消耗品扱いの発掘技師は、元クールビューティーな魔造少女と世界を救う

わたなべ ゆたか

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消耗品扱いの発掘技師は、元クールビューティーな魔造少女と世界を救う

三章 忌む血脈  十一話 魔神の騎士

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 三章 忌む血脈


 十一話 魔神の騎士

 地底の奥深く。外界とはほとんど隔離された場所で、魔神アイホーントは身体の回復のための繭化を行っていた。
 縦横無尽に糸を張り巡らせた空間の中央で、白い繭となった魔神アイホーントが宙づりになっていた。
 張り巡らされた糸の上には、一〇を超える乳白色の球体が置かれていた。そのほとんどは直径にして三〇リン(約二七センチ)だが、一つだけは直径が約二リン半(約二メートル五〇センチ)のものがある。
 その一つだけ大きな球体の表面に、内側からヒビが入った。
 ヒビはどんどんと大きくなり、やがて蜘蛛の頭部に似たものが顔を覗かせた。
 卵から出たのは、身長が約三リン(約二メートル七〇センチ)にもなる、人に近い体型の異形だった。

 頭部は蜘蛛のものだが、焦げ茶色をした胴体には体毛らしいものはない。三本の指を持つ腕が左右二対、計四本もある。
 下半身は蜘蛛の胸部と腹部を足したような感じで、胸部からは蜘蛛の足が四本も伸びていた。

 その異形の蜘蛛は、その空間の中央にある繭に向けて、深々と頭を垂れた。


「我が母にて、眷属の王。あなたの騎士たるベベリヌに御命令を」


〝ああ――ベベリヌよ。よく聞け。忌々しい人形が、我の復活を妨げようとしておる。我が復活する前に、やつを排除せよ〟


「――御命令のままに。我が母にて、眷属の王よ」


〝征け――彼奴はこのあたりに来ることが多いようだ〟


 魔神アイホーントの声と共に、ベベリヌの前に映像が浮かび上がった。
 それは眷属が寄生したワームと、レオナシアが戦っているときのものだ。ベベリヌはレオナシアの顔を見て、「ほお……」と声をあげた。


「こやつは、確か我が殺したはず――なぜ、しかも人の寿命を超えて生きているのか。興味も沸いてきましたな。これは殺すだけではなく、是非に解体して、中を調べてみたいものですな」


〝余計なことはせぬともよい。ただ、滅ぼせ。それが命である〟


「御意」


 ベベリヌは頭を垂れたまま、四本の脚を使って後退をし始めた。
 その後ろには、約三リン半(約三メートル三〇センチ)の穴がある。これが、この空間と外界との、唯一の出入り口だ。
 ベベリヌが音もなく穴に潜り込むと、繭のある空間に静寂が訪れた。

   *

 諸々のあった翌朝。僕と――レオナは発掘現場の坑道を歩いていた。
 今日はレオナがいるということで、最深部での発掘を再開するらしい。僕とレオナは一昨日と同様に、最深部での発掘を指示された。
 この前のワームととか、魔神の眷属が出るかもしれない――そんな心配をする僕に、レオナは「大丈夫だとは思うけどね」と答えた。


「眷属も頻繁に出せるわけじゃないみたいだし。あいつの身体もまだ、回復が終わってないと思うのよ。今日明日で、なにか仕掛けてくるってことはないと思う」


 レオナはそう言ってくれたけど……逆に言えば、何日かあとに回復しきった魔神に襲われることになりそうで、それはそれで不安の種になっていた。
 最深部に向かう途中、レオナは坑道内部を照らす照明と、その動力源の燃焼炉を珍しそうに眺めていた。
 燃焼炉から少し離れた場所には、空になった燃料用の金属タンクが並んでいた。


