神の手違いで転生先の人が生きていたので、2重人格になりました。

烏帽子 博

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第二章

留学生活

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アーノルド隊長が早馬を出したおかげで、王宮に着くと、プチーン皇帝自ら出迎えてくれた。

「ロベルト殿 またお会いしましたな。
聞きましたよ。国境で一悶着あったようで。
こちらの配慮が足りなかったようで、申し訳ない。
好きなだけ滞在してゆかれるがいい。」

「皇帝陛下、勿体無いお言葉ありがとうございます。
ジーナ姫は、まだ5歳です。見知らぬ土地で見知らぬ人に囲まれて暮らすのも何かと不安かと思っています。
ほんの数日でも、近くに居て差し上げたいと思って居ります。」

「なるほど、それも手配しよう」

ロベルトは、前回とは手のひら返しの皇帝の態度に戸惑いながらも、順調な始まりで、ホッとした。











歓迎の宴も終わり、一日おいてジーナは、騎士学院小学部に編入する予定になった。
そこは全寮制で、王族・貴族の子女はほぼ全員、その他特に優秀と認められた者が行く学校だった。

入学に際しテストが行われその結果。

「ジーナさん あたくしこの学院の学院長をつとめますシモンズ・リーガルです。
あなたのテストの結果は、当学院設立以来初の優秀なものです。
ペーパーテストは、ほぼ満点
体術、剣術は教師を圧倒し
しかも魔法適性が
全属性 優+++
インディー王国の王族とは言え凄まじいものです。
同年齢のクラスでは、もの足りなくなるでしょう。
よって、飛び級で好きなクラスを選べることとします。
15歳からの成人クラスでもいいですよ。
どうします?ジーナ・インディーさん。」

「同じ歳のお友達も作りたいけど、15歳のクラスに入れてください。」

「わかりました、ではそうしましょう。
お兄さんお姉さんの中でがんばるのよ」







「今日から、インディー王国の姫 ジーナ・インディーさんが、あなた達と共に学ぶことになります。」


教室内がざわざわする。
「なんだ?こんなオシメしてそうなガキが」
「お人形遊びのつもりの間違いじゃないの」
「視察して帰るんだろ」
「可愛いじゃない、マスコット向きね」

「はい、はい。
静かにしなさい。
ジーナさん、自己紹介をおねがいします。」

「始めまして、ジーナです」

ジーナは、ウオーターボールを作り目の前に浮かべた。

「ウォー」「ほ~~ぉ」

「今日から皆さんと共に学ぶことになりました。」

ウオーターボールの下にファイアーボールを作った。
ウオーターボールは、グツグツと沸騰し水蒸気になり雲が教室内に現れる。

「へ~~え」「やるじゃん」

「魔法は結構得意です」

雲が雷を落しては、ビカビカ光る

「キャー」「やめろ~」

「属性は全属性を持ってます」

雷雲が消えて、床から泥人形が二体現れダンスを始める

何処からかまた雲が現れ、人形が雲に乗って教室内を飛び回る。

「楽しんでいただけましたか?
屋外でしたら、もう少し、派手なこともできるんですけど。
身体能力は、普通の5歳児ですが、身体強化と剣系のスキルが有ります。」

そう言ってジーナが『剣気』を放つと、教室の半分位の学生が気絶した。

「ジーナさん ジーナさん ストップ
止めて下さい。
自己紹介は、その辺で結構です。」

学院長のシモンズが汗を拭きながら、止めに入った。

「学生の皆さん。見ての通りジーナさんは類い稀な能力をお持ちです。
将来は、大賢者ともなろうってお方です。
ジーナさんと共に学べることをチャンスと捉えて、皆さんも勉学に励んでください。」

シモンズ学院長が、教室を後にした。

「担任のエロイカ・セブンです。
ジーナさんは後ろの方のテイル・パンサーさんの隣の席について下さい。
ちなみに、寮もテイルと同室よ、仲良くね
テイル、手を上げて」

テイルは獣人の女性だった
パンサーの名の如く、ヒョウペースの獣人のようだ?



