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15.彼らの顛末
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平和な日常が続いていたラナクト伯爵家に、訪問者があった。
それはタルナート伯爵家のテオドア様だ。私に危機をいち早く知らせてくれた彼は、神妙な顔をしている。それは当然のことだ。タルナート伯爵家では、問題が起こっているのだから。
「もうお知らせしたことではありますが、念のため僕自身の口から説明させていただきます。ダルギス兄上とペルルナ嬢は見つかりました。兄上は刺されていました。発見が早く幸いなことに命は助かりましたが、心神喪失の状態です」
「……」
「刺したのはペルルナ嬢です。彼女はお伝えしていた通り、レネシア嬢のことを狙っていたようではありますがそれも上手くいかず、兄上が子供を認めないことに腹を立てて犯行を行ったようです」
テオドア様は、淡々とした口調で事実を説明してくれた。
考えるまでもなく、今回の一件は彼にとって大きな痛手だったのだろう。すっかり疲弊しているのが、その表情からは伝わってくる。
「……レネシア嬢には、色々と迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」
「いえ……」
「タルナート伯爵家は、ダルギス兄上の浮気と今回の件に対する賠償を支払うつもりです。それでどうかお許しください……」
タルナート伯爵家は、恋愛関係のもつれによって崩壊したといえる。それは貴族としては、最悪の結果であるだろう。
ダルギス様とペルルナ嬢、あの二人はやはり良い関係ではなかった。少なくとも兄妹などではなかったといえるだろう。その絆は、実にはかないものだったのだ。
「……ラナクト伯爵家として、タルナート伯爵家に求めることは一つです。二度と当家には関わらないことです」
「もちろんです。当然ことながら、僕や父上にその気などはありません。兄上にはその気力がない……ペルルナ嬢は牢屋の中です」
テオドア様の言葉は、悲痛に満ちていた。
それを私は聞き流す。彼には同情しているが、それを今ここで見せるつもりはない。タルナート伯爵家とは、あくまで敵対しているからだ。
とはいえ、あまり気分が良いものではない。特にテオドア様は、理不尽に晒されている側だ。彼もまた、ダルギス様とペルルナ嬢の被害者の一人だといえる。
「……それでは、これで僕は失礼いたします。レネシア嬢、どうかお元気でお過ごしください。恐らくこうして顔を合わせるのは、これが最後になるでしょう」
「……ええ」
テオドア様は、最後にそう言い残してタルナート伯爵家の屋敷から去っていった。
彼には、なんとか頑張ってもらいたいものである。立場上私は陰ながら応援することしか、できないのだが。
それはタルナート伯爵家のテオドア様だ。私に危機をいち早く知らせてくれた彼は、神妙な顔をしている。それは当然のことだ。タルナート伯爵家では、問題が起こっているのだから。
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「……」
「刺したのはペルルナ嬢です。彼女はお伝えしていた通り、レネシア嬢のことを狙っていたようではありますがそれも上手くいかず、兄上が子供を認めないことに腹を立てて犯行を行ったようです」
テオドア様は、淡々とした口調で事実を説明してくれた。
考えるまでもなく、今回の一件は彼にとって大きな痛手だったのだろう。すっかり疲弊しているのが、その表情からは伝わってくる。
「……レネシア嬢には、色々と迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」
「いえ……」
「タルナート伯爵家は、ダルギス兄上の浮気と今回の件に対する賠償を支払うつもりです。それでどうかお許しください……」
タルナート伯爵家は、恋愛関係のもつれによって崩壊したといえる。それは貴族としては、最悪の結果であるだろう。
ダルギス様とペルルナ嬢、あの二人はやはり良い関係ではなかった。少なくとも兄妹などではなかったといえるだろう。その絆は、実にはかないものだったのだ。
「……ラナクト伯爵家として、タルナート伯爵家に求めることは一つです。二度と当家には関わらないことです」
「もちろんです。当然ことながら、僕や父上にその気などはありません。兄上にはその気力がない……ペルルナ嬢は牢屋の中です」
テオドア様の言葉は、悲痛に満ちていた。
それを私は聞き流す。彼には同情しているが、それを今ここで見せるつもりはない。タルナート伯爵家とは、あくまで敵対しているからだ。
とはいえ、あまり気分が良いものではない。特にテオドア様は、理不尽に晒されている側だ。彼もまた、ダルギス様とペルルナ嬢の被害者の一人だといえる。
「……それでは、これで僕は失礼いたします。レネシア嬢、どうかお元気でお過ごしください。恐らくこうして顔を合わせるのは、これが最後になるでしょう」
「……ええ」
テオドア様は、最後にそう言い残してタルナート伯爵家の屋敷から去っていった。
彼には、なんとか頑張ってもらいたいものである。立場上私は陰ながら応援することしか、できないのだが。
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