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第7章 幽霊トンネルの都市伝説
第23話 撮影はトンネルの中
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「わー。明るい」
たった500mしかない、直線のトンネル。夜の闇に浮かぶその姿は、先ほどと同じように輝いていた。
さっきと違うのは、みのりが自分を偽っていないということだ。もう彼女は幽霊少女じゃない。黒髪のウィッグも外し、亜麻色のショートヘアをさらけ出している。代わりにつけたのは、猫耳とメイドカチューシャ。
「さて、それじゃあトンネルの中へ……」
入ろうとしたその時、みのりの白い背中が照らされた。トンネルは目の前にあるので、その明かりではない。
深夜に走るトラックのヘッドライトだ。
「きゃっ!」
慌てたみのりは、自転車のペダルを力ずくで踏み込んで走り出す。トンネルの中に逃げ場はない。向かうべきはすぐ左。駐車場の方だ。
車は1台も止まっていないが、きっと奥まで逃げれば見つからない。あるいは、見つかったとしても追いかけられたりはしないだろう。そう思って走る。
「……」
幸いにして、トラックはそのまま通り過ぎてくれた。みのりの事を見落としたのか、それとも幽霊と見間違えたのか、あるいはそもそも、裸同然の恰好した痴女に興味なんかないのか。
「い、行った……よね?」
いつでも逃げられるように、こっそり自転車から降りて、トンネルを覗き込む。トラックのテールランプはトンネルを通過して、はるか向こうの陰に吸い込まれていった。
とはいえ、戻ってこない保証も無いし、他の車が来ないという確証も無い。時間はすっかり午前3時を過ぎていた。この時間までトンネルで露出プレイしていたことはないので、どのくらい交通量があるのかも見当つかない。
「ど、どうしよう。やっぱり、帰ろうかな」
帰るのは安全で、きっと簡単だ。さっきの茂みへと戻って、そこでいつもの服に着替えればいい。このふざけたメイド服を脱いで、さっと上着を着るだけだ。
それだけで、日常に戻れる。自分の生活を守ってくれる世界に、ちゃんと帰れる。
幽霊トンネルの魅力は、そんなみのりを悪い方へと誘惑した。
「――よし」
やることを説明しよう。まずは自転車をスタンドで歩道に停車させる。それからハンドルに固定されたホルダーに、スマホを取り付ける。
これでいつものママチャリが、そのまま三脚の代わりになるのだ。トンネルの照明はさほど明るくはないが、四方八方からみのりの恥ずかしい姿を映し出してくれる。あとはカメラの性能が補助してくれるだろう。
枠組みしかないエプロンと、ガーターベルトにフリル付きのニーハイを組み合わせたみのりは、改めて猫さんブーツとミトンをつける。
おまんこには七色に光るゲーミングバイブ。お尻にはアナルプラグ付きの猫しっぽ。右乳首には有線式のクリップローターをつけて、コントローラーはまとめてガーターベルトのポケットに入れる。
「んっ、しょっ……痛っ」
左乳首につけたネームプレートが、少しだけ曲がっていた。それを整えるために、乳首に刺さっている安全ピンを少しだけずらす。まだ新しい傷口が、金属製の針に擦られて、
ぞわぞわ、どくどく、びりびりする。
「これで、着方は合ってるよね。幽霊さん」
この衣装をくれた幽霊に感謝しながら、その可愛さに少しでも近づきたくて、みのりは写真撮影の準備をする。とはいえ、あとはタイマーをセットして、カメラの前に立つだけだ。
いつ誰が通るか解らない、真夜中のトンネル。遠くからでも明るく見えるここが、今日の撮影スタジオ。
スマホのシャッター設定を10秒にして、画面にタッチ。そうしたら急いで距離を取り、全身が移るように道路の真ん中に立つ。
せっかくだから、少し可愛いポーズをしてみよう。脇を開いて、肘を外側に向けて、両手を顔の横に持ってくる。ダブルピース……と言っても、猫さんミトンのせいで指は見えないが。
「まあ、チョキでもパーでもいいよね」
両脚は肩幅より少し広めに開いて、つま先を内側に向ける。腰をちょっとだけ突き出すと、股間で光っているバイブがきちんと見える。
そのまま、シャッターが切れるまで笑顔だ。自分が出来る限りで、とびりき可愛く、とびりき女の子っぽい笑顔。
(10秒、まだかな……?我慢できない。おまんこ気持ちよくて、乳首が痒くて、お尻の穴のプラグ、風で冷たくなって……んっ)
身体がピクンと跳ねて、体制が崩れる。膝が曲がってしまって、腰が引ける。
ピピッ!――カシャッ!
出来上がった写真は、絶頂の瞬間だった。
「あーあー。目、閉じちゃった」
せっかくの笑顔も、むずむずするような口元と、ひそめた眉で台無しである。これでは可愛いというより変態だ。
「ダメダメ。もう1回」
10秒タイマーをセットして、再び撮影に戻る。今度は大丈夫だ。一回きちんとイったから、もう気持ちよくても、くすぐったくても、恥ずかしくても、痛くても、笑顔でいられる。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ……んっ。くはっ。はぁん」
絶頂の直後は、高まるような我慢できない快楽は来ない。代わりに来るのは、どこまでも終わりのない不安と、もどかしさだ。形は違えど、やはり気持ちいい。
「んっ」
唾を飲みこむことを忘れていたみのりは、口元から涎を垂らした。真っ赤になった顔も、震えている手足も、鳥肌びっしりの身体も、すべてがカメラに写ってしまう。
ピピッ!――カシャッ!