「ああいうのに、興味が……その、あるの?」


「そうね。あたしの時代には、なかったから。でも、すごい排気ガス……っていうんだっけ? 身体が煤だけらになっちゃう」


 鎧を叩いてうっすらと付着した黒い煤を払いながら、レオナは答えた。
 昨日の一件以来、お互いに敬語はなくしている。レオナも僕のことを呼び捨てにしているから、要するに「お互いに対等の関係」ということみたいだ。
 最深部に到着した僕は、一昨日と同じ発掘技師たちと合流した。挨拶を交わし終わってから、僕はエディンがいないことに気づいた。


「あの、エディンはいないんですか?」


「ん? ああ……あいつは、別件で連れて行かれてる、みたいだ。なんで、あいつらと連んでるのか知らんが……」


 語尾を濁すように、中年の発掘技師は返答を打ち切った。

 そっか……エディンは別件なんだ。

 少し寂しさを覚えながら、僕は指示された最深部の発掘現場へと向かった。
 僕は二〇代と思しき発掘技師と組んで、南西側の発掘を行うことになった。この辺りの坑道は高さだけでも六リン(約五メートル五〇センチ)、幅は一〇リン(約九メートル二〇センチ)もある。坑道としては広めだが、それだけに崩れやすい。
 二時間くらい発掘作業をしていたとき、青年の発掘技師がなにかを見つけた。それから僕も手伝って、手の平よりも少し大きい遺物を掘り出した。
 形からして、拳銃型の魔導器みたいだ。
 青年の技師は拳銃を握ってみるが、反応はない。


「壊れてるのか……」


「ちょっと見せて下さい」


 僕は拳銃を受け取ると、握りと銃身にある蓋を外した。三枚ずつ取り付けられた伝導板のうち、握りにある一枚が、真ん中で折れていた。
 刻まれている構文は、見覚えのあるものだ。


「うん。これなら、直せそうですよ。うちに、予備の部品があったはず」


「本当か? それじゃあ――あ、おい。銃身を見てみなよ。こいつ、かなり頑丈にできてるみたいだ。威力を増したりする、別の部品があるんじゃないかな?」


 青年の発掘技師の言うとおり、銃身の構造は拳銃型にしては頑丈そうにできている。これはきっと、ライフル型の部品を流用したものだと思う。


「そうですね。きっとそうです。ということは、伝導板を変えちゃって、威力を増せそうですよ。あとこっちの伝導板も変えれば、安定感も増せそうですしね。これは……男の浪漫をそそる改造になりそうです」


「お、お主もわかる人だねぇ。なら護身用ってだけじゃなく、主兵装としても充分使えそうだよな。おお……なんか燃えてきた――アウィン、やってみな」


「え? 俺がやっちゃっていいんですか? それじゃあ遠慮無く。完成をお楽しみに」


 魔導器を改造するのを譲ってくれた青年に、僕は笑みを浮かべた。
 僕が魔導器を腰袋に入れたとき、後ろで作業の様子を眺めていたレオナが、声をかけてきた。


「ねえ。なにか、変な音が聞こえない?」


 周囲を見回すレオナに、僕と青年の発掘技師は顔を見合わせた。自分たちが土を掘る音で、レオナの言う異音にまったく気づかなかった。
 その音は、南に数リンは離れたところから聞こえていた。


「下がって」


 元々は軍人だったレオナは、即座に表情を引き締めると、右腕の銃口を音のする場所へと向けた。
 もう何度目の音になるだろう――レオナが銃口を向けてから十秒ほどしたとき、南の天井から、パラパラと土が降り始めた。
 南の天井の一部が、盛り上がった。
 体感にして三呼吸分の静寂のあと、ドン、という音とともに南側の天井が崩れた。
 舞い上がる土煙の向こう側で、焦げ茶色をしたものが動いていた。腕は見る限りで四本、蜘蛛に似た下半身に、脚が四本。
 蜘蛛そのものの頭部をしたそいつは、僕らを見て前顎をカチャカチャと動かした。
 身長こそ人とあまり変わりないニリン(一メートル八〇センチ)ほどだが、その姿はあの魔神を思い起こさせるほど、薄気味が悪かった。


