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1か月ぶりにジェーンに戻ることができた私は、心底ほっとしていた。
やはり一人二役は心臓に悪い。
寝室で着替えてお風呂に向かおうとすると、今まで何も家具がなかった応接間に家具が置かれていた。
花も飾られていて綺麗だ。
今までがらんとしていた部屋が急に華やいだ。
ベッドと机さえあれば他は要らないと思っていたけれど、やっぱり部屋がセンス良く飾られているのは良いものだと改めて気づかされた。
療養していた部屋は、花がたくさん飾られていて花を見るだけで心が癒された。
アクラムが気を利かせたのだろうか?
お風呂から出て、旅行の計画を考えていると、アクラムが夕食をもってやって来た。
「ジェーン様、やっと戻られましたか」
アクラムは私が部屋にいるのを見て、今にも泣き出しそうな声を出した。
私がいない間、すごく苦労を掛けたんだろうなぁ。
何もしてない私でも、気が気じゃなかった。
現場対応していたアクラムの気苦労は計り知れない。
「アクラム、本当にありがとう。うまくやってくれたみたいで、本当に助かった。全部アクラムのおかげよ。本当にありがとう」
「いえ。ジェーン様も大変な苦労をされていましたからね。最もジェーン様の苦労は自業自得だと思いますけど。私は完全に巻き込まれました」
アクラムは恨み言を言った。
確かに、アクラムは私が外で働こうなんて思ったせいで、しなくていい苦労をしたんだ。
「アクラム、巻き込んじゃって本当にごめんね。そうだ!部屋の家具や花はアクラムが飾ってくれたの?やっぱり家具があるとガラッと雰囲気が変わるね。この部屋の本当の良さが引き出される感じがする」
私はアクラムの機嫌を直そうとした。
「いえ、これは今日スワイマン殿下から届いたんです。寝室に飾る絵画なども届きましたが、ジェーン様はいなかったので、寝ていることにして私が預かりました。持ってまいりますね」
スワイマン殿下から?
なんで急に?
アクラムは絵を持ってきて寝室に飾ってくれた。
「もしかして、私がいない間スワイマン殿下が来たり、物が届いたりした?」
私はアクラムに聞いてみた。
「いえ、今日までは何も届いておりません。すべて、今日届きました。私が思うに、スワイマン殿下はジェーン様のことを待ちきれなくなったのではないでしょうか。そろそろ自分に気持ちを切り替えてほしいとお考えなのでしょう。ジェーン様はまだカーン殿下にお気持ちを残してらっしゃるのですか?」
アクラムはウキウキと顔を輝かせた。
アクラムには悪いけど、それはない。
アクラムが信じてる前提(スワイマン殿下が私を好き)が存在しないから。
なんだろう。
急に物を贈ってきたりして。
今まで通り自由放任がありがたいんだけど。
明後日から私はまたいなくなるわけだし。
私がいない間にスワイマン殿下がコンタクトをとってきたときのために、何か用意しておいた方がいいだろうか。
まったく余計な仕事を増やしてくれたものだわ。
「ねぇ、アクラムってスワイマン殿下を見たことある?」
「ジェーン様、私は衛兵なんですよ。しかも後宮の門を守る衛兵です。ですから、ジェーン様がスワイマン殿下に会いたいとおっしゃらないと、私も殿下を拝見できないのです」
アクラムはプレッシャーをかけてきた。
「そうなの?アルラシード宮殿で働いてても、そうそう会わないのね」
私はプレッシャーを無視して話をつづけた。
「一度拝見したことはありますが、米粒くらいの大きさでしたので、どんな外見かは申し上げられません。ただ、聞いたところによると、男も惚れる男だと噂されています」
ふむふむ、男も惚れる男か。
『仁義』の二文字が似合う、「兄貴!」って叫びたくなるようなタイプかな?
「内面はどんな感じなの?」
私にとっては、あの手紙がすべてだから『なんか感じ悪い奴』というのがスワイマン殿下に対する印象だ。
「若くしてラドワン州を任され、以来この州の発展に尽くされています。特に交通網の整備に力を入れてらっしゃいます。殿下のおかげで街はかなり豊かになりました。ただ街から離れると、まだまだ人々の生活は貧しいです。そう言った貧しい街をどうにかしたいとお考えのようです。道が整備できれば、今まで歩いて物を売りに来ていたのを、荷馬車を使えるようになります。後宮が全く手入れされていなかったのも、後宮経費を節減し、街の発展のためにそのお金を使おうと思ってのことだそうです」
「そうなのね」
割とちゃんとしてる人みたいだ。
確かにこの街は活気がある。
「あ、ジェーン様、王族の方のうわさ話を私がしたことは内緒にしてください。不敬になりますので」
「任せて!」
私はアクラムの弱みを1つ握った。
やはり一人二役は心臓に悪い。
寝室で着替えてお風呂に向かおうとすると、今まで何も家具がなかった応接間に家具が置かれていた。
花も飾られていて綺麗だ。
今までがらんとしていた部屋が急に華やいだ。
ベッドと机さえあれば他は要らないと思っていたけれど、やっぱり部屋がセンス良く飾られているのは良いものだと改めて気づかされた。
療養していた部屋は、花がたくさん飾られていて花を見るだけで心が癒された。
アクラムが気を利かせたのだろうか?
