼むか? それを許容してくれとそう頼むのか?」
「それは……」
キャロムの反論に、ディゾール様は淡々と返す。感情を露わにしているキャロムに比べて、ディゾール様は冷静である。
そんな彼の主張は、正論であるはずだ。私もそう思ったからこそ、在るべき場所に帰るべきだと考えた。それは、他の皆も理解できることだろう。
だが、理解できても、納得はできないことなのかもしれない。キャロムの表情を見ていると、それが伝わってくる。
それに、私は感謝するべきだろう。こんな風に思ってもらえるなんて、幸せなことだ。
私達の他に呼び出されていたのは、リオーブ、ファルーシャ、バルクド様の三人である。事件のことを知っている者達を集めたということなのだろう。
「ディゾール様、それで話とは一体?」
「単刀直入に言おう。魂結合魔法を修得した」
「……そうですか」
私の質問に、ディゾール様はすぐに答えてくれた。それは、私が予想していた通りの答えである。
「……魂の魔法に関しては、俺よりもそこの二人の方が詳しかったはずだ。だが、俺の方が早く修得できた。それがどういうことかは、大方予想がついている」
「そ、それは……」
「お前達は、アルフィア……いや、アルフィアの体に今入っている魂がどうなるかを考え、魂結合魔法の修得ができなかったのだろう。心情としてはわからない訳ではない。だが、それは愚かなことだ」
ディゾール様は、メルティナとキャロムの二人を堂々と切り捨てた。どうやら、彼も私のことは理解していたようである。
「兄上、どういうことだ? 俺には言っている意味がわからない」
「……アルフィアの魂を元に戻すということは、アルフィアの体にアルフィアの魂が帰ってくるということだ。その時、何が起こるかを理解できない程、お前も愚かではあるまい」
「……まさか」
ディゾール様の説明で、ドルキンスは気づいたようだ。
ただ、彼以外の者達はそれ程驚いていないように見える。恐らく、なんとなく理解はしていたのだろう。
「生徒会長……つまり、あなたは今のアルフィアさんがいなくなることを許容するということなのかい?」
「そうだとしたら、なんだというのだ?」
「なっ……!」
キャロムは、ディゾール様に食って掛かっていった。しかし、その勢いも彼は気にしない。その鋭い眼光で、キャロムを睨み返すだけだ。
「この体は、元々アルフィアのものだ。その体が元の持ち主に戻ることになんの不都合があるというのだ?」
「あなたは、今のアルフィアさんに消えろというのか? 元の形に戻るからといって、それを要求するというのか? どうして、そんなに……」
「ならば、お前は本物のアルフィアに戻ってくるなというのか?」
「違う。そういうことではなくて……」
「それとも、その体にもう一つ魂を入れておいてくれてと頼むか? それを許容してくれとそう頼むのか?」
「それは……」
キャロムの反論に、ディゾール様は淡々と返す。感情を露わにしているキャロムに比べて、ディゾール様は冷静である。
そんな彼の主張は、正論であるはずだ。私もそう思ったからこそ、在るべき場所に帰るべきだと考えた。それは、他の皆も理解できることだろう。
だが、理解できても、納得はできないことなのかもしれない。キャロムの表情を見ていると、それが伝わってくる。
それに、私は感謝するべきだろう。こんな風に思ってもらえるなんて、幸せなことだ。
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