新米公爵令嬢の日常

国湖奈津

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推薦状

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一晩ぐっすり2人で眠り、翌日ハロルドは帰っていった。

ハロルドが帰ってから、私は再び推薦状を勝ち取るための修行に入った。
以前と違うのは、少し心にゆとりが生まれたこと。

以前ほど自分を追い込むことはしなくなった。
けれど、最終的には努力を認めてもらえるよう、一生懸命頑張ったつもりだ。

4か月目の発表会が終わった後、私はおじい様の執務室を訪ねた。

「おじい様、4か月前、私は陛下にふさわしい人間になると宣言しました。あれから4か月間自分を磨いてきて、実際に陛下にふさわしい人間になれたかは分かりません。でも確実に成長することができました。これからも自分を磨き続けるつもりです。公爵家として推薦できるレベルにはまだ達することができていないかもしれません。でも、試験の場で家名に泥を塗ることが無いよう頑張るつもりです。どうかお願いします。推薦状を書いてください」


私はおじい様に頭を下げた。

おじい様は私の話を静かに聞いてくれていた。
あとは判断を待つのみ。
例えダメでも、あきらめずに食い下がるつもりだ。

「すでに推薦状は書いておいた。持っていきなさい」

嬉しくて、信じられない思いで私は頭を上げて机の上を見た。
そこには公爵家の紋章で封印された推薦状が置いてあった。

「おじい様、ありがとうございます!大好き!!」
私はおじい様に抱きついてから、大切に推薦状を胸に抱き部屋から出た。

(ついに勝ち取ったんだわ!)
4か月間の辛く充実した日々を思い出す。
やり遂げた喜びが胸に湧き上がって来た。

こうして、無事に期日までに婚約者選抜試験に応募することができた。


◇◇◇◇◇◇◇

5月の中旬。
今年も社交シーズンが始まった。

おじい様とおばあ様、私とケネスの4人で今年も王都の屋敷に移った。

6月1日から選抜試験が始まるので、試験が終わるまで私の社交はお預けだ。
王都の屋敷でもひたすら修行の日々が続く。



6月1日、朝8時。
ついに王宮に乗り込んだ。
事前に送られてきた書状を見せると、心得た様子の侍従が私を案内する。

連れて行かれたのは、個室だった。
それほど広くないけれど、王宮の中なので内装も調度類も贅を尽くしたものになっている。

「試験の間は、こちらの部屋をお使いください。基本的には集団生活を送っていただきますので、こちらの部屋は寝る時くらいしか使わないかもしれません」
侍従が説明する。

集団生活…。
一体なにをさせる気なのかしら。

「では、移動します。こちらへどうぞ」
言われるままについて行くと、広い部屋にたどり着いた。
私が部屋に入った時、既に3人の令嬢が中にいた。

「この部屋でお待ちください。時間になりましたら、説明がございます」

それだけ言うと、侍従は私を置いて部屋から出て行った。
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