今度の写真に写っていたのは、まるでいじめられながら笑顔を強要されたような姿。たった一人で、自分の意思で撮ったはずの写真なのに、そんな風に見えない。まるで誰かに脅されて、何かにすがりつくような姿だ。
「うん。可愛いかも」
調子に乗ったみのりは、次から次へと写真を撮っていった。この幽霊トンネルは、今日でお別れして、もう夜中に露出プレイの為に訪れる事が出来ない場所になる。
思いっきり楽しまなきゃ損だ。
「あはっ」
昔からの定番、M字開脚。おまんこで光るバイブと、刺激され続けて膨らんだクリトリスがしっかり見える。トンネルの一列に並んだライトや、白いコンクリートで舗装された道路と相まって、どこか近未来的な一枚。
寝そべって足を広げたポーズ。自然に形を変えながらも、決して垂れ落ちない張りのある乳房が美しい。天井を指す右脚と、地面にぴったり付けた左脚。その直角の角度と、斜め45°のバイブが不思議な構図を生み出す。
立ち上がって足を肩幅に開き、両手で乳房を持ち上げながら前かがみになるポーズ。もふもふの柔らかな猫ちゃんミトンと、すべすべのぷにぷにおっぱいの共演。尖った爪と、乳首に刺さった安全ピンが、ただ可愛いだけじゃないクールさを演出する。
四つん這いになって、猫のポーズ。お尻に刺さったしっぽがピンと上を向き、恥ずかしい穴の位置を示す。人間の脚は二足歩行に合わせて長く進化したので、この姿勢だとお尻が高く、顔の位置が低くなる。どこかスマートな一枚。
壁に寄りかかって、体重を預けるポーズ。挑発的な態度と、あえてカメラの端によったスタイリッシュな構図。遠くから走ってくる2台のバイクも映り込み、意図せずレースクイーンみたいな写真が撮れてしまった。
被写体を増やして、3人での決めポーズ。大きなバイク2台を並べて、フルフェイスヘルメットの男性たちと移るその姿は、まるでアーティストのMVのワンシーンみたいだ。衣装のテーマは渋滞している。
バックで突き上げられながら、中出し3Pでハメ撮り。気持ちよさそうなみのりの表情は、後ろのチンコのせいなのか、それとももう一人の男に弄られている名札のせいなのか。
今度は騎乗位で、みのりが自由に動きながらの撮影。円を描くように揺れる乳房と、その振動を痛みに変える名札が神秘的だ。激しい動きと裏腹に、みのりの表情は穏やかで優しい。自分のペースで動けているからだろう。
お別れは、二人の男性に脚を持ってもらって、空中でM字開脚。このままお持ち帰りされそうなポーズでの撮影はドキドキしたとのこと。頬を伝う涙と、小陰唇を伝う精液が、出会いと別れの切なさを表している。
最後は男性たちと別れ、みのり一人での撮影に戻る。本当は笑顔でおまんこを広げる予定だったが、急に恥ずかしくなって隠してしまった珍しい写真。今さら自分のしたことへの恐怖が込み上げて、我慢できなくなった一枚である。
――と、幽霊トンネルの撮影を思いっきり楽しんだみのりだが、心霊写真みたいなものは撮れなかった。やはりこの衣装の持ち主は、成仏してしまったか、無事に転生したのか。
「そろそろ、帰らないとなぁ。ふにゃあああ」
まだ日が昇る時間ではないが、仕事などで朝が早い人たちが、この時間にはもう増えてくる。これ以上の目撃者を増やせば、警察沙汰になりかねない。それはみのりの望むところではないのだ。
「帰ろう。日常に……」
今夜の楽しかった猫耳メイド幽霊の時間から、ただの女子高生の時間に戻らなきゃいけない。みのりは着替えを置いていた駐車場まで戻ると、メイド服を脱ぎ始めた。
「んっ!」
ところが、安全ピンが抜けない。血液が固まって、それが針を固定してしまったらしい。
「んっしょ。えいっ!――痛っ」
かさぶたごと剥がしてしまったようで、ピンの刺さった場所から、たらりと血が流れる。大した量ではないが、じんわりあふれて止まらない。
ずっと乱暴されて腫れ上がり、傷口から血を流す左の乳首。そっちと逆の右乳首は、ニップルローターでかき回され続けて、真っ赤に変色している。周辺にも蕁麻疹のような発疹が出ていた。とても痒い。
(ど、どうしよう……学校、こんな敏感な乳首じゃ行けない。イっちゃうから行けない)
今日はブラをつける前に、絆創膏を貼る必要がありそうだ。
手元にある名札を見つめてみた。元の持ち主だった『ひやま さや』と書かれたプレート。
「うん。これを私がつけ続けるのは、ちょっと違うよね」
帰ったら、自分でちゃんとネームプレートを作ろう。顔写真の入った学生証をコピーして、それをちゃんと自分で買ったプレートに入れて、新しい安全ピンも用意して……
「うーん。安全ピンは怖いから、今度からは乳首クリップにしようかな。あ、でも本格的なのはR18の暖簾の向こうだから、私一人だと買えないかぁ」
などと考えながら、みのりは他のもので代用できるものを頭に思い浮かべてみた。
雑貨屋やホームセンターなどはその宝庫だ。きっと代わりになる物も、簡単に手に入るだろう。なんならもう自分の部屋にあるかもしれない。
数日後。
「――って事があって、その幽霊さんから貰ったのが、この衣装なんです」
と、みのりはおじさんに報告していた。ここでいう『おじさん』というのは、以前たまたま露出プレイ中に見つかり、助けてくれた造船所のおじさんだ。父の部下に当たる人物で、ときどきみのりの露出プレイに付き合ってくれたり、エッチしてくれる仲になっていた。
今回も、夜中の造船所に集まって、寒空の下でセックスしながら話している。
「オナニー大好きな幽霊少女か。不思議な話もあるものだね」
「はい……んっ。で、でも、本当なんですよ。本当にあったことなんです。怖い話じゃないんですけどね」
「信じるよ。その素敵な衣装を、もっとちゃんと見せてほしいな。脚を開いて」
「あ、ごめんなさい。おちんぽ気持ちよくて、つい……」
資材置き場に寝転がって、正常位で繋がったままのみのりは、大きく股を開いた。ボディががら空きのメイド服に身を包んでみのりは、下から突き上げられるたびに小さく吐息を漏らす。
「可愛いよ」
「ですよね。可愛い服なんです」
「みのりちゃんが可愛いんだよ。それに、とってもエッチだ」
「え、私?……にゃはは。嬉しいです。んっ」
二人のダンスは、徐々に激しさを増していく。ついに最高潮の盛り上がりを見せ、そのまま絶頂まで行くと思われたその時、みのりが彼の顔に手をかざした。
