教師失格

ひとちゃん

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禁断の再会

火照る身体と余韻

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「ただいま…」
「真綾、おかえり」

成人式が終わり、私は凌河が待っている東京の家に帰宅した。

正直、とても帰りたくなかった。
凌河が心配していた「同級生の男の子がかっこよくなっていたらどうしよう」ではなく、初恋の先生と一夜を共にしてしまったからだ。

「真綾、なんかおかしいよ。熱でもある?疲れたの?」
「う、ううん!そうじゃないの…いや、そうかも。疲れたのかも」
「早く寝て、明日の授業に備えてね」

凌河はそう言い、私を抱きしめた。

…違和感。

もちろん、凌河のことは好きだ。
凌河は私にとても優しくしてくれる。
だけど、何か足りないと思った。

再び渡辺先生の身体に触れたい。
触れて、優しいキスをして、無愛想な彼に「好きだ」と言われたい。

心も身体も、あの一夜に囚われている。

「真綾、本当にどうしたの?様子がおかしいよ」

凌河が問いかけた。

「ち、違うの。本当に」

そう答えるしかなかった。

「う、うん…」と凌河は不服そうな声を出し、リビングへ戻っていった。

言えるわけないよ。こんなこと。

あの初恋を思い出して…その熱が収まらない。
よりによって、渡辺先生が私を好きだと言った。
本気の瞳で私を見つめて、私を絶頂まで達してくれたのは渡辺先生が初めてだったから。

渡辺先生…。
私も、もしかしたらまた好きになっちゃってるのかもしれないです。

ぼーっと考えていると、私のラインが鳴った。

【渡辺だ 無事帰れたか?】

嬉しい。渡辺先生、気にかけてくれたんだ。

【神崎です。ありがとうございます、無事帰宅しました。昨日はありがとうございました】

私はそう返事をすると、直ぐに既読がついた。

【突然連れて行ったり、想いを伝えてしまって申し訳ない。だけどお前のことはずっと好きなんだ】

そう言われると余計に会いたくなっちゃうよ。
でも、奥さんに見られたら…どうするの。
私、慰謝料払えるほどの財力ないよ。

【私も渡辺先生と再び会えて、想いを伝えてくれて凄く嬉しかったです】

奥さんのことは触れないようにしよう。
きっと現実逃避…うん、現実逃避したいだけなんだよ。
そう思ってスマホを閉じた途端、再びラインの着信音が鳴った。

【真綾、来週の土曜日空いてるか?東京に出張しに行くんだが、食事でも】

食事か。
食事なら…いいかな、淫らなことするわけでもないし。
これは不倫じゃない。うん。不倫じゃない!

【わかりました。予定空けておきます】

私はそう返事をした。

【ありがとう。土曜日、楽しみにしてる】

私は再びスマホを閉じた。

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