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第一章
恋の応援
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マオとタマラがテントに入ってしばらくすると、一瞬だけマオの魔力がふくらんで、消えた。
テントの入口を開けると
ー ジンさん、寝込みを覗くんですか?
私なら、いつでもいいですよ。ー
手招きをしているアイシャを無視して、中をチェックしようとすると、結界に阻まれた。
なるほど、これで魔力が漏れ出さないんだな。
安心して、元に居た位置に戻った。
ー ジンさん 私に見られたから止めたんですか?ー
ー アイシャ、僕はあの二人を保護する立場にあって、僕があの子らを襲うはずがないだろ。
それと、最初にも言ったけど、君を抱く気もないから ー
ー それじゃ、何しにテントに行ったんですか?ー
ー 君は、マオの魔力が一瞬膨らんだのを感じなかったかい?ー
ー えっ? 何も感じませんでしたけど ー
ー まだまだ修行がいるな。
魔力を感じたから、マオの様子を確認しにテントにいったんだ。ー
ー それでどうだったんですか?ー
ー 結界が張られていて、魔力は漏れ出ていない ー
ー ヘェ~ 凄いですね ー
ー アイシャ 悪いがちょっと黙って見張りしててくれ
他の人と話があるから ー
僕は念話でマリアに呼びかけた
ー マリア ジンです。ー
ー ジン!どうしたの?ついさっきマオから念話がきて色々聞いたわよ。ー
ー マオとタマラの二人がテントで寝てるんだけど、テントの中に結界が張られているんだ。
マオは家ではどうだったのかな?ー
ー あ~ それ ジンに言ってなかったわね。家でも同じよ。
寝るとマオの部屋に結界が張られて、起きるまで他の人は入れないのよ ー
ー 外から起こすことは出来るのかな ー
ー 外の音は聞こえるみたい、だから声掛ければ、おきるわよー
ー タマラが一緒にテントの中なんだけど、タマラは外に出られるのかな?ー
ー マオを起こさないと、結界の外には出られないわ ー
ー マオの魔力のことで、他に何か思い出す事があったら、教えて下さい。ー
ー わかったわ。今は特に無いかな それじゃまたね ー
ー アイシャ 僕も結界張って寝るから、君もすきに寝ていいよ、お休み ー
これで一つ心配事が減った。
マオやタマラが無意識下で魔力の抑えがはずれ、魔力の暴発がおこらないかと心配していたのだ。
寝ぼけて、つい村を瓦礫の山にした とかなったら、シャレにならない。
この分なら、近いうちに宿に泊まれるだろう。ジンはフワフワのベッドを思い浮かべ眠りについた。
翌日
ー ジンさん おはようございます。わたし待ってたんですよ~。それなのにちっともジンさん来てくれないんですもの。
もう、全然眠れなくて ー
アイシャは目の下にクマを作っている。
まぁタヌキだから、どこまで本当かは不明だが。
ー アイシャ、子どもたちに声掛けて起こして。ー
朝食を簡単に済ませて、旅を進める。
昨日同様のスピードで進んで行くと
ー ジンさん、私もう無理です、こんなスピードで走り続けるのは。ー
アイシャが弱音を吐いている
ー 走るのが辛いなら、鳥に変身して、飛べば?ー
ー 羽ばたかないと飛べないじゃないですか。どっちにしろ、このスピードは無理ですよ。ー
ー 仕方ないなぁ。ポケットに入れる位小さくなれる?ー
ー はい。なれます ー
ボン アイシャは妖精みたいに、背中に羽がある小人になった。
マオとタマラがそれを見て直ぐ反応した。
ー 可愛い、これアイシャなの?ー
ー わー 可愛い。ー
ー 最初はマオのポケットに入れてもらいなよ。
マオは、少しづつ魔力をアイシャに分けてあげながら走ること。ー
ー マオ、いいなぁーー。私もポッケにアイシャ入れたい。ー
ー 後で、交代するから今は我慢してね ー
ー は~い ー
アイシャが一緒に走ってた時よりペースを上げられたので、馬車で3日の距離を半日で進んだ。
それも、魔力を身体強化 特に足腰に掛けることにマオとタマラが慣れてきたからだろう。
その村についたのがちょうど昼頃で、マオのポケットで寝ているアイシャを起こして、通常サイズに戻らせてから、四人で食堂に向かった。
食事をしていると、周りから視線をやけに感じる。
すると早速からんでくる男がいた。
「あんちゃん、女三人連れか?いいご身分だなぁ
ちょっとこのネエチャン借りてもいいか?」
男は身長2メートル以上あるような大男で筋肉を誇るようにタンクトップ姿で、腰には大剣を下げている。
「あなたに貸したら、何かいい事がありますか?」
「ああ お前は殴られずに済む。このネエチャンは気持ちよくなれる。
お得だろ」
「アイシャ どうする」
「えー こわ~い。どうするって、助けてくれないんですかぁ?