「待ってください。お願いがあるんです」
「あ、えっと……やっぱり中出しはダメ?」
「そ、そんなことないです。危険日は過ぎちゃったけど、それでも中出しは好きだし、気持ちいいから……いっぱい出してください。でも、その前にお願いがあって」
「なんだい?」
おじさんが訊ねると、みのりはバッグを手に取って突き出した。彼女の衣装などが入っていたバッグだ。
「その中にネームプレートと……んっ。そ、それから、大きな4つ穴ボタンが入ってるんです。分かりますか?」
「あ、ああ。ちょっと待ってくれ」
お互いの股間を繋げたまま、抜けないように気を配りつつ、おじさんはペンライトを探す。この辺りは街灯からも遠く、やや暗い。ましてバッグの中なんか覗こうと思ったら、手探り以外でこの方法しかない。
「あ、あったよ。これかな?」
「はい。それを、私の乳首につけてくれませんか?」
「え?」
「お願いします。自分でつけたこともあるんですけど、すごく痛くて、思い出すと怖いんです。……でも、痛いのも好きになりたいし、とっても興奮したから――」
そのネームプレートは、どう見ても安全ピンで刺す方式だった。ご丁寧に『えっち係、もりいずみ』と、綺麗なゴシック体で印字されている。
「これ、もしかして乳首に刺すの?エロ同人みたいに?」
「はい。エッチしながら刺したら、きっと痛いより気持ちいいの方が勝つと思うので、お願いします。思い切ってザクっと」
「……」
思い起こせば、いつもそうだ。
最初に彼女とセックスした時も、彼女は自分の身体を麻縄できつく縛ってほしいと言っていた。そして擦り切れて腫れ上がった肌と、青く浮かび上がる痣を嬉しそうに見せてきた。
最初に会ったときだって、真冬の海で身体を冷やしていた彼女は、紫色の唇を震わせながら、それでも楽しそうにレイプを望んでいた。
「本当に、ドMなんだね」
「にゃはははー。そんな褒めても何も出せませんよ」
これから乳首をいじめられる子のする表情ではない。だからこそ、おじさんも実行する覚悟ができた。
これから、彼女の綺麗な乳首を、大きく傷つける。
「それじゃあ、行くよ」
「あ、あのっ……」
「ん?」
「あ、あんまり言われると怖いから、予告なしでブスっと刺してください。お願いします」
おじさんが針を乳首に当てると、みのりは目を閉じて、顔をそらした。軽く触れただけでもピクンと肩を震わせる。それほど敏感な乳首に、これから針を刺す。
「じゃあ、刺すよ」
みのりは小さくうなづくと、歯を食いしばった。痛みで舌を噛んだりしないよう、しっかり噛み合わせる。
「んっ。ふっ」
針が刺さり、みのりの身体は跳ね上がったが、乳首は動かなかった。おじさんがしっかり摘まんでくれているおかげで、みのり自身が動いても手元は狂わない。それだけ彼女のおっぱいが柔らかいという事でもある。
「痛くしてください。もっと……」
震える声でそう言われる。こうしている間にもセックスは続けているわけだが、腰を振っていないのに精子を搾り取られそうだ。それほど、みのりの膣内は激しく動いていた。小刻みな痙攣と、大きな呼吸。その両方の振動が、うねるように絡みつく。
「んっ……んんんんんんっ」
みのりは自分の身体を動かさないように、必死でこらえていた。手を動かさないように考えていないと、無意識に乳首をかばってしまう。脚を開いたままにしなきゃと意識するのは、そうしないと脚を閉じて身体を丸めてしまいそうだからだ。
痛くて、怖くて、今すぐにでも蹴り飛ばして逃げ出したい。
そんな気持ちを抑えながら、この痛みを『気持ちいい』と自分に言い聞かせる。そうやって耐えているうちに、本当に気持ちよくなってくるのだ。
――そして、最後の難関が来る。
「じゃあ、あとは留めるだけだね」
貫通した安全ピンの針を、フックの中に収める作業。じつは最も痛い作業である。
「……」
自分で安全ピンを指したあの夜は、なるべく振動や衝撃が傷口に伝わらないように、そっと閉じた。でも、おじさんはあの感覚を知らない。まさか針を刺すよりその後の方が痛いなんて、想像もしていないだろう。
つまり『優しくしてください』と伝えないと、普通にパチンと留められてしまう。
痛くされてしまう……
「……」
みのりは、あえて何も言わなかった。乱暴に針が引っ張られ、そのまま収まるべき場所へ導かれる。そして、何の気も無しに針をはじかれる。当然とばかりに。
パチン――
みのりの声は、ひときわ大きく夜の街にこだました。あまりに大きな悲鳴だったので、誰か来るんじゃないかと心配した二人は、一時的に造船所の中に避難した。
「ああー、気持ちよかったぁ」
何の反省もしていないみのりは、悪気など欠片も感じていない笑顔で、再び外へ出てきた。中断した野外セックスの続きである。
「あ、それで、もうひとつバッグに入ってましたよね。大きめの、4つ穴ボタン」
「ああ、あったね。これはどうするの?」
おじさんの質問に、みのりは無言で何かを手渡す。それは――
「縫い針?……と、糸か」
白い糸が通った、短い縫い針。それからご丁寧に指ぬきと、支えに使うのであろう針刺し。
「私の右乳首は、まだ空いてますよね。そっちにボタンを縫い付けてくれませんか?」
小学校の家庭科で習ったことがあるだろう、ボタン付け。
せっかくなので、ここでみのりと一緒に復習してみよう。読者の皆さんも、レッツ裁縫男子&女子を目指せ。
まずは糸を玉結びにする。やり方は一本取りと二本取りの2種類あるが、今回はまだ痛みが少なそうな一本取りでやってみよう。
最初は、乳首の中央より上。右から左へと貫通させる。乳首がくるりと回って逃げる可能性があるので、しっかり痛いほど摘まんで刺すことをお勧めする。本人がイってもやめない。
「はぁー、はぁー、っ!」
次に、ボタンの左上の穴に針を通す。これは最初から穴が開いているので、簡単に通るだろう。コリコリして硬く、それでいて表面が汗で滑りやすい乳首と比べると、簡単に針を通せる。
左上の穴から表面に向けて通した糸を、今度は右下の穴へと通して裏に送る。これでボタンの表面に糸が来るのだ。
「……ひぅ、ん」
弱り切った表情のみのり。その乳首の右下から左下へ、針を刺していく。先ほど乳首の上を刺したのと、平行になるようにするのがコツだ。ちなみにボタンの穴の位置と合わせて刺さないと、最後に痛い目を見ることになる。もちろんみのりが。
