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いや待て、初めては痛いとか、翌日も股に何か挟まってる感じするとかいうじゃないか。
いくら実地の経験がない私でも、25年生きてきて、それくらいの話聞いたことがある。
驚いて気も動転していたけれど、たぶん股には違和感なかったとは思う。
あーでも、極小サイズの場合、全く痛くないし血も出ないという話も聞いたことがある。
確か留学生のアマンダから、入っているのに気づかなくて「come on come on」と言い続けてしまったという失敗談を聞いたこともある。
つまり、気づかないくらい小さいということがあるようだ。
とすると 、梅渓さんは極小サイズということだろうか?
身長185cmはあるだろう梅渓さんが極小サイズ。
うむ。
「千織聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。6時頃部屋に行ったってことは、ホテルのバーのお客さんにはほとんど迷惑かけなくて済んだみたいだね。良かった。お洒落なホテルのバーで非日常を楽しんでいたのにベロベロの女が現れたら興醒めだもん」
自分を誉めてあげたい。
サイズのことばかり考えていたのに、こんな相手を気遣う風の言葉が出てきた自分を誉めてあげたい。
しかし、致した翌日は普段使わない筋肉を使ったり、普段しない体勢をとったりして筋肉痛になるとも聞くけど、それも併せて考えるとどうだろう?
私は全く筋肉痛ではない。
しかし、その、いわゆる合体時間が短ければ筋肉痛にもならないのだろうか。
つまり梅渓さんは小さくて早いということだろうか。
「千織、聞いてる?」
「ごめん、なんか電波が悪いみたいで、もう1度お願い」
本当はただ聞いてなかっただけだ。
「昨日はしょうがなかったとはいえ、千織ひどかったんだよ。泣きながら梅渓さんに抱き着いたりして。私がいない間に梅渓さんに何かしてないよね?不倫は絶対にダメだからね」
高校時代は熱心に略奪ものばかり読んでいたエリは、結婚したとたん不倫反対論者に早変わりした。
「す、するわけないでしょ。やり方も分からないのに」
「まぁね。冗談だよ」
梅渓さんは妻子持ちなのだ。
今朝隣に寝ていたのが梅渓さんだとすると、まさかの不倫になってしまう。
私もエリも、梅渓家とは子供のころからの付き合いだ。
大学入学と同時に一人暮らしを始めたため、最近は疎遠になってしまってはいるものの、もしあれが梅渓さんだったとすると、奥さんとお子さんに申し訳ない気持ちに押しつぶされそうになる。
今までエリには何でも話してきたつもりだ。
でも今回のことに限っては、不倫を毛嫌いしているエリには相談できない。
「なんか千織、昨日より元気になったような気がする。今も涙止まらない?」
「涙止まった。明日からいつも通り仕事に行けそう。エリ、ありがとね」
昨日は止めるスイッチが壊れたように流れ続けた涙が、今は止まっていた。
謎の男Xに少しだけ感謝したい気分だった。
いくら実地の経験がない私でも、25年生きてきて、それくらいの話聞いたことがある。
驚いて気も動転していたけれど、たぶん股には違和感なかったとは思う。
あーでも、極小サイズの場合、全く痛くないし血も出ないという話も聞いたことがある。
確か留学生のアマンダから、入っているのに気づかなくて「come on come on」と言い続けてしまったという失敗談を聞いたこともある。
つまり、気づかないくらい小さいということがあるようだ。
とすると 、梅渓さんは極小サイズということだろうか?
身長185cmはあるだろう梅渓さんが極小サイズ。
うむ。
「千織聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。6時頃部屋に行ったってことは、ホテルのバーのお客さんにはほとんど迷惑かけなくて済んだみたいだね。良かった。お洒落なホテルのバーで非日常を楽しんでいたのにベロベロの女が現れたら興醒めだもん」
自分を誉めてあげたい。
サイズのことばかり考えていたのに、こんな相手を気遣う風の言葉が出てきた自分を誉めてあげたい。
しかし、致した翌日は普段使わない筋肉を使ったり、普段しない体勢をとったりして筋肉痛になるとも聞くけど、それも併せて考えるとどうだろう?
私は全く筋肉痛ではない。
しかし、その、いわゆる合体時間が短ければ筋肉痛にもならないのだろうか。
つまり梅渓さんは小さくて早いということだろうか。
「千織、聞いてる?」
「ごめん、なんか電波が悪いみたいで、もう1度お願い」
本当はただ聞いてなかっただけだ。
「昨日はしょうがなかったとはいえ、千織ひどかったんだよ。泣きながら梅渓さんに抱き着いたりして。私がいない間に梅渓さんに何かしてないよね?不倫は絶対にダメだからね」
高校時代は熱心に略奪ものばかり読んでいたエリは、結婚したとたん不倫反対論者に早変わりした。
「す、するわけないでしょ。やり方も分からないのに」
「まぁね。冗談だよ」
梅渓さんは妻子持ちなのだ。
今朝隣に寝ていたのが梅渓さんだとすると、まさかの不倫になってしまう。
私もエリも、梅渓家とは子供のころからの付き合いだ。
大学入学と同時に一人暮らしを始めたため、最近は疎遠になってしまってはいるものの、もしあれが梅渓さんだったとすると、奥さんとお子さんに申し訳ない気持ちに押しつぶされそうになる。
今までエリには何でも話してきたつもりだ。
でも今回のことに限っては、不倫を毛嫌いしているエリには相談できない。
「なんか千織、昨日より元気になったような気がする。今も涙止まらない?」
「涙止まった。明日からいつも通り仕事に行けそう。エリ、ありがとね」
昨日は止めるスイッチが壊れたように流れ続けた涙が、今は止まっていた。
謎の男Xに少しだけ感謝したい気分だった。
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