う~ん でもジンさんの命令ならいきますけど」
「そうだなぁ~アイシャは行きたくないみたいだから、ちょっと趣向を変えませんか?
お兄さん、腕に自信が有るようですが、腕相撲は強い方ですか?」
「もちろんだ、お前の首の骨をへし折るのなんか簡単だ!」
予想通り 筋肉バカだ
パワー勝負を持ち掛ければ、絶対乗ってくるな
「そうですか。それでは、アイシャ以外の僕たち三人の中の誰を選らんでもいいので、腕相撲勝負をしましょう。」
「あなたが勝てば、アイシャを2時間お貸しします。
負けたら、ここで僕らが食べた食事をおごって下さい」
「お前本気で言ってるのか?
俺がお前やこんな小娘に負けるわけないだろう。
本当にそんな勝負で良いんだな。」
「いいですよ。
あと 一応言っときますが、僕らは魔法使いですよ。
オークキング位のパワーは軽く出せます。」
「テメエでまかせ言って、ビビらせようってんだな。
そうはいくか。
お前のウソなんか、お見通しだ。
そっちのネエチャンと勝負だ」
※※※※※※※※
食堂の中はふって湧いたようなイベントで、一気にドンちゃん騒ぎだ。
とうの賭けの対象のアイシャは、胴元になって観衆を煽っている。
「さあ今なら、マッチョ対美少女オッズは8対1だよ。
美少女に賭けたらでかいよ~
魔法少女だよ~
マッチョが勝ったら、私の操はヤバイよ~
みんなドンドン賭けてね~」
「はい、ここで賭けは締め切るよ。
さぁ待望の試合開始と行くわよ」
なぜアイシャ お前が仕切る?
「はい!それじゃ 両者 礼!
互いに右手を組んで。
手首は返さない。リーチが違うなぁ。手のデカさも。
はい、そこでストップ。
静止して。お互い文句無いね、それじゃいくよ~ GO!」
中央で組み合ったまま、少し手首がかえった程度で拮抗している。
「フン! フン!」
大男は反動をつけるように、力を込めているようだ。
「筋肉野郎頑張れ!お前に千ゴールド賭けてるんだ!」
「観客はそれ以上近寄らないで、選手に触れたら駄目だよ!」
みるみる大男の顔が紅くなり、額から汗が出てくる。
「そんなもので、限界?」
マオが口を開いた
「なにお~」
男が叫ぶと、ボキっとやな音がして男の手の甲が、テーブルについた。
マオが男から手を放すと、その手をアイシャが掴み上げた
「勝者 美少女魔法使い マオ!」
観客の多くからため息が漏れ、男に賭けた客たちが投げ捨てた掛札が紙吹雪のようだ
ジンが男の元に行き
「今 治すからじっとしてろ!」
「痛え 痛えよ~」
男は情けない声を出してる。
「治療代はまけとくけど、賭けの約束は果たせよ!」
こうして私たちは、タダ飯の上に、収入も得た。
ー さぁ、飯も食べたし次の村まで行くぞ!
タヌ子は今度はタマラのポケットな。
今日は宿屋に泊まろう ー
ー タヌ子! アイシャって呼んて下さいよ~ ひど~いジンさん ー
走り出してしばらくすると、タマラが
ー ジン わたしマオに追いつけるかなぁ ー
ー マオは、タマラを目標にがんばって来たんだと思うよ。だから、自信持って。
それとこれからは、タマラが得意なことを伸ばせばいいんだよ。
これまでだって、敵や獲物を最初に見つけたのはタマラだろ。
タマラの良いところはたくさんあるし、マオと同じになる必要はないよ。
マオとタマラの得意なことは、違ってていいんだよ。
これからも、マオと仲のいい友達でいながら才能を伸ばせばいいと思うよ。ー
タマラも成長したからだろう。
これまで以上に、相手の魔力や強さを探る力を身に着けたことで、マオの強さに気づいて、気にしてるんだろう。
ー マオ タマよ 聞こえる ー
ー うん聞こえるよ 何?ー
ー あのさー アイシャが私のポケットの中で、泣いてるの これってさっきジンがタヌ子って言ったからかな?ー
ー ジンはアイシャには優しくないわよね。私たちには優しいけど。アイシャはジンのこと好きみたいよね。自分から望んでの眷属だし ー
ー そうよね。ジンだって本当に嫌なら眷属にしないはずよ。
私たちでアイシャのこと応援しない。ー
ー いいわよ。で、どうする?ー
ー アイシャに声かけようよ ー
ー そうだね ー
ー アイシャ!