「いぎっ、ああああああああああああ」
音量的には小さな、喉を絞るように歪みのかかった少女の鳴き声が聞こえる。声ではなく、吐息の漏れる音が限界を突破したような叫びだ。
左下まで糸が通ったら、そのまま針を引っ張る。毛羽立った糸の表面が、出来たばかりの傷口を擦り、みのりの背筋に凍るような刺激を絶え間なく与える。
「ひっ――は、は、は、ふー、ふー、ふー」
その後は、当然だがボタンの左下の穴へ、裏から表に向けて針を通す。そして右上の穴へ、表から裏に向けて針を通す。ここで特筆すべきことなど、白いはずの糸が赤いまだら模様になっている事くらいしかない。
ボタンの上で×を描く糸は、とても可愛い。
さて、ここからは応用編だ。通常の衣服に縫い付ける場合なら、ここまでの流れを同じように3回くらい繰り返すだけでいい。
ただ、今回は衣服ではなく乳首に縫い付けるため、少し工夫が必要だ。
同じところに二度も糸を通したり、皮下で糸が交差したりすると、痛みや化膿の原因になる。なので……
「なるほど。こうか」
「はい。伝わりましたか?」
「ああ、分かったよ」
息をするのも限界なみのりの、断片的な言葉から、おじさんは作業手順を理解する。
まずは今、ボタンの右上から裏面に向かって糸が通っている。これを、乳首の右上から右下に向けて、糸を交差しないように通していく。
先ほど横方向に平行に刺した糸。それとは別に、今度は縦方向に刺していくのだ。イメージとしては、乳首に四角形を描くような形だ。
「ひー、ひー、ひーっ」
彼女が泣き顔を見せたとしても、止める必要は無い。そのまま貫通させた針を引き抜き、今度はボタンに通していく。右下の穴から表へ通し、そして左上の穴から裏面へ。
あくまでも、ボタンの表面には×印の形で糸が通るようにする。対角線を意識するのが重要だ。
「これは気持ちいい。これは気持ちいい。これは気持ちい。きもちい。きっ」
小さな声で呟き、自己暗示をかけるみのり。そんな彼女の頑張っている姿を見ていると、久しぶりに裁縫をやってみて良かった、と、そう心から思える。
今度は左上から左下へと、乳首を貫通させる。この頃になるとみのりの乳首はぷっくりと腫れ上がり、隆起した状態とはまた違った感触になっていた。コリコリと固い芯はあるのに、内出血で表面は柔らかく腫れている。ぷにぷに。
「いあ……が、ああああああ」
口から泡を吹くみのりを見ながら、左下に通した糸をボタンに通していく。左下の穴から右上の穴へ。そして、最後だ。
「あとは、どうすればいい?」
おじさんが訊くと、みのりは呼吸を整えてから、静かに答えた。
「あとは、私がやります」
普通だったら、このままもう一度乳首を貫通させて、それから玉止めだ。しかしみのりはもう息も絶え絶えで、これ以上の針刺しを受け入れられる状態ではなかった。
そもそも、いくら彼女の乳首が大きめとはいえ、そろそろ刺すところも残っていない。糸同士が皮下で交差すると痛すぎるというのは、さきほど説明したとおりである。
では、どうやって留めるのか?
「んっ」
みのりは糸を長く伸ばして、自分の首の後ろを通した。今度は針を使わず、ただ首に引っかけただけだ。その糸の先を、今度は名札がついた左乳首に向かわせる。
名札を止めている留め具に、糸を縛り付ける。こうすることで糸が抜けないようにするのだ。これにはいくつかの効果があって、
「これなら、ノーブラでもしっかり乳房を支えられるでしょ?」
との通り、短めに縛られた糸のおかげで、みのりの上向きおっぱいは更に上を向く。張りの強い乳房が引き上げられ、今にも破裂しそうなほどパンパンに膨れて見えるのだ。
「それに、おっぱいが揺れると、首から吊り下げられた乳首が引っ張られるの。えへへー。これならちょっと揺れただけでも、痛くて気持ちいいと思うんです」
好奇心旺盛なみのりらしい工夫だ。今思えば、無駄に長く糸を取っていたのも、この為だったのかもしれない。そのせいで糸と傷との摩擦をより多く受けたのだが……
「じゃあ、あとはセックス、最後まで楽しみましょう?」
いつもなら、みのりはセックスの最中、子供のように無邪気な笑顔を見せる。時々むず痒そうに唇を動かすが、それ以外は本当に、泥遊びを楽しむ子供のような表情をするのだ。
しかし、今日は違った。
ピストンするたびに揺れる乳房と、それを抑え込もうとする糸のせいで、乳首は振り子のように揺れている。
乳房が上に跳ね上がり、その反動で下に落ちるように揺れると、その瞬間に糸がピンと張り、乳首を吊り上げるのだ。
「ふひぃ。ふー、ふひぃ」
さっきから変な吐息ばかり漏らす彼女は、ついでに涎と涙も止めない。口角に泡が付いたまま、その泡を流すようにあふれる唾液は、震える口元をべちょべちょに濡らしていた。
笑顔は子供っぽいのに、泣き顔は大人っぽい。そんな不思議な二面性を見せる彼女に、おじさんはいつもより興奮した。
――しばらく、二人で中出しの余韻を楽しみ、夜空に浮かぶ星を眺めた後、
「それじゃあ、私はこの格好で遊びに行こうと思います」
と、みのりは立ち上がった。七色に光るゲーミングバイブが、彼女の割れ目を彩る。その光に影を落とすのは、先ほどたっぷり出した精子だ。ゆっくり逆流して、ねっとりと薄い影を浮かばせる。
「どこに行くんだい?」
「えっと……また心霊スポットなんです。ああ、でもでもっ。そこで死んだ人がいるわけじゃないんですよ。ただの廃ホテルなんですけど――」
「ああ、もしかして、3丁目の?」
おじさんが言うと、みのりは頷いた。その頷きに合わせて、糸で吊られた乳首も上下する。
「はい。せっかくの可愛いメイド服なので、それっぽいごっこ遊びしながらオナニーできたらいいなって思って――あ、でも、人には見つからないようにしないとダメですよね。ネームプレートもついてるから、見つかったら特定されちゃう」
そう思うなら、偽名でネームプレートを作ればいいのに……もっとも、ひらがな表記の名字だけなのは、みのりなりの保険なのだろう。スリルは味わいたいが、本当に破滅したいわけではない。そんな彼女のこだわりだ。
「……こんな格好見せるの、おじさんだけなんですからね」
みのりはそう言うと、右乳首に止められたボタンをちらりと捲って見せた。アイボリーのボタンと、それに隠されたピンクの乳首。そして引っ張られる赤い糸のコントラストが、とても女の子らしい。