「ジーナちゃん 同室のテイルちゃんとは、仲良くやれそうかな?」
頭の中でユウトが話し掛けてきた。

「わかんない」

「あのね。ジーナ
ジーナは、ぼくが君の中に入った時から、魔法とか知識とか色んなことができるようになったよね。」

「うん それは知ってる」

「でもね。普通の人は、そんなに色んなことができるわけじゃないんだ」

「うん」

「だからね、羨ましがられたり、怖がられたり、嫌われたりすることもあるんだ」

「ジーナまた いじめられるの?タネンたちみたいに」

「そうならないように、みんなと仲良くしないとね。
なるべく力は出し過ぎない方がいいよ。出来れば隠すくらいにね。」

「どのくらいならいいの」

「そうだな、周りの人よりちょっと強い程度にしたらいいと思うよ」

「ふう~ん わかった」





授業は特に難しくもなくほぼ知ってることばかりなので、周りの人間観察をして過ごした。

午後になり、体術の訓練が
始まった。
目に魔力を集めて観察してみると、みな身体強化の魔法を使っているのがわかった。
それぞれ、こめる魔力の量が違って、実力もそれに比例しているようだ。

一人目立って強い男の人がいた。
彼を見ていると、身体強化を強めたり弱めたり、魔力を部分的に集めたりと器用に使っているのがわかった。

「あの人と組手がしたい」

その人を指さして、指名した。

「えっ!ユリウス王子と!」

「おい おい あの子ユリウス王子に挑戦したぞ!」

「マジか!身の程知らずだなぁ。まぁ王子なら手加減するだろうな。
相手になるわけないよな」

面白がって周りに生徒が集まってくる。


あの人王子なんだ。
ユウトお兄さん あの人よりちょっと強い程度にしたらいいのよね。

ユリウスのパンチもキックもことごとくジーナはかわした。
出足を払って転ばせたり、腕を、取って投げ飛ばした。

「まだ降参しない?大丈夫?」


「まだだ、ぼくはまだやれるぞ。」
ユリウスはゼーハー息をしている。


「じゃあ、行きます。」

ジーナは、一瞬でユリウスのふところに飛び込みボディーブローを放った。

まともにパンチを食らったユリウスは前のめりになった。
ガラ空きの首筋にジーナの手刀が決まり、ユリウスは倒れた。

あたりがざわざわして、エロイカ先生が割ってやって来た。

「ごめんなさい。今すぐ回復かけます。」

「ジーナさん、あなた回復も出来るの?」

その時、ユリウスが起き上がった。

「ジーナさん 強いなぁ。完敗だよ。手も足も出なかった。
ぼくも、体術は自信が合ったんだけどなぁ~
特にボディーブローの時の動きは、見えなかった。
次の剣術でもよろしくね」

剣術の時間には、ジーナに挑んで来るのは、ユリウスしかいなかった。

「ユリウス もっと力を抜いて。
私を力で押し込もうとすると」

ジーナが受け流すと、ユリウスはバランスを失った

「ほら、こうなる。
力よりも、剣速を上げて、手数を増やす方が良いわよ。」

ジーナの連撃がユリウスを攻める。
防戦一方でユリウスはジリジリと後退する。

「もう少し速くしようかな」

「えっ ま 参りました
これよりもっと速くジーナは剣を振れるの?」

「そうよ。でも秘密なの」

「秘密?なんで?」

「強すぎると嫌われるって聞いたの。
今だって、ユリウス以外私の所に来ないし」

「そうだな。ジーナが来るまで、ぼくの所も組手は、みんな来たがらなかったよ。」

「そうなの?もしかして、もう私やりすぎてたの?」

「う~ん そうなるかなぁ。でも、大丈夫だよ。」

「なんで?」

「ぼくがジーナの友達になるからさ。
いいだろ。隣の国のお姫様」

「友達 なってくれるの?」

「ああ もちろんだよ。
ぼくとジーナはもう友達さ。」

「嬉しい」



だが、そんなジーナは、同時に多くの女子から敵視される存在となった。
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