タマラよ
マオよ
ジンは抜きで、三人で話さない?ー
ー なんでしょうか?ー
ー アイシャと私たち友だちよね ー
ー 友だちになってくれるんですか?
私は、ただの おしかけダヌキ
なのに ー
ー アイシャは、もうタヌキじゃないでしょ、私の魔力で進化して獣人になったでしょ。ー
ー そうよ、わたしと同じ獣人。それで今はわたしの、ポケットで、わたしが魔力を分けている。ー
ー ありがとうございます。マオさん タマラさん ー
ー ねぇ もう友だちになったんだから、私のことマオマオって呼んでよ ー
ー 私のことは タマ ってよんでね ー
ー わたしは う~んと ー
ー アイボンは? アイシャは変身するときに、ボンってなるよね、だからアイボン。
嫌じゃなかったらどうかな?ー
ー 嫌じゃないですけど、元タヌキ的には、ボンよりポンの方が………ー
ー そっかぁ そしたら そうね ポン子 いいえ ポコ はどうかな ー
ー マオマオ それ可愛い気がします。私ポコがいいです ー
ー それじゃ、さっそくポコ、ジンにもそう呼んでもらおうよ ー
ー えっ! それはちょっと ー
ー ジンと繋いで4者念話にするわよ ー
ー ジン!ねぇ聞いてくれる。 あのさー みんなの呼び方変えてくれる?ー
ー えっ急になに?ー
ー だから、わたしはタマラをタマって呼ぶでしょ。
タマラは私のことマオマオって呼んでるでしょ。
ジンも同じようにして欲しいのよ ー
ー ふ~ん マオマオ 別に構わないよ。タマもいいんだろ。ー
ー はい、タマって呼んでくれた方が、親しく感じるわ ー
ー それでね、私たちアイシャのこと、ポコって呼ぶことにしたの。だからジンもそうしてね ー
ー ポコ ふ~ん悪くないね ー
ー ポコです。
ジンさん わたしマオマオとタマにつけてもらったポコって呼び名 好きです。
タヌ子は嫌いです ー
ー あっ それ引きずってたか。ゴメン。
わかった ポコ これからそう呼ぶから
そしたら、俺のことも ジンさん じゃなくて ジン って呼び捨てにしてくれ ー
ー わたしは、ジンさんの眷属です。ご主人様を呼び捨てには、できません。ー
ー そうか。それじゃあ、眷属契約止めて、仲間になろうか。
そもそも アイシャを眷属にした訳は、魔力の少なかったアイシャが、魔力の多い僕らと一緒にいる為には魔力の底上げが必要だったからで、今のポコなら眷属止めても魔力的には耐えられると思うんだ ー
ジンはそう言うと、魔法陣を書き始めた。
ー ジンさん、わたし眷属のままでいいです。ジンさんのものでいたいです。ー
ー ポコは、誰のものでもないポコだよ。僕はポコを縛りつけたくない。ポコは物じゃなくて人だから。
眷属って、相手の自由を奪って自分の所有物にするわけだろ。
僕はそうゆう形は、好きになれないんだ。
ポコの気持ちは嬉しいけど、ここは僕の思うようにさせてくれよ ー
ー わたしのことを捨てたりしませんか?ー
ー 眷属じゃなくて、仲間になろうって言ったけど ー
ポコは魔法陣を書き終えたジンに泣きながら抱き着いた。
「ちょ ちょっと離れてよ、こんなにくっつかなくても」
「嫌よ!だって眷属じゃなくなるんだもん。命令きかな~い」
ポコは抱きつくのを止めて、ジンの腕に絡みついて、頭をジンの肩に乗せている
二人は魔法陣の上で、一瞬光った。
ー ポコ 今度は僕のポケットに入って ー
ー いいわよ ジン ー
テントの入口を開けると
ー ジンさん、寝込みを覗くんですか?