これから来る春を先取りしたような、大人っぽいのに羽目を外したファッションだ。
「じゃ、行ってきます」
楽しそうに自転車に跨ったみのりは、股間を蛍のように光らせ、激しくペダリングしながら数メートルで絶頂した。
その後、みのりは廃ホテルに泊まっていた廃墟マニアと意気投合し、一緒にホテルごっこやメイドごっこ、それから子作り本番などをして遊んだようだ。
気付けば朝になってしまい、この格好で帰るに帰れなくなったみのりは、そのまま学校を休んで廃ホテルに隠れていたとか何とか。
翌日の夜中に家に帰り、そっと糸を抜いたが、さすがにカサブタが固まってしまっていて抜くのが痛かったらしい。
そして数日ほど、右乳首から短い糸状のカサブタと、それに混ざる糸くずなどが取れたとか。その傷口は十日ほどで完治し、痕も残らないくらい綺麗に塞がった。
「またいつか開けたいけど、産まれてくる赤ちゃんの為にも綺麗なまま残したい気持ちもあります」
そうみのりは語ってくれたが、残念ながら今月もちゃんと生理が来たらしい。
たった500mしかない、直線のトンネル。夜の闇に浮かぶその姿は、先ほどと同じように輝いていた。
さっきと違うのは、みのりが自分を偽っていないということだ。もう彼女は幽霊少女じゃない。黒髪のウィッグも外し、亜麻色のショートヘアをさらけ出している。代わりにつけたのは、猫耳とメイドカチューシャ。
「さて、それじゃあトンネルの中へ……」
入ろうとしたその時、みのりの白い背中が照らされた。トンネルは目の前にあるので、その明かりではない。
深夜に走るトラックのヘッドライトだ。
「きゃっ!」
慌てたみのりは、自転車のペダルを力ずくで踏み込んで走り出す。トンネルの中に逃げ場はない。向かうべきはすぐ左。駐車場の方だ。
車は1台も止まっていないが、きっと奥まで逃げれば見つからない。あるいは、見つかったとしても追いかけられたりはしないだろう。そう思って走る。
「……」
幸いにして、トラックはそのまま通り過ぎてくれた。みのりの事を見落としたのか、それとも幽霊と見間違えたのか、あるいはそもそも、裸同然の恰好した痴女に興味なんかないのか。
「い、行った……よね?」
いつでも逃げられるように、こっそり自転車から降りて、トンネルを覗き込む。トラックのテールランプはトンネルを通過して、はるか向こうの陰に吸い込まれていった。
とはいえ、戻ってこない保証も無いし、他の車が来ないという確証も無い。時間はすっかり午前3時を過ぎていた。この時間までトンネルで露出プレイしていたことはないので、どのくらい交通量があるのかも見当つかない。
「ど、どうしよう。やっぱり、帰ろうかな」
帰るのは安全で、きっと簡単だ。さっきの茂みへと戻って、そこでいつもの服に着替えればいい。このふざけたメイド服を脱いで、さっと上着を着るだけだ。
それだけで、日常に戻れる。自分の生活を守ってくれる世界に、ちゃんと帰れる。
幽霊トンネルの魅力は、そんなみのりを悪い方へと誘惑した。
「――よし」
やることを説明しよう。まずは自転車をスタンドで歩道に停車させる。それからハンドルに固定されたホルダーに、スマホを取り付ける。
これでいつものママチャリが、そのまま三脚の代わりになるのだ。トンネルの照明はさほど明るくはないが、四方八方からみのりの恥ずかしい姿を映し出してくれる。あとはカメラの性能が補助してくれるだろう。
枠組みしかないエプロンと、ガーターベルトにフリル付きのニーハイを組み合わせたみのりは、改めて猫さんブーツとミトンをつける。
おまんこには七色に光るゲーミングバイブ。お尻にはアナルプラグ付きの猫しっぽ。右乳首には有線式のクリップローターをつけて、コントローラーはまとめてガーターベルトのポケットに入れる。
「んっ、しょっ……痛っ」
左乳首につけたネームプレートが、少しだけ曲がっていた。それを整えるために、乳首に刺さっている安全ピンを少しだけずらす。まだ新しい傷口が、金属製の針に擦られて、
ぞわぞわ、どくどく、びりびりする。
「これで、着方は合ってるよね。幽霊さん」
この衣装をくれた幽霊に感謝しながら、その可愛さに少しでも近づきたくて、みのりは写真撮影の準備をする。とはいえ、あとはタイマーをセットして、カメラの前に立つだけだ。
いつ誰が通るか解らない、真夜中のトンネル。遠くからでも明るく見えるここが、今日の撮影スタジオ。
スマホのシャッター設定を10秒にして、画面にタッチ。そうしたら急いで距離を取り、全身が移るように道路の真ん中に立つ。
せっかくだから、少し可愛いポーズをしてみよう。脇を開いて、肘を外側に向けて、両手を顔の横に持ってくる。ダブルピース……と言っても、猫さんミトンのせいで指は見えないが。
「まあ、チョキでもパーでもいいよね」
両脚は肩幅より少し広めに開いて、つま先を内側に向ける。腰をちょっとだけ突き出すと、股間で光っているバイブがきちんと見える。
そのまま、シャッターが切れるまで笑顔だ。自分が出来る限りで、とびりき可愛く、とびりき女の子っぽい笑顔。
(10秒、まだかな……?我慢できない。おまんこ気持ちよくて、乳首が痒くて、お尻の穴のプラグ、風で冷たくなって……んっ)
身体がピクンと跳ねて、体制が崩れる。膝が曲がってしまって、腰が引ける。
ピピッ!――カシャッ!
出来上がった写真は、絶頂の瞬間だった。
「あーあー。目、閉じちゃった」
せっかくの笑顔も、むずむずするような口元と、ひそめた眉で台無しである。これでは可愛いというより変態だ。
「ダメダメ。もう1回」
10秒タイマーをセットして、再び撮影に戻る。今度は大丈夫だ。一回きちんとイったから、もう気持ちよくても、くすぐったくても、恥ずかしくても、痛くても、笑顔でいられる。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ……んっ。くはっ。はぁん」
絶頂の直後は、高まるような我慢できない快楽は来ない。代わりに来るのは、どこまでも終わりのない不安と、もどかしさだ。形は違えど、やはり気持ちいい。
「んっ」
唾を飲みこむことを忘れていたみのりは、口元から涎を垂らした。真っ赤になった顔も、震えている手足も、鳥肌びっしりの身体も、すべてがカメラに写ってしまう。
ピピッ!――カシャッ!
