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101.頼みたいこと
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「まあ、そのことは何れ整理できるとは思っている。あの暗黒の魔女が騎士団によって討伐されたと聞けば、俺の留飲も下るはずだ」
「そうかもしれませんね……」
「まあ、その話はもういいんだ。それより、俺はお前に頼みたいことがあるんだ」
リオーブは、そこでそのように切り出してきた。
シャザームのことは、これから整理をつけていくということなのだろう。それなら、私が何か言う必要はない。その頼みたいことというのを聞くだけだ。
「頼みたいこと? なんですか?」
「ファルーシャのことなんだが……」
「ファルーシャのこと? 彼女が、どうかしたんですか?」
「ああ……」
リオーブは、少し暗い顔をしていた。そこからは、心配の感情が伺える。
ファルーシャに、何かあったのだろうか。別に元気だったと思うのだが、婚約者から見ればそれは違ったのかもしれない。
「あいつは、ずっと悩んでいるようなんだ。自分が、シャザームに操られて犯した罪の数々に……」
「そうなのですか? でも、それは……」
「ああ、それはあいつが犯した罪ではない。シャザームの罪だ。だけど、その記憶が薄っすらと残っているからか、あいつは罪の意識のようなものを覚えているんだろうな……」
「そんな……」
ファルーシャは、自分が罪を犯したように思っているようだ。確かに、シャザームから解放された直後は、それが読み取れるような態度だった。
だが、それがまだ彼女の中にあったとは。そんなことを気にする必要は、まったくないというのに。
根本的に、ファルーシャは人が良いのだろう。人が良すぎるといえるかもしれない。
「俺にはよくわからないが、それはアルフィアも同じかもしれないな……」
「え?」
「あいつは、自分の罪を反省していた。それで、然るべき所に出ようとしたんだ。だが、それはメルティナに止められた。そんなことをして欲しいと思っていないし、それにこの時間でアルフィアは罪を犯していないから、裁きようがないってな」
メルティナとアルフィアの間で、そんなやり取りがあったなんて初耳である。当然のことかもしれないが、そんなことはどちらも言っていなかった。
「もちろん、アルフィアは自ら行った部分もある。だが、その多くはシャザームが手を引いていた。時には操っている時もあったそうだ。そのことまで反省しているんだったら、彼女もファルーシャと変わらない」
「……」
「何とかしてやって欲しいんだ。あんな奴のせいで、人が悲しむなんて間違っている……」
「わかりました……でも、どうして私に?」
「お前には、不思議な力があるからだ。少なくとも、俺はそう思っている」
「そうですか……」
リオーブが言っているように、私に不思議な力があるかはわからない。正直、自信はないくらいだ。
だが、友人が苦しんでいるのだから、それを助けるのを断る理由もない。
こうして、私は二人を助ける方法を考えることになったのである。
「そうかもしれませんね……」
「まあ、その話はもういいんだ。それより、俺はお前に頼みたいことがあるんだ」
リオーブは、そこでそのように切り出してきた。
シャザームのことは、これから整理をつけていくということなのだろう。それなら、私が何か言う必要はない。その頼みたいことというのを聞くだけだ。
「頼みたいこと? なんですか?」
「ファルーシャのことなんだが……」
「ファルーシャのこと? 彼女が、どうかしたんですか?」
「ああ……」
リオーブは、少し暗い顔をしていた。そこからは、心配の感情が伺える。
ファルーシャに、何かあったのだろうか。別に元気だったと思うのだが、婚約者から見ればそれは違ったのかもしれない。
「あいつは、ずっと悩んでいるようなんだ。自分が、シャザームに操られて犯した罪の数々に……」
「そうなのですか? でも、それは……」
「ああ、それはあいつが犯した罪ではない。シャザームの罪だ。だけど、その記憶が薄っすらと残っているからか、あいつは罪の意識のようなものを覚えているんだろうな……」
「そんな……」
ファルーシャは、自分が罪を犯したように思っているようだ。確かに、シャザームから解放された直後は、それが読み取れるような態度だった。
だが、それがまだ彼女の中にあったとは。そんなことを気にする必要は、まったくないというのに。
根本的に、ファルーシャは人が良いのだろう。人が良すぎるといえるかもしれない。
「俺にはよくわからないが、それはアルフィアも同じかもしれないな……」
「え?」
「あいつは、自分の罪を反省していた。それで、然るべき所に出ようとしたんだ。だが、それはメルティナに止められた。そんなことをして欲しいと思っていないし、それにこの時間でアルフィアは罪を犯していないから、裁きようがないってな」
メルティナとアルフィアの間で、そんなやり取りがあったなんて初耳である。当然のことかもしれないが、そんなことはどちらも言っていなかった。
「もちろん、アルフィアは自ら行った部分もある。だが、その多くはシャザームが手を引いていた。時には操っている時もあったそうだ。そのことまで反省しているんだったら、彼女もファルーシャと変わらない」
「……」
「何とかしてやって欲しいんだ。あんな奴のせいで、人が悲しむなんて間違っている……」
「わかりました……でも、どうして私に?」
「お前には、不思議な力があるからだ。少なくとも、俺はそう思っている」
「そうですか……」
リオーブが言っているように、私に不思議な力があるかはわからない。正直、自信はないくらいだ。
だが、友人が苦しんでいるのだから、それを助けるのを断る理由もない。
こうして、私は二人を助ける方法を考えることになったのである。
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