お風呂から出て、旅行の計画を考えていると、アクラムが夕食をもってやって来た。
「ジェーン様、やっと戻られましたか」
アクラムは私が部屋にいるのを見て、今にも泣き出しそうな声を出した。
私がいない間、すごく苦労を掛けたんだろうなぁ。
何もしてない私でも、気が気じゃなかった。
現場対応していたアクラムの気苦労は計り知れない。
「アクラム、本当にありがとう。うまくやってくれたみたいで、本当に助かった。全部アクラムのおかげよ。本当にありがとう」
「いえ。ジェーン様も大変な苦労をされていましたからね。最もジェーン様の苦労は自業自得だと思いますけど。私は完全に巻き込まれました」
アクラムは恨み言を言った。
確かに、アクラムは私が外で働こうなんて思ったせいで、しなくていい苦労をしたんだ。
「アクラム、巻き込んじゃって本当にごめんね。そうだ!部屋の家具や花はアクラムが飾ってくれたの?やっぱり家具があるとガラッと雰囲気が変わるね。この部屋の本当の良さが引き出される感じがする」
私はアクラムの機嫌を直そうとした。
「いえ、これは今日スワイマン殿下から届いたんです。寝室に飾る絵画なども届きましたが、ジェーン様はいなかったので、寝ていることにして私が預かりました。持ってまいりますね」
スワイマン殿下から?
なんで急に?
アクラムは絵を持ってきて寝室に飾ってくれた。
「もしかして、私がいない間スワイマン殿下が来たり、物が届いたりした?」
私はアクラムに聞いてみた。
「いえ、今日までは何も届いておりません。すべて、今日届きました。私が思うに、スワイマン殿下はジェーン様のことを待ちきれなくなったのではないでしょうか。そろそろ自分に気持ちを切り替えてほしいとお考えなのでしょう。ジェーン様はまだカーン殿下にお気持ちを残してらっしゃるのですか?」
アクラムはウキウキと顔を輝かせた。
アクラムには悪いけど、それはない。
アクラムが信じてる前提(スワイマン殿下が私を好き)が存在しないから。
なんだろう。
急に物を贈ってきたりして。
今まで通り自由放任がありがたいんだけど。
明後日から私はまたいなくなるわけだし。
私がいない間にスワイマン殿下がコンタクトをとってきたときのために、何か用意しておいた方がいいだろうか。
まったく余計な仕事を増やしてくれたものだわ。
「ねぇ、アクラムってスワイマン殿下を見たことある?」
「ジェーン様、私は衛兵なんですよ。しかも後宮の門を守る衛兵です。ですから、ジェーン様がスワイマン殿下に会いたいとおっしゃらないと、私も殿下を拝見できないのです」
アクラムはプレッシャーをかけてきた。
「そうなの?アルラシード宮殿で働いてても、そうそう会わないのね」
私はプレッシャーを無視して話をつづけた。
「一度拝見したことはありますが、米粒くらいの大きさでしたので、どんな外見かは申し上げられません。ただ、聞いたところによると、男も惚れる男だと噂されています」
ふむふむ、男も惚れる男か。
『仁義』の二文字が似合う、「兄貴!」って叫びたくなるようなタイプかな?
「内面はどんな感じなの?」
私にとっては、あの手紙がすべてだから『なんか感じ悪い奴』というのがスワイマン殿下に対する印象だ。
「若くしてラドワン州を任され、以来この州の発展に尽くされています。特に交通網の整備に力を入れてらっしゃいます。殿下のおかげで街はかなり豊かになりました。ただ街から離れると、まだまだ人々の生活は貧しいです。そう言った貧しい街をどうにかしたいとお考えのようです。道が整備できれば、今まで歩いて物を売りに来ていたのを、荷馬車を使えるようになります。後宮が全く手入れされていなかったのも、後宮経費を節減し、街の発展のためにそのお金を使おうと思ってのことだそうです」
「そうなのね」
割とちゃんとしてる人みたいだ。
確かにこの街は活気がある。
「あ、ジェーン様、王族の方のうわさ話を私がしたことは内緒にしてください。不敬になりますので」
「任せて!」
私はアクラムの弱みを1つ握った。
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