「これはこれは。こんなに早く逢えるとは。また、おまえの顔を見ることになるとはな」


 異形は僕ら――いや、レオナを見ながら、どこか嬉しそうに言った。
 レオナは、その異形を青ざめた顔で見ていた。


「お、おまえは――おまえ、は――」


「ほう……記憶も残っているか。ならば、覚えているだろう? 貴様は、我が殺したことを!!」


 四本の脚を素早く動かしながら迫る異形に、レオナは半狂乱になっていた。


「ベ――ベベリヌっ!!」


 多分、あの異形の名前を叫びながら、レオナは無茶苦茶に魔力弾を撃った。だけど、ベベリヌには傷一つ与えられなかった。
 四本の腕を振り上げるベベリヌに、レオナは悲鳴にも似た絶叫をあげた。


「ぼ――防御っ!!」


 僕は、レオナのすぐ後ろに駆け込むと同時に叫んだ。援護のためとか、助けるとか、そんなことを考えたわけじゃない。
 ただただ、無我夢中だっただけなんだ。


 周囲を取り囲む結界に、ベベリヌの腕は阻まれた。
 荒い呼吸だったレオナは、忌々しげに結界に手をつくベベリヌの姿に、少し落ち着きを取り戻したのか、悲鳴を止めて僕を振り向いた。


「アウィン――」


「こ、これから――どうすればいいの? 戦い方なんか、わからないんだ」


 僕は恐怖心から、なにも考えられなかった。きっと僕は、縋るような目を向けていたに違いない。視線を逸らしたレオナは、小さく首を振った。


「あたしも、わからない。こいつは――ベベリヌには、生半可な攻撃は効かないのよ」


 レオナは今にも泣き出しそうな顔で、首を振った。
 その姿は軍人ではなく、ただの少女のそれだった。最初に会ったときは、魔神アイホーントから僕を護ったレオナが、こんなにも怯えるなんて……。
 そう思った途端、僕の中にあの大鎧の姿が思い浮かんだ。


「レオナ……あの大きな鎧になればいいんじゃ」


「あれ――あれには、あまりなりたくない」


 僕の案を拒否するレオナは、結界の中で後ずさった。
 ベベリヌはそんなレオナを結界の外から眺めつつ、視線を彷徨わせるように、わざとらしく首を動かした。


「そうか――貴様も復活していたか。忌々しいことよ」


 ベベリヌが僕を見て、前顎を動かした。

 僕が復活って、どういうことだろう?

 そんな疑問に悩む時間もなく、ベベリヌの視線が僕らの背後へと向けられた。そこにはまだ、青年の発掘技師がいた。


「このまま睨み合いをするのも、退屈だ――暇つぶしに、あの人間を解体することにしよう」


「そ――レオナ!」


 僕の叫びに、レオナは苦しげに目を閉じた。
 しかし、ベベリヌが結界から離れるのを見て、素早く僕の後ろまで下がった。


「アウィン、三、二、一で結界を解いて。あと、お願い、こっちを見ないで」


 最後のお願いは意味がわからなかったけど、僕は頷いた。


「ありがと。三、二、一……」


「解除!」


 僕が叫ぶと同時に、背後から風が巻き起こった。
 振り返るベベリヌに、魔造動甲冑となったレオナが左手で殴りかかった。完全に不意を突かれたのか、拳をまともに喰らったベベリヌは、壁まで吹っ飛ばされた。


