神怪三姉妹の日常

神怪紫朱姫

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第一章

京都編・第七話 海に突如現れた山

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岩に先に着いたのは私だった。

「神姫さん速い」

「朱雀さんも速いわよ」

こうして私たちは夕方まで海で遊びホテルへと戻った。

夕食を食べて部屋に戻りお風呂へと向かった。

お風呂に入っていると、二人の女性が入ってきた。

「遅れてごめんなさい」

「生徒会の用事が思った以上に長引きました」

入ってきた女性二人は醍醐君のお姉さんの桜さんと妹の紅葉ちゃんだった。

二人は京都女子学園に通っており、生徒会の副会長と書記をしているらしい。

私は男湯の方をずっと見ていた桜さんに聞いた。

「どうかしたんですか?」

「もう少ししたら闘次君が覗くから撃退の準備をしているのよ」

桜さんがそう言ってから少しして仕切りに指が見えた。

その瞬間、桜さんが言った。

「天子ちゃん今よ!」

桜さんがそう言うと太秦さんが言った。

「赤鬼お願い!」

「おおお!」

男湯の方でバシャンと音がした。

どうやら撃退に成功したようだ。

「桜樹君は大丈夫なのに闘次君はどうしてなのかなぁ?」

「性格よ」

桜さんと紅葉ちゃんはそんな会話をしていた。

あまり入っているとのぼせるのため私たちお風呂から出て部屋へと戻って行った。

部屋に戻った私たちは少し雑談をしてから私と詩朱香はベットで姉さんは布団を敷き寝ることになった。

寝ようとしたとき詩朱香がずっと窓の外を見ていた。

その姿を見た姉さんが聞いた。

「どうかしたのか?」

「あの影何でしょうか?」

私は気になったため窓の外を見た。

確かに生き物の姿をした影が見えた。

「襲ってくる気配はないし大丈夫じゃろ」

「そうですよね、さぁ寝ましょ」

こうして私たちは各自布団に入り寝た。


翌朝、私は朝早くに海岸に出て昨日の影を確認しにきた。

昨日の見た影はそこにまだあった。

「昨日より近づいているこは気のせいかしら」

私はそんなことを思いながら海岸を後にした。

ホテルに戻ると皆朝食に行くところだった。

「神姫かどこに行っておったのじゃ?」

「昨日の影が気になって海岸に」

私たちは朝食を食べに食堂へと向かった。

太秦さんはまたしても義乃さんたちと話していた。

30分後私たちは部屋に戻り、少し休憩することにした。

桜さんと紅葉ちゃんは昨日遅くに来たため先に海へと向かった。

「これからどうするんですか?」

「昼過ぎまで遊んでから支度をして帰るそうじゃ」

「わかりました」

そして、私たちは昼過ぎまで海で遊びホテルへと戻った。

帰り支度をしてロビーへと向かう。

醍醐君はチェックアウトをするためフロントに向かった。

待っていると玄関に車が停まった。

やっぱり目立つわねあの車、乗るのが少し恥ずかしいわ。

私がそんなことを考えていると醍醐君がチェックアウトを終えて戻ってきた。

そして私たちは玄関に向かった。

「全員揃ったな、乗れ!」

こうして私達は桃太郎さんの車に乗り自宅へと帰って行った。


道中、私は思い出していた。

『あの山みたいな影どうなったのかしら?』

『あの影が噂の怪王なら危険だわ!』

私がそんなことを思っていると朱雀さんが聞いてきた。

「神姫さんどないしたん?険しい顔して」

「海で見た影が気になって」

「影って山みたいにごつかったあれ」

「そう、あの影が怪王という生物なら危険だから」

「怪王ってうちが契約した戦鬼と同じ現象が起きたはず」

戦鬼と同じ現象?

理解できない私は朱雀さんに聞いてみた。

「朱雀さんのいう戦鬼の現象って?」

「秀吉はんの姿を見てない場合に戦鬼見てしまうと死んでまうんや!」

嘘でしょ!

「神姫さんはなんで怪王が危険やと思うん?」

朱雀さんがそう聞いてきたので私は答えた。

「姉さんから聞いたことがあるの、怪王が影で見えている間は安全、本体が姿を現したとき世界が消滅するって」

「うちもその話を戦鬼から聞いたことあるわ、戦鬼はただの噂って言ってるけど実際どうなんやろか?」

戦鬼さんの言うとおりならいいんだけど。

翌朝、宿題を終わらせると海でのことを思い出しながら夏休みを過ごした。
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