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裸の付き合い
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さらなる情報を求め、私はお風呂の時間を活用することにした。
お風呂は大浴場になっていて、多くの人々でごった返している。
仕事が終わった後、自分の好きな時間に入れるようになっているので、ここでは違う部署の人とも出会うことができる。
お風呂では部署入り乱れての裸の付き合いだし、1人くらい見たことのない人間が混じっていてもそうそう不審に思われないはずだ。
…ということで、私は鬘を取ってお風呂に入り、一緒になった人たちにイザックのことを聞いてみることにした。
ちょうど近くに仲良しらしい2人組がいて世間話に花を咲かせている。
「こんばんは~。今日もお仕事お疲れさまでした」
ここに来てから覚えた言葉を使い近寄る。
「あら、こんばんは。この時間には見ない顔ね。新人さんかしら?」
「そうなんです」
答えながら心臓が跳ねる。
お風呂の時間は決められていないけれど、大体何時ころ入るか皆さん自分の中では決まっていて、今ここに居る人たちはそれぞれ顔見知りなのかもしれないと気づいたのだ。
「どこの部署に所属してるの?」
私は焦っていたけれど、2人は気にしていないみたいで私に話を振ってくれた。
ボロが出ないようにお話をしつつ、頃合いを伺う。
湯船の中なので、そんなに時間はかけられない。
「イザック殿下に意中の侍女がいるって聞いたんですけど、お2人はその相手がどなたかご存知ですか?」
「えー?何それ?初耳よ!」
「私も初耳。そうなのねぇ。イザック殿下が。でも、もうすぐご結婚されるんじゃなかった?確か相手はカナルソル侯爵家のご令嬢だったはず」
「あらー。殿下の浮気が相手のご令嬢に知られなければいいけどね。貴族の結婚は政略結婚だって聞くけど、政略結婚なら笑って許せるものなのかしら?」
「私だったら嫌だわ。そのご令嬢可哀想ね」
そのご令嬢は、私だ。
同情してくれて(?)、ありがとうございます。
2人とも噂を知らなかったけれど、ゴシップ好きのようで目を輝かせながら興奮気味に話し始めた。
「それに相手の侍女もどうかと思うのよね。もうすぐ結婚する人と付き合う心理は私にはわからないわねぇ。イザック殿下が結婚してからも愛人を続けるつもりなのかしら?」
(イザックは優しいので、愛人ではなく妻にするつもりなんです)
言いたいけれど、ぐっと言葉を飲み込んだ。
「私は気持ちが分かるわ。王子様の愛人なんて、ちょっといいじゃない?それに殿下は見目麗しい上お金持ちだし。たとえすぐに別れることになったとしても、一生遊べるくらいのお金や宝石はくれそうだわ。老後の心配をすることなく暮らせるってのはいいわよ」
「何それ?お金目当て?」
「そりゃあ永遠の愛には憧れるけど、夢を見過ぎて幻滅するのは辛いわ。現実的なところで折り合いをつけてるのよ」
女性は自分の言葉に満足そうにうなずいた。
2人は楽しそうに“もしも王子様の思い人になったら”という議題で話し始めたけれど、相手の女性については何も知らないようだった。
私は湯船に何度も出入りしてその後も情報収集を頑張ってみたけれど、誰もイザックの噂やその相手については知らないようだった。
お風呂は大浴場になっていて、多くの人々でごった返している。
仕事が終わった後、自分の好きな時間に入れるようになっているので、ここでは違う部署の人とも出会うことができる。
お風呂では部署入り乱れての裸の付き合いだし、1人くらい見たことのない人間が混じっていてもそうそう不審に思われないはずだ。
…ということで、私は鬘を取ってお風呂に入り、一緒になった人たちにイザックのことを聞いてみることにした。
ちょうど近くに仲良しらしい2人組がいて世間話に花を咲かせている。
「こんばんは~。今日もお仕事お疲れさまでした」
ここに来てから覚えた言葉を使い近寄る。
「あら、こんばんは。この時間には見ない顔ね。新人さんかしら?」
「そうなんです」
答えながら心臓が跳ねる。
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「どこの部署に所属してるの?」
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ボロが出ないようにお話をしつつ、頃合いを伺う。
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「イザック殿下に意中の侍女がいるって聞いたんですけど、お2人はその相手がどなたかご存知ですか?」
「えー?何それ?初耳よ!」
「私も初耳。そうなのねぇ。イザック殿下が。でも、もうすぐご結婚されるんじゃなかった?確か相手はカナルソル侯爵家のご令嬢だったはず」
「あらー。殿下の浮気が相手のご令嬢に知られなければいいけどね。貴族の結婚は政略結婚だって聞くけど、政略結婚なら笑って許せるものなのかしら?」
「私だったら嫌だわ。そのご令嬢可哀想ね」
そのご令嬢は、私だ。
同情してくれて(?)、ありがとうございます。
2人とも噂を知らなかったけれど、ゴシップ好きのようで目を輝かせながら興奮気味に話し始めた。
「それに相手の侍女もどうかと思うのよね。もうすぐ結婚する人と付き合う心理は私にはわからないわねぇ。イザック殿下が結婚してからも愛人を続けるつもりなのかしら?」
(イザックは優しいので、愛人ではなく妻にするつもりなんです)
言いたいけれど、ぐっと言葉を飲み込んだ。
「私は気持ちが分かるわ。王子様の愛人なんて、ちょっといいじゃない?それに殿下は見目麗しい上お金持ちだし。たとえすぐに別れることになったとしても、一生遊べるくらいのお金や宝石はくれそうだわ。老後の心配をすることなく暮らせるってのはいいわよ」
「何それ?お金目当て?」
「そりゃあ永遠の愛には憧れるけど、夢を見過ぎて幻滅するのは辛いわ。現実的なところで折り合いをつけてるのよ」
女性は自分の言葉に満足そうにうなずいた。
2人は楽しそうに“もしも王子様の思い人になったら”という議題で話し始めたけれど、相手の女性については何も知らないようだった。
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