今度の写真に写っていたのは、まるでいじめられながら笑顔を強要されたような姿。たった一人で、自分の意思で撮ったはずの写真なのに、そんな風に見えない。まるで誰かに脅されて、何かにすがりつくような姿だ。
「うん。可愛いかも」
調子に乗ったみのりは、次から次へと写真を撮っていった。この幽霊トンネルは、今日でお別れして、もう夜中に露出プレイの為に訪れる事が出来ない場所になる。
思いっきり楽しまなきゃ損だ。
「あはっ」
昔からの定番、M字開脚。おまんこで光るバイブと、刺激され続けて膨らんだクリトリスがしっかり見える。トンネルの一列に並んだライトや、白いコンクリートで舗装された道路と相まって、どこか近未来的な一枚。
寝そべって足を広げたポーズ。自然に形を変えながらも、決して垂れ落ちない張りのある乳房が美しい。天井を指す右脚と、地面にぴったり付けた左脚。その直角の角度と、斜め45°のバイブが不思議な構図を生み出す。
立ち上がって足を肩幅に開き、両手で乳房を持ち上げながら前かがみになるポーズ。もふもふの柔らかな猫ちゃんミトンと、すべすべのぷにぷにおっぱいの共演。尖った爪と、乳首に刺さった安全ピンが、ただ可愛いだけじゃないクールさを演出する。
四つん這いになって、猫のポーズ。お尻に刺さったしっぽがピンと上を向き、恥ずかしい穴の位置を示す。人間の脚は二足歩行に合わせて長く進化したので、この姿勢だとお尻が高く、顔の位置が低くなる。どこかスマートな一枚。
壁に寄りかかって、体重を預けるポーズ。挑発的な態度と、あえてカメラの端によったスタイリッシュな構図。遠くから走ってくる2台のバイクも映り込み、意図せずレースクイーンみたいな写真が撮れてしまった。
被写体を増やして、3人での決めポーズ。大きなバイク2台を並べて、フルフェイスヘルメットの男性たちと移るその姿は、まるでアーティストのMVのワンシーンみたいだ。衣装のテーマは渋滞している。
バックで突き上げられながら、中出し3Pでハメ撮り。気持ちよさそうなみのりの表情は、後ろのチンコのせいなのか、それとももう一人の男に弄られている名札のせいなのか。
今度は騎乗位で、みのりが自由に動きながらの撮影。円を描くように揺れる乳房と、その振動を痛みに変える名札が神秘的だ。激しい動きと裏腹に、みのりの表情は穏やかで優しい。自分のペースで動けているからだろう。
お別れは、二人の男性に脚を持ってもらって、空中でM字開脚。このままお持ち帰りされそうなポーズでの撮影はドキドキしたとのこと。頬を伝う涙と、小陰唇を伝う精液が、出会いと別れの切なさを表している。
最後は男性たちと別れ、みのり一人での撮影に戻る。本当は笑顔でおまんこを広げる予定だったが、急に恥ずかしくなって隠してしまった珍しい写真。今さら自分のしたことへの恐怖が込み上げて、我慢できなくなった一枚である。
――と、幽霊トンネルの撮影を思いっきり楽しんだみのりだが、心霊写真みたいなものは撮れなかった。やはりこの衣装の持ち主は、成仏してしまったか、無事に転生したのか。
「そろそろ、帰らないとなぁ。ふにゃあああ」
まだ日が昇る時間ではないが、仕事などで朝が早い人たちが、この時間にはもう増えてくる。これ以上の目撃者を増やせば、警察沙汰になりかねない。それはみのりの望むところではないのだ。
「帰ろう。日常に……」
今夜の楽しかった猫耳メイド幽霊の時間から、ただの女子高生の時間に戻らなきゃいけない。みのりは着替えを置いていた駐車場まで戻ると、メイド服を脱ぎ始めた。
「んっ!」
ところが、安全ピンが抜けない。血液が固まって、それが針を固定してしまったらしい。
「んっしょ。えいっ!――痛っ」
かさぶたごと剥がしてしまったようで、ピンの刺さった場所から、たらりと血が流れる。大した量ではないが、じんわりあふれて止まらない。
ずっと乱暴されて腫れ上がり、傷口から血を流す左の乳首。そっちと逆の右乳首は、ニップルローターでかき回され続けて、真っ赤に変色している。周辺にも蕁麻疹のような発疹が出ていた。とても痒い。
(ど、どうしよう……学校、こんな敏感な乳首じゃ行けない。イっちゃうから行けない)
今日はブラをつける前に、絆創膏を貼る必要がありそうだ。
手元にある名札を見つめてみた。元の持ち主だった『ひやま さや』と書かれたプレート。
「うん。これを私がつけ続けるのは、ちょっと違うよね」
帰ったら、自分でちゃんとネームプレートを作ろう。顔写真の入った学生証をコピーして、それをちゃんと自分で買ったプレートに入れて、新しい安全ピンも用意して……
「うーん。安全ピンは怖いから、今度からは乳首クリップにしようかな。あ、でも本格的なのはR18の暖簾の向こうだから、私一人だと買えないかぁ」
などと考えながら、みのりは他のもので代用できるものを頭に思い浮かべてみた。
雑貨屋やホームセンターなどはその宝庫だ。きっと代わりになる物も、簡単に手に入るだろう。なんならもう自分の部屋にあるかもしれない。
数日後。
「――って事があって、その幽霊さんから貰ったのが、この衣装なんです」
と、みのりはおじさんに報告していた。ここでいう『おじさん』というのは、以前たまたま露出プレイ中に見つかり、助けてくれた造船所のおじさんだ。父の部下に当たる人物で、ときどきみのりの露出プレイに付き合ってくれたり、エッチしてくれる仲になっていた。
今回も、夜中の造船所に集まって、寒空の下でセックスしながら話している。
「オナニー大好きな幽霊少女か。不思議な話もあるものだね」
「はい……んっ。で、でも、本当なんですよ。本当にあったことなんです。怖い話じゃないんですけどね」
「信じるよ。その素敵な衣装を、もっとちゃんと見せてほしいな。脚を開いて」
「あ、ごめんなさい。おちんぽ気持ちよくて、つい……」
資材置き場に寝転がって、正常位で繋がったままのみのりは、大きく股を開いた。ボディががら空きのメイド服に身を包んでみのりは、下から突き上げられるたびに小さく吐息を漏らす。
「可愛いよ」
「ですよね。可愛い服なんです」
「みのりちゃんが可愛いんだよ。それに、とってもエッチだ」
「え、私?……にゃはは。嬉しいです。んっ」
二人のダンスは、徐々に激しさを増していく。ついに最高潮の盛り上がりを見せ、そのまま絶頂まで行くと思われたその時、みのりが彼の顔に手をかざした。
「待ってください。お願いがあるんです」
「あ、えっと……やっぱり中出しはダメ?」
「そ、そんなことないです。危険日は過ぎちゃったけど、それでも中出しは好きだし、気持ちいいから……いっぱい出してください。でも、その前にお願いがあって」
「なんだい?」
おじさんが訊ねると、みのりはバッグを手に取って突き出した。彼女の衣装などが入っていたバッグだ。
