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人の形
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オーエンを説得して帰らせゲリュック校に戻ると、バーバラとリリー先生は執務室にいた。
最初はどうなることかと思っていたけれど、親子の会話は尽きず楽しい時間を過ごしたようだ。
バーバラの顔もリリー先生の顔も活き活きと輝いていた。
陽が落ちるまでに、バーバラをストナン伯爵家に送り返さなければならない。
話が弾んでいるところ申し訳ないと思いながらも、時間を見てバーバラを連れ帰り、屋敷で元の衣装に着替えさせた。
「エレノア、今日はありがとう。私、母と話すことができて本当によかった。私はずっと義母と義妹に『卑しい』『汚らわしい』って言われてきた。私ね、母はどんな人だろうって何度も想像してみたのよ。父が愛した人なんだから綺麗な人だろうって。でも想像しようとするといつも義母の言葉が頭をよぎって…。なぜだか人の形をした人を想像することができなかった。恐ろしい牙や角が生えた魔女のような人が浮かんでしまって。おかしいわよね」
バーバラは笑っていたけれど、私はバーバラの心を思うと笑顔を作ることができなかった。
「だけど今日お話しして、母は卑しくも汚らわしくもない人だって分かったわ。それがすごくうれしかった。本当にありがとう」
涙のたまった瞳でバーバラから感謝の言葉を告げられ、私も少しもらい泣きしてしまった。
◇◇◇◇◇◇◇
翌日、オーエンから手紙が届いた。
いつ会えるかというものだ。
“しばらく授業が詰め込まれていて会えない”と返事をしておいた。
オーエンには申し訳ないけれど、ストラット家のエレノアが公爵家の養女になったと知られたら、多くの人に迷惑がかかるのだ。
週に1度の休みを楽しみに、毎日公爵令嬢としての生活を頑張っていた。
休日には必ず外出し、それがストレス発散になっていた。
しかしそれから2週間は涙を呑んで外出を控え、念のため休みの日も屋敷に閉じこもった。
出かければ、またオーエンと出くわすかもしれない。
オーエンは私と会おうとしていて、会えば近寄ってくる。
オーエンと親しい女=エレノア・ストラット と見る者が結びつけ、病であるというウソがばれるかもしれない。
それを避けるためだ。
もともと祖父母の決めた夜会(全て王宮主催のもの)と極限られたお茶会にしか参加できない私が、屋敷に引きこもる生活に叫び出しそうになっていた日、数少ない貴族の友人、セルマからピクニックの誘いが来た。
2週間も引きこもっていたのだ。
とっくにオーエンは私と会うのを諦めただろう。
私はすぐに参加する旨返事を出した。
最初はどうなることかと思っていたけれど、親子の会話は尽きず楽しい時間を過ごしたようだ。
バーバラの顔もリリー先生の顔も活き活きと輝いていた。
陽が落ちるまでに、バーバラをストナン伯爵家に送り返さなければならない。
話が弾んでいるところ申し訳ないと思いながらも、時間を見てバーバラを連れ帰り、屋敷で元の衣装に着替えさせた。
「エレノア、今日はありがとう。私、母と話すことができて本当によかった。私はずっと義母と義妹に『卑しい』『汚らわしい』って言われてきた。私ね、母はどんな人だろうって何度も想像してみたのよ。父が愛した人なんだから綺麗な人だろうって。でも想像しようとするといつも義母の言葉が頭をよぎって…。なぜだか人の形をした人を想像することができなかった。恐ろしい牙や角が生えた魔女のような人が浮かんでしまって。おかしいわよね」
バーバラは笑っていたけれど、私はバーバラの心を思うと笑顔を作ることができなかった。
「だけど今日お話しして、母は卑しくも汚らわしくもない人だって分かったわ。それがすごくうれしかった。本当にありがとう」
涙のたまった瞳でバーバラから感謝の言葉を告げられ、私も少しもらい泣きしてしまった。
◇◇◇◇◇◇◇
翌日、オーエンから手紙が届いた。
いつ会えるかというものだ。
“しばらく授業が詰め込まれていて会えない”と返事をしておいた。
オーエンには申し訳ないけれど、ストラット家のエレノアが公爵家の養女になったと知られたら、多くの人に迷惑がかかるのだ。
週に1度の休みを楽しみに、毎日公爵令嬢としての生活を頑張っていた。
休日には必ず外出し、それがストレス発散になっていた。
しかしそれから2週間は涙を呑んで外出を控え、念のため休みの日も屋敷に閉じこもった。
出かければ、またオーエンと出くわすかもしれない。
オーエンは私と会おうとしていて、会えば近寄ってくる。
オーエンと親しい女=エレノア・ストラット と見る者が結びつけ、病であるというウソがばれるかもしれない。
それを避けるためだ。
もともと祖父母の決めた夜会(全て王宮主催のもの)と極限られたお茶会にしか参加できない私が、屋敷に引きこもる生活に叫び出しそうになっていた日、数少ない貴族の友人、セルマからピクニックの誘いが来た。
2週間も引きこもっていたのだ。
とっくにオーエンは私と会うのを諦めただろう。
私はすぐに参加する旨返事を出した。
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