〝ベベリヌ――あんたは、ここで斃す!〟


「ほお――そのデカ物は……我を屠りかけたのは、貴様だったのか! これは面白い。今度こそ貴様を殺し、臓腑の一つ一つまで解体してくれよう!!」


 そんなことを叫びながら、ベベリヌはレオナに飛びかかった。
 レオナが右腕から撃った、魔力弾――いや、魔力砲の一撃を受け、ベベリヌは再び壁まで吹き飛ばされた。
 全身が焼けたように黒く変色したベベリヌに、レオナは右腕から発生させた光の刀身で斬りつけた。
 その寸前にベベリヌは横に跳んだが、僅かに間に合わない。腕の一本を切断され、地面を転がるように、レオナから離れた。

「ぐっ――! 貴様ぁ!」


 ベベリヌはレオナを大きく迂回するように駆け出すと、僕へと進路を変えた。


「え?」


 突然のことに、僕はなんの反応もできなかった。
 ベベリヌの残った三本の腕が、僕へと伸びてきた。


〝危ないっ!!〟


 寸前のところで、レオナが僕を庇うように背中で庇ってくれた。しかし、ベベリヌの腕に背中を強打され、レオナは苦悶の声をあげた。


「やはり、そやつが弱点か――」


 嗤うように前顎を動かすベベリヌを、レオナは右腕で薙ぎ払った。しかしベベリヌは器用に着地をすると再び弧を描くように駆け出した。
 僕が脚を引っ張っている。僕は結界で自分を護ろうとしたが、例の無機質な声が聞こえてくるだけだった。


〝動甲冑に魔力転送中。個人での結界構築はできません。動甲冑への搭乗を推奨します〟

 搭乗って……乗る? 僕が? レオナに?

 意味がわからずレオナを仰ぎ見ると、動甲冑の顔にあたる部分が小さく振れた。


〝イヤ……それは、駄目〟


 あの声が聞こえたのか、レオナは震える声で拒絶してきた。
 そのあとも二度、三度とベベリヌは僕を狙ってきた。防戦一方になっていたレオナが、ついに片膝をつくのを見て、僕は叫んでいた。


「レオナ、僕を気にせず戦って! あいつに――勝って!!」


「はは――そういう人間の覚悟は、幾度となく見てきたぞ。すべて、無駄に終わらせてやったがな!!」


 四度目のベベリヌの攻撃を防いだレオナは、左手で僕を掴んできた。いきなりすぎて、驚く暇すらない僕の前で、魔造動甲冑の腹部の装甲が開いた。
 魔造動甲冑の左手が、押し込むように僕を開いた装甲の中へと入れた。

 転がりそうになるのを踏ん張った僕の前に、下半身までを魔導器に埋まったレオナの姿があった。真横に伸ばした両手は、クリスタル状の球体を掴んでいるだけだけど……顔の半分は無骨な魔導器で覆われ、顔や首など、肌が露出した箇所は魔力が溢れている影響なのか、赤やオレンジといった模様が浮かび上がっていた。
 背中には無骨なチューブらしいものが接続され、魔力らしい光がレオナへと流し込まれていた。
 女の子は、こんな姿を他人には見られたくないんだろう。だけど――そんな異質な姿にも関わらず、僕は今のレオナに一種の美しさを感じてしまった。


「あまり――見ないで」


「あ、ご、ごめんなさい」


 僕はレオナを見ないように背を向けた。すでに装甲は閉じられ、内部は周囲から溢れる魔力光によって照らされていた。
 レオナの下半身が収まった魔導器に凭れようとしたとき、周囲が形を変え、僕が座る椅子と、正面にレオナが掴んでいるのと似たクリスタルが現れた。
 僕は直感に従って、リーンアームドをした左手で、クリスタルを掴んだ。
 その途端、僕の視界に外の様子が見え始めた。物が二重写しになったようで違和感はあったけど、視界に映るベベリヌの姿を見て、僕はそういった諸々を後回しにした。
 ベベリヌが、壁を蹴って死角へと入った。