「その中にネームプレートと……んっ。そ、それから、大きな4つ穴ボタンが入ってるんです。分かりますか?」
「あ、ああ。ちょっと待ってくれ」
お互いの股間を繋げたまま、抜けないように気を配りつつ、おじさんはペンライトを探す。この辺りは街灯からも遠く、やや暗い。ましてバッグの中なんか覗こうと思ったら、手探り以外でこの方法しかない。
「あ、あったよ。これかな?」
「はい。それを、私の乳首につけてくれませんか?」
「え?」
「お願いします。自分でつけたこともあるんですけど、すごく痛くて、思い出すと怖いんです。……でも、痛いのも好きになりたいし、とっても興奮したから――」
そのネームプレートは、どう見ても安全ピンで刺す方式だった。ご丁寧に『えっち係、もりいずみ』と、綺麗なゴシック体で印字されている。
「これ、もしかして乳首に刺すの?エロ同人みたいに?」
「はい。エッチしながら刺したら、きっと痛いより気持ちいいの方が勝つと思うので、お願いします。思い切ってザクっと」
「……」
思い起こせば、いつもそうだ。
最初に彼女とセックスした時も、彼女は自分の身体を麻縄できつく縛ってほしいと言っていた。そして擦り切れて腫れ上がった肌と、青く浮かび上がる痣を嬉しそうに見せてきた。
最初に会ったときだって、真冬の海で身体を冷やしていた彼女は、紫色の唇を震わせながら、それでも楽しそうにレイプを望んでいた。
「本当に、ドMなんだね」
「にゃはははー。そんな褒めても何も出せませんよ」
これから乳首をいじめられる子のする表情ではない。だからこそ、おじさんも実行する覚悟ができた。
これから、彼女の綺麗な乳首を、大きく傷つける。
「それじゃあ、行くよ」
「あ、あのっ……」
「ん?」
「あ、あんまり言われると怖いから、予告なしでブスっと刺してください。お願いします」
おじさんが針を乳首に当てると、みのりは目を閉じて、顔をそらした。軽く触れただけでもピクンと肩を震わせる。それほど敏感な乳首に、これから針を刺す。
「じゃあ、刺すよ」
みのりは小さくうなづくと、歯を食いしばった。痛みで舌を噛んだりしないよう、しっかり噛み合わせる。
「んっ。ふっ」
針が刺さり、みのりの身体は跳ね上がったが、乳首は動かなかった。おじさんがしっかり摘まんでくれているおかげで、みのり自身が動いても手元は狂わない。それだけ彼女のおっぱいが柔らかいという事でもある。
「痛くしてください。もっと……」
震える声でそう言われる。こうしている間にもセックスは続けているわけだが、腰を振っていないのに精子を搾り取られそうだ。それほど、みのりの膣内は激しく動いていた。小刻みな痙攣と、大きな呼吸。その両方の振動が、うねるように絡みつく。
「んっ……んんんんんんっ」
みのりは自分の身体を動かさないように、必死でこらえていた。手を動かさないように考えていないと、無意識に乳首をかばってしまう。脚を開いたままにしなきゃと意識するのは、そうしないと脚を閉じて身体を丸めてしまいそうだからだ。
痛くて、怖くて、今すぐにでも蹴り飛ばして逃げ出したい。
そんな気持ちを抑えながら、この痛みを『気持ちいい』と自分に言い聞かせる。そうやって耐えているうちに、本当に気持ちよくなってくるのだ。
――そして、最後の難関が来る。
「じゃあ、あとは留めるだけだね」
貫通した安全ピンの針を、フックの中に収める作業。じつは最も痛い作業である。
「……」
自分で安全ピンを指したあの夜は、なるべく振動や衝撃が傷口に伝わらないように、そっと閉じた。でも、おじさんはあの感覚を知らない。まさか針を刺すよりその後の方が痛いなんて、想像もしていないだろう。
つまり『優しくしてください』と伝えないと、普通にパチンと留められてしまう。
痛くされてしまう……
「……」
みのりは、あえて何も言わなかった。乱暴に針が引っ張られ、そのまま収まるべき場所へ導かれる。そして、何の気も無しに針をはじかれる。当然とばかりに。
パチン――
みのりの声は、ひときわ大きく夜の街にこだました。あまりに大きな悲鳴だったので、誰か来るんじゃないかと心配した二人は、一時的に造船所の中に避難した。
「ああー、気持ちよかったぁ」
何の反省もしていないみのりは、悪気など欠片も感じていない笑顔で、再び外へ出てきた。中断した野外セックスの続きである。
「あ、それで、もうひとつバッグに入ってましたよね。大きめの、4つ穴ボタン」
「ああ、あったね。これはどうするの?」
おじさんの質問に、みのりは無言で何かを手渡す。それは――
「縫い針?……と、糸か」
白い糸が通った、短い縫い針。それからご丁寧に指ぬきと、支えに使うのであろう針刺し。
「私の右乳首は、まだ空いてますよね。そっちにボタンを縫い付けてくれませんか?」
小学校の家庭科で習ったことがあるだろう、ボタン付け。
せっかくなので、ここでみのりと一緒に復習してみよう。読者の皆さんも、レッツ裁縫男子&女子を目指せ。
まずは糸を玉結びにする。やり方は一本取りと二本取りの2種類あるが、今回はまだ痛みが少なそうな一本取りでやってみよう。
最初は、乳首の中央より上。右から左へと貫通させる。乳首がくるりと回って逃げる可能性があるので、しっかり痛いほど摘まんで刺すことをお勧めする。本人がイってもやめない。
「はぁー、はぁー、っ!」
次に、ボタンの左上の穴に針を通す。これは最初から穴が開いているので、簡単に通るだろう。コリコリして硬く、それでいて表面が汗で滑りやすい乳首と比べると、簡単に針を通せる。
左上の穴から表面に向けて通した糸を、今度は右下の穴へと通して裏に送る。これでボタンの表面に糸が来るのだ。
「……ひぅ、ん」
弱り切った表情のみのり。その乳首の右下から左下へ、針を刺していく。先ほど乳首の上を刺したのと、平行になるようにするのがコツだ。ちなみにボタンの穴の位置と合わせて刺さないと、最後に痛い目を見ることになる。もちろんみのりが。
「いぎっ、ああああああああああああ」
音量的には小さな、喉を絞るように歪みのかかった少女の鳴き声が聞こえる。声ではなく、吐息の漏れる音が限界を突破したような叫びだ。
左下まで糸が通ったら、そのまま針を引っ張る。毛羽立った糸の表面が、出来たばかりの傷口を擦り、みのりの背筋に凍るような刺激を絶え間なく与える。
「ひっ――は、は、は、ふー、ふー、ふー」
その後は、当然だがボタンの左下の穴へ、裏から表に向けて針を通す。そして右上の穴へ、表から裏に向けて針を通す。ここで特筆すべきことなど、白いはずの糸が赤いまだら模様になっている事くらいしかない。
ボタンの上で×を描く糸は、とても可愛い。
さて、ここからは応用編だ。通常の衣服に縫い付ける場合なら、ここまでの流れを同じように3回くらい繰り返すだけでいい。
