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18・笑ってくれたら(ジェイル視点)
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自信なさげに目を伏せるリセを見て、ジェイルは気軽に頷く。
「いいよ」
「えっ、私、まだ何も言ってないのに!」
「そうだな。言えば?」
「だけど……!」
「なんだよ、もったいぶって」
「でも、その」
明らかに狼狽しているリセに、ジェイルは笑った。
「今日は俺、お前に謝りたい気分なんだ。わがままでも言ってみろ。聞いてやる」
「いいの?」
「早くしろ。俺が気が短いの知ってるだろ」
「だ、だけど……」
「面倒だな。言わないと触るぞ」
(あ。また余計なこと言った)
ジェイルは懲りない自分に呆れる。
(でも、本音か)
ジェイルは視線を落とし、何も持たないてのひらを見つめた。
(俺、こいつに触りたくて仕方ないんだ)
ふと、その手に映える白い指先がのせられると、そこからジェイルの倦怠感が洗い流されていく。
視線を上げると、リセが自分の前に屈んでその手に触れていた。
「……ジェイルに触っても、いい?」
「もう触ってるだろ」
「あっ」
動揺したのか、リセはジェイルの手をぎゅっと掴む。
「ご、ごめんね。気持ちが先走っていて……! さっきのお願いの続き。もしジェイルが嫌じゃなければ、これからは精霊獣じゃないときも、その……触りたいの」
「どうせ倒れる。無理するな」
「してない。してないよ! 私……どうしてもジェイルに触りたくて」
「口下手にもほどがあるだろ。もう少し言い方を考えろ」
「変かな?」
「俺が誤解する。理由くらい言えよ」
「えっと……最近の私ね、ずっと一緒にいるせいかジェイルの迫力にも少しずつ慣れてきたみたいなの。だからあまり見なければ、触れていても倒れずにすみそうだから」
「俺はお前の目に毒か」
「そ、それは少し違う気がするんだけど」
(大体は同じなんだな)
「ジェイル、今日なんてクッキーしか食べてないし、私、少しでも元気になってもらいたいから、その」
(俺の体調優先で、また無理したがってるのか)
おろおろしているリセを見て、ジェイルは触れてくる愛しい指先から手を引いた。
「あっ。ダメなの?」
「ダメだな」
「だけど今日は、私のわがまま聞いてくれるって……!」
「笑えよ」
「えっ」
「笑ってくれたら、触らせてやる」
リセは表情無しで口をあんぐりと開ける。
「そ、そんな不可能な条件、ずるい!」
「そうでもないだろ。俺が精霊獣の時、お前ずっとへらへらしてるんだから」
「えっ、そうなの!?」
「わかったなら、そろそろ帰って寝ろ」
(そうだよな。精霊獣を前にしてる時みたいに笑えるようになれば、触らせても倒れない気がする。だけどいつになるんだか)
ジェイルは名残惜しい気持ちで、先ほどまでリセに触れていた指先をきつく握りしめた。
(どっかの色ボケ王子と同列なんてごめんだ。俺はもう少しまともにやるさ)
「いつまでいるんだ? 早く行けよ」
そう帰ることを促しても、リセは何か思うことがあるのか、無表情のままじっと動かない。
(なんだ。表情筋に意識を集中させてぎこちない笑顔でも作ろうとしてるのか? 相変わらず全然動いていないけど、思いつめた感じだな。大丈夫か?)
「リセ」
心配になって声をかけた途端、ジェイルは唖然とした。
リセの表情が悲しみに歪み、瞳から大粒の涙が溢れ出す。
「いいよ」
「えっ、私、まだ何も言ってないのに!」
「そうだな。言えば?」
「だけど……!」
「なんだよ、もったいぶって」
「でも、その」
明らかに狼狽しているリセに、ジェイルは笑った。
「今日は俺、お前に謝りたい気分なんだ。わがままでも言ってみろ。聞いてやる」
「いいの?」
「早くしろ。俺が気が短いの知ってるだろ」
「だ、だけど……」
「面倒だな。言わないと触るぞ」
(あ。また余計なこと言った)
ジェイルは懲りない自分に呆れる。
(でも、本音か)
ジェイルは視線を落とし、何も持たないてのひらを見つめた。
(俺、こいつに触りたくて仕方ないんだ)
ふと、その手に映える白い指先がのせられると、そこからジェイルの倦怠感が洗い流されていく。
視線を上げると、リセが自分の前に屈んでその手に触れていた。
「……ジェイルに触っても、いい?」
「もう触ってるだろ」
「あっ」
動揺したのか、リセはジェイルの手をぎゅっと掴む。
「ご、ごめんね。気持ちが先走っていて……! さっきのお願いの続き。もしジェイルが嫌じゃなければ、これからは精霊獣じゃないときも、その……触りたいの」
「どうせ倒れる。無理するな」
「してない。してないよ! 私……どうしてもジェイルに触りたくて」
「口下手にもほどがあるだろ。もう少し言い方を考えろ」
「変かな?」
「俺が誤解する。理由くらい言えよ」
「えっと……最近の私ね、ずっと一緒にいるせいかジェイルの迫力にも少しずつ慣れてきたみたいなの。だからあまり見なければ、触れていても倒れずにすみそうだから」
「俺はお前の目に毒か」
「そ、それは少し違う気がするんだけど」
(大体は同じなんだな)
「ジェイル、今日なんてクッキーしか食べてないし、私、少しでも元気になってもらいたいから、その」
(俺の体調優先で、また無理したがってるのか)
おろおろしているリセを見て、ジェイルは触れてくる愛しい指先から手を引いた。
「あっ。ダメなの?」
「ダメだな」
「だけど今日は、私のわがまま聞いてくれるって……!」
「笑えよ」
「えっ」
「笑ってくれたら、触らせてやる」
リセは表情無しで口をあんぐりと開ける。
「そ、そんな不可能な条件、ずるい!」
「そうでもないだろ。俺が精霊獣の時、お前ずっとへらへらしてるんだから」
「えっ、そうなの!?」
「わかったなら、そろそろ帰って寝ろ」
(そうだよな。精霊獣を前にしてる時みたいに笑えるようになれば、触らせても倒れない気がする。だけどいつになるんだか)
ジェイルは名残惜しい気持ちで、先ほどまでリセに触れていた指先をきつく握りしめた。
(どっかの色ボケ王子と同列なんてごめんだ。俺はもう少しまともにやるさ)
「いつまでいるんだ? 早く行けよ」
そう帰ることを促しても、リセは何か思うことがあるのか、無表情のままじっと動かない。
(なんだ。表情筋に意識を集中させてぎこちない笑顔でも作ろうとしてるのか? 相変わらず全然動いていないけど、思いつめた感じだな。大丈夫か?)
「リセ」
心配になって声をかけた途端、ジェイルは唖然とした。
リセの表情が悲しみに歪み、瞳から大粒の涙が溢れ出す。
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