「防御結界」


 僕の命令でリーンアームドの紋章が光り始めると、魔造動甲冑は結界に囲まれた。
 攻撃を弾かれたベベリヌが、空中で仰け反った。


「今っ!!」


「あ――結界解除」


 レオナが右腕をベベリヌへと向けるのに合わせて、僕は結界を解いた。
 直後、右腕から魔力砲が放たれた!
 青白い光の奔流がベベリヌを襲い、そのまま坑道の天井を薙いでいった。魔力砲が止んだとき、攻撃を受けた坑道の天井が崩落し始めた。


「しまった――」


 レオナはまだ背後にいた発掘技師の近くまで退いた。僕は結界を張って崩落に備えたけど、天井が崩れたのは魔力砲を受けた場所だけに留まってくれた。
 土煙が立ち込め、僕らの視界を遮った。


「あの化け物は――」


 目を凝らしている僕の前で、土煙から影が飛び出した。天井に伸ばした半透明の糸にぶら下がったのは、二本の左腕を失ったベベリヌだった。


「貴様ら――この屈辱は忘れぬぞ!」


 レオナは魔造動甲冑の右腕から光の刃を発生させながら突進したけど、ベベリヌが退くほうが早かった。
 糸を伝って崩れた天井に張り付くと、亀裂の隙間に身体を潜らせた。どうやら、その亀裂を伝って、ここまで移動してきたみたいだ。


「逃げられた――」


 だけど、戦いは終わった。僕が安堵していると、周囲が光に包まれ始めた。光は帯のように消えていき、レオナの身体へと吸い込まれていく。
 やがて、僕が座っていた椅子や足元までも消失していった――。


「あ」


 落ちる――と思ったけど、その前にレオナの両手が、背中から僕の身体を抱き留めてくれた。


「あ、ありがとう……」


 着地してすぐに抱きしめる腕から解放された僕は、すぐにレオナにお礼を言った。
 だけど、レオナは俯いたまま、僕から視線を逸らせてしまった。
 その理由は、すぐにわかった。 
  魔造動甲冑のコアになっている姿を他人に見られたのが、きっと凄くイヤだったんだ。その気持ちは――よくわかった。


「あの、レオナ。その……こういうことを言うと怒るかもなんだけど。動甲冑の中のレオナも、綺麗だったよ」


「あ、あなたね――!!」


「確かに!」


 僕はレオナの怒声を遮るように、大声を出した。


「……あの姿は、人に見られたくないって思ったんだけど。それはすぐにわかったんだけど。でも、僕は綺麗だって思ったんだ。レオナの……その、優しさはそのままだったから、きっと綺麗だったんだと思う」


 僕の弁明を聞いていたレオナは、ぽかん、と口を開けていた。
 数秒ほどの沈黙のあと、肩から力の抜けたレオナは、少し上目遣いに僕を見た。


「あたし……そんなに優しくない」


「優しいよ。昨日だって、僕に魔力弾を撃たなかったじゃない。不意打ちでも、問答無用にでも、撃てたはずなのに。きっと、レオナが優しい人だから、撃てなかったんだと思う」


 ひと息に言い切ると、レオナは少し頬を赤く染めながら、僕から目を逸らした。


「アウィン……あなた、やっぱり変よ。魔導器オタクだから、そう思うだけじゃないの?」


「え? オタクって……そんなことはない、と思うけど……」


 たまに言われるから、否定はしたけど自信はなかった。僕が少し狼狽えていると、レオナは力なく微笑んだ。それは呆れたような――それでいて、少し安心したような、そんな笑みだ。


「……もういいわよ。それより、ここの発掘はもう無理じゃない?」


「え? あ、そ、そうだね。班長に言って、発掘場所の再検討をして貰わなきゃ」


 天井が崩落した以上、発掘を続けるのは危険だ。それに、ベベリヌが移動に使う亀裂も残っている。
 ベベリヌが僕に言ったことも気になるけど、今は撤収することが最優先だ。
 僕はレオナや青年の発掘技師と、発掘用の機材を片付け始めた。
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