私なら、いつでもいいですよ。ー
手招きをしているアイシャを無視して、中をチェックしようとすると、結界に阻まれた。
なるほど、これで魔力が漏れ出さないんだな。
安心して、元に居た位置に戻った。
ー ジンさん 私に見られたから止めたんですか?ー
ー アイシャ、僕はあの二人を保護する立場にあって、僕があの子らを襲うはずがないだろ。
それと、最初にも言ったけど、君を抱く気もないから ー
ー それじゃ、何しにテントに行ったんですか?ー
ー 君は、マオの魔力が一瞬膨らんだのを感じなかったかい?ー
ー えっ? 何も感じませんでしたけど ー
ー まだまだ修行がいるな。
魔力を感じたから、マオの様子を確認しにテントにいったんだ。ー
ー それでどうだったんですか?ー
ー 結界が張られていて、魔力は漏れ出ていない ー
ー ヘェ~ 凄いですね ー
ー アイシャ 悪いがちょっと黙って見張りしててくれ
他の人と話があるから ー
僕は念話でマリアに呼びかけた
ー マリア ジンです。ー
ー ジン!どうしたの?ついさっきマオから念話がきて色々聞いたわよ。ー
ー マオとタマラの二人がテントで寝てるんだけど、テントの中に結界が張られているんだ。
マオは家ではどうだったのかな?ー
ー あ~ それ ジンに言ってなかったわね。家でも同じよ。
寝るとマオの部屋に結界が張られて、起きるまで他の人は入れないのよ ー
ー 外から起こすことは出来るのかな ー
ー 外の音は聞こえるみたい、だから声掛ければ、おきるわよー
ー タマラが一緒にテントの中なんだけど、タマラは外に出られるのかな?ー
ー マオを起こさないと、結界の外には出られないわ ー
ー マオの魔力のことで、他に何か思い出す事があったら、教えて下さい。ー
ー わかったわ。今は特に無いかな それじゃまたね ー
ー アイシャ 僕も結界張って寝るから、君もすきに寝ていいよ、お休み ー
これで一つ心配事が減った。
マオやタマラが無意識下で魔力の抑えがはずれ、魔力の暴発がおこらないかと心配していたのだ。
寝ぼけて、つい村を瓦礫の山にした とかなったら、シャレにならない。
この分なら、近いうちに宿に泊まれるだろう。ジンはフワフワのベッドを思い浮かべ眠りについた。
翌日
ー ジンさん おはようございます。わたし待ってたんですよ~。それなのにちっともジンさん来てくれないんですもの。
もう、全然眠れなくて ー
アイシャは目の下にクマを作っている。
まぁタヌキだから、どこまで本当かは不明だが。
ー アイシャ、子どもたちに声掛けて起こして。ー
朝食を簡単に済ませて、旅を進める。
昨日同様のスピードで進んで行くと
ー ジンさん、私もう無理です、こんなスピードで走り続けるのは。ー
アイシャが弱音を吐いている
ー 走るのが辛いなら、鳥に変身して、飛べば?ー
ー 羽ばたかないと飛べないじゃないですか。どっちにしろ、このスピードは無理ですよ。ー
ー 仕方ないなぁ。ポケットに入れる位小さくなれる?ー
ー はい。なれます ー
ボン アイシャは妖精みたいに、背中に羽がある小人になった。
マオとタマラがそれを見て直ぐ反応した。
ー 可愛い、これアイシャなの?ー
ー わー 可愛い。ー
ー 最初はマオのポケットに入れてもらいなよ。
マオは、少しづつ魔力をアイシャに分けてあげながら走ること。ー
ー マオ、いいなぁーー。私もポッケにアイシャ入れたい。ー
ー 後で、交代するから今は我慢してね ー
ー は~い ー
アイシャが一緒に走ってた時よりペースを上げられたので、馬車で3日の距離を半日で進んだ。
それも、魔力を身体強化 特に足腰に掛けることにマオとタマラが慣れてきたからだろう。
その村についたのがちょうど昼頃で、マオのポケットで寝ているアイシャを起こして、通常サイズに戻らせてから、四人で食堂に向かった。
食事をしていると、周りから視線をやけに感じる。
すると早速からんでくる男がいた。
「あんちゃん、女三人連れか?いいご身分だなぁ
ちょっとこのネエチャン借りてもいいか?」
男は身長2メートル以上あるような大男で筋肉を誇るようにタンクトップ姿で、腰には大剣を下げている。
「あなたに貸したら、何かいい事がありますか?」
「ああ お前は殴られずに済む。このネエチャンは気持ちよくなれる。
お得だろ」
「アイシャ どうする」
「えー こわ~い。どうするって、助けてくれないんですかぁ?
う~ん でもジンさんの命令ならいきますけど」
「そうだなぁ~アイシャは行きたくないみたいだから、ちょっと趣向を変えませんか?
お兄さん、腕に自信が有るようですが、腕相撲は強い方ですか?」
「もちろんだ、お前の首の骨をへし折るのなんか簡単だ!」
予想通り 筋肉バカだ
パワー勝負を持ち掛ければ、絶対乗ってくるな
「そうですか。それでは、アイシャ以外の僕たち三人の中の誰を選らんでもいいので、腕相撲勝負をしましょう。」
「あなたが勝てば、アイシャを2時間お貸しします。
負けたら、ここで僕らが食べた食事をおごって下さい」
「お前本気で言ってるのか?
俺がお前やこんな小娘に負けるわけないだろう。
本当にそんな勝負で良いんだな。」
「いいですよ。
あと 一応言っときますが、僕らは魔法使