さまよう魂からの異世界転生

烏帽子 博

文字の大きさ
7 / 16
第一章

笑ってへ〜許してへ〜

しおりを挟む
西部劇の酒場の入口のような両開き戸を押し開いて室内に入ると、丸テーブルがいくつもあり、まだ昼間だと言うのに酒を呑んでるグループもいる。
その脇を進んで行くとお約束が待っていた。

「メラルー  今日は、どうしたんだい、男連れなんて。
そんな奴じゃあなくて、ぼくとパーティー組もうよ」

(メラルー?エスメラルダ、君のことかな?)
エディは、男を刺激しないようにテレパスをつかった。

(皆が、かってに私に付けたあだ名よ)

(エスメラルダって長いからその方が呼びやすいんだね。ぼくもメラルーって呼んでいいかい)

(嫌よ)

(じゃあエスメは)

(それもいや)

(ん~~スメル)

(イカ臭いみたいで嫌)

(じゃ、エラダ)

(ダメダメね。メラルーでいいわ)

「メラルー、なんだよー。ぼくが話しかけてるのにそんな奴と見つめ合ってさ
こいつ何なのさ」

「彼は私のパートナーのエディよ。あなたとはパーティー組まないから。うざったいからもう寄って来ないでよ」

「メラルー、目を覚ますんだ。きっと君はこの男に騙されてるんだよ。
おいお前、メラルーに何をした。
あんなことやそんなことをしたのか。
それで服従させたんだろう。
許せんな。」

男がエディに掴みかかってきた。
両手でエディの胸元を掴んでねじ上げようとする。
エディは両手を広げている。

「ぼくの方が服従しているんだが、エスメラルダが主人でぼくが眷属だぞ」

「うそをつけ、ぼくまで騙そうってのか。
この場で成敗してやる」

男が掴んだ手を離して、殴ろうとしてきたので、エディは、逆に男を抱き寄せた。

男はジタバタしながら叫んだ

「離せ。やめろ。ぼくはそう言う趣味はない。
お前両刀使いだな。」

「ぼくだって男に興味は無いよ。
殴りかかったりしないって約束してくれたら、離してもいいよ。
あと、君、口臭いよ。虫歯だね。
サービスで治しておくね。」

男は、エディの腕の中でしばらくもがいたが
「分かったよ、殴らないから、離せ」

エディが男を離すと、男は2歩下がってから
「馬鹿め、お前の言う通りにすると思ったか」

男は再び殴りかかってきた。
エディは、その腕を掴んで一本背負いで投げ飛ばした。
ガッシャーン
男は、床に叩きつけられてのびてしまった。

「背負投げ~~」

その声を聞いて目をやると、がたいのデカイ女装のマッチョがこっちを見ている。

「あれっ、イッコーママさん?」

「違うわよ、アタシは、アッコー
ここのギルマスよ。宜しくね。
あとイッコーは、アタシの妹よ」

「弟でしょ」

「ユー、殺されたいの。アタシもイッコーも心は女なのよ。
今回だけは、許してあげるけど、次は無いわよ。」

「ごめんなさい。気をつけます。」

「それで、ユーは何しに冒険者ギルドにきたの」

「ぼくは、エディです。冒険者になりたいと思ってます。それで、エスメラルダに連れてきてもらいました。」

「へぇ~メラルーとは、できてるのかしら。
ユー私のタイプよ。私といいことしない。」

「エスメラルダは、ぼくの恋人です。
他の女性には、興味無いです」

「あら残念。
でもいいわ。冒険者登録は、アタシがやってあげるわね。」

アッコーはそう言うとエディの手を引いて奥の部屋に導いた。
エスメラルダが、一緒に行こうとすると「メラルーちゃんは、こっちで待っててね。
アッコーにお任せしてね」
と拒絶された。

(エディ、もし変な事されそうになったら、テレパスで私に言うのよ)

(了解、もしもの時はよろしく)

ちょっと心配そうなエスメラルダに見送られて、ギルマスのアッコーと別室に入った。

「エディちゃんは、読み書きはできるのかしら」

「ええ、まぁ一応できます」

「じゃあ、これを読んでね」
アッコーは、小さなハンドブックを渡してきた。

ハンドブックは、「冒険者とは」のタイトルで、ランクのことなどの冒険者の決まり事が書かれていた。

「読み終わりました」

エディがそう告げると、今度は、1枚の用紙を渡された。
「冒険者登録申請書」と書いてあり、名前等を記入する。
主な住所は、ホテルビッグママと書いた。

後ろから覗きこむアッコーが
「へぇ~イッコーの所に居るんだ。
言い寄って来るでしょ」

「ええ、まぁ。でもエスメラルダと一緒の部屋なので、心配無いと思っています。」

「ふぅ~ん」

アッコーは、エディの背中をひと撫でしてから、自分の席に戻り、引出しからDと書かれたカードとFと書かれたカードの2枚を出した。

「さっきエディちゃんが背負投げかました人は、Cランクなの、そんな人を軽くあしらったエディちゃんは、実力的にはBランク位だと思うわ。
だけど、新人はFからスタートって決まりが有るのよ。」

「ええそれは、さっき読んだハンドブックにもそう書いて有りました。」

「でもね。特例として、ギルマスの裁量で上位ランクからスタートさせることもできるのよ」

「ぼくは、ギルマスの裁量でDランクスタートできるんですか」

「それには条件が有るわ」

「条件ですか」

アッコーは、席を立ってエディのそばにきて耳打ちをした。

「ゴニョゴニョ、ペロリ」

エディは、耳を舐められて、ぞくっとして、飛び退いた。

「条件は、飲めません。Fランクでお願いします。」

アッコーは舌なめずりをしてから
「笑って許して、冗談よ、このカードに魔力を注入しなさい」

そう言うとDランクのカードをエディに渡した。
エディがカードに魔力をこめると、カードが一瞬光った。

「それでいいわ。もう行ってもいいわよ。
あと、アタシはいつでもいいからね。待ってるわ。」

ギルドのホールに戻るとすぐに、エスメラルダが駆け寄った。
「大丈夫だった。変な事されなかった。」

「ちょっと軽いセクハラが有った程度で、問題無いよ。それよりほら」

エディはDランクのカードを見せた

「えっ何で新人がDなの」

「さっき絡んできた人がCランクなんだって、だからDランクスタートでいいって。ギルマス裁量だそうだ。」

「へぇ~なんだかずるいなぁー
私なんかDランクになるのに2年かかったのよ」

「これも、エスメラルダのお陰だよ」

「えっ何で」

「エスメラルダのお陰で、ぼくは、さまよう魂から、スケルトンになって、アイスランスとか使える用になって、オッコトボア倒せて、経験値もいっぱい入って、強くなって、人の体になれたんだよ。」

「感謝してくれるのは、嬉しいわ。
まぁいずれエディは、私よりどんどん強くなって行くんでしょうから、Dランクスタートは、私も、喜ぶべきなんでしょうね。
冒険者デビューおめでとうエディ。」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜

2nd kanta
ファンタジー
 愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。  人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。 そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。 しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...