ただ、今回は衣服ではなく乳首に縫い付けるため、少し工夫が必要だ。
同じところに二度も糸を通したり、皮下で糸が交差したりすると、痛みや化膿の原因になる。なので……
「なるほど。こうか」
「はい。伝わりましたか?」
「ああ、分かったよ」
息をするのも限界なみのりの、断片的な言葉から、おじさんは作業手順を理解する。
まずは今、ボタンの右上から裏面に向かって糸が通っている。これを、乳首の右上から右下に向けて、糸を交差しないように通していく。
先ほど横方向に平行に刺した糸。それとは別に、今度は縦方向に刺していくのだ。イメージとしては、乳首に四角形を描くような形だ。
「ひー、ひー、ひーっ」
彼女が泣き顔を見せたとしても、止める必要は無い。そのまま貫通させた針を引き抜き、今度はボタンに通していく。右下の穴から表へ通し、そして左上の穴から裏面へ。
あくまでも、ボタンの表面には×印の形で糸が通るようにする。対角線を意識するのが重要だ。
「これは気持ちいい。これは気持ちいい。これは気持ちい。きもちい。きっ」
小さな声で呟き、自己暗示をかけるみのり。そんな彼女の頑張っている姿を見ていると、久しぶりに裁縫をやってみて良かった、と、そう心から思える。
今度は左上から左下へと、乳首を貫通させる。この頃になるとみのりの乳首はぷっくりと腫れ上がり、隆起した状態とはまた違った感触になっていた。コリコリと固い芯はあるのに、内出血で表面は柔らかく腫れている。ぷにぷに。
「いあ……が、ああああああ」
口から泡を吹くみのりを見ながら、左下に通した糸をボタンに通していく。左下の穴から右上の穴へ。そして、最後だ。
「あとは、どうすればいい?」
おじさんが訊くと、みのりは呼吸を整えてから、静かに答えた。
「あとは、私がやります」
普通だったら、このままもう一度乳首を貫通させて、それから玉止めだ。しかしみのりはもう息も絶え絶えで、これ以上の針刺しを受け入れられる状態ではなかった。
そもそも、いくら彼女の乳首が大きめとはいえ、そろそろ刺すところも残っていない。糸同士が皮下で交差すると痛すぎるというのは、さきほど説明したとおりである。
では、どうやって留めるのか?
「んっ」
みのりは糸を長く伸ばして、自分の首の後ろを通した。今度は針を使わず、ただ首に引っかけただけだ。その糸の先を、今度は名札がついた左乳首に向かわせる。
名札を止めている留め具に、糸を縛り付ける。こうすることで糸が抜けないようにするのだ。これにはいくつかの効果があって、
「これなら、ノーブラでもしっかり乳房を支えられるでしょ?」
との通り、短めに縛られた糸のおかげで、みのりの上向きおっぱいは更に上を向く。張りの強い乳房が引き上げられ、今にも破裂しそうなほどパンパンに膨れて見えるのだ。
「それに、おっぱいが揺れると、首から吊り下げられた乳首が引っ張られるの。えへへー。これならちょっと揺れただけでも、痛くて気持ちいいと思うんです」
好奇心旺盛なみのりらしい工夫だ。今思えば、無駄に長く糸を取っていたのも、この為だったのかもしれない。そのせいで糸と傷との摩擦をより多く受けたのだが……
「じゃあ、あとはセックス、最後まで楽しみましょう?」
いつもなら、みのりはセックスの最中、子供のように無邪気な笑顔を見せる。時々むず痒そうに唇を動かすが、それ以外は本当に、泥遊びを楽しむ子供のような表情をするのだ。
しかし、今日は違った。
ピストンするたびに揺れる乳房と、それを抑え込もうとする糸のせいで、乳首は振り子のように揺れている。
乳房が上に跳ね上がり、その反動で下に落ちるように揺れると、その瞬間に糸がピンと張り、乳首を吊り上げるのだ。
「ふひぃ。ふー、ふひぃ」
さっきから変な吐息ばかり漏らす彼女は、ついでに涎と涙も止めない。口角に泡が付いたまま、その泡を流すようにあふれる唾液は、震える口元をべちょべちょに濡らしていた。
笑顔は子供っぽいのに、泣き顔は大人っぽい。そんな不思議な二面性を見せる彼女に、おじさんはいつもより興奮した。
――しばらく、二人で中出しの余韻を楽しみ、夜空に浮かぶ星を眺めた後、
「それじゃあ、私はこの格好で遊びに行こうと思います」
と、みのりは立ち上がった。七色に光るゲーミングバイブが、彼女の割れ目を彩る。その光に影を落とすのは、先ほどたっぷり出した精子だ。ゆっくり逆流して、ねっとりと薄い影を浮かばせる。
「どこに行くんだい?」
「えっと……また心霊スポットなんです。ああ、でもでもっ。そこで死んだ人がいるわけじゃないんですよ。ただの廃ホテルなんですけど――」
「ああ、もしかして、3丁目の?」
おじさんが言うと、みのりは頷いた。その頷きに合わせて、糸で吊られた乳首も上下する。
「はい。せっかくの可愛いメイド服なので、それっぽいごっこ遊びしながらオナニーできたらいいなって思って――あ、でも、人には見つからないようにしないとダメですよね。ネームプレートもついてるから、見つかったら特定されちゃう」
そう思うなら、偽名でネームプレートを作ればいいのに……もっとも、ひらがな表記の名字だけなのは、みのりなりの保険なのだろう。スリルは味わいたいが、本当に破滅したいわけではない。そんな彼女のこだわりだ。
「……こんな格好見せるの、おじさんだけなんですからね」
みのりはそう言うと、右乳首に止められたボタンをちらりと捲って見せた。アイボリーのボタンと、それに隠されたピンクの乳首。そして引っ張られる赤い糸のコントラストが、とても女の子らしい。
これから来る春を先取りしたような、大人っぽいのに羽目を外したファッションだ。
「じゃ、行ってきます」
楽しそうに自転車に跨ったみのりは、股間を蛍のように光らせ、激しくペダリングしながら数メートルで絶頂した。
その後、みのりは廃ホテルに泊まっていた廃墟マニアと意気投合し、一緒にホテルごっこやメイドごっこ、それから子作り本番などをして遊んだようだ。
気付けば朝になってしまい、この格好で帰るに帰れなくなったみのりは、そのまま学校を休んで廃ホテルに隠れていたとか何とか。
翌日の夜中に家に帰り、そっと糸を抜いたが、さすがにカサブタが固まってしまっていて抜くのが痛かったらしい。
そして数日ほど、右乳首から短い糸状のカサブタと、それに混ざる糸くずなどが取れたとか。その傷口は十日ほどで完治し、痕も残らないくらい綺麗に塞がった。
「またいつか開けたいけど、産まれてくる赤ちゃんの為にも綺麗なまま残したい気持ちもあります」
そうみのりは語ってくれたが、残念ながら今月もちゃんと生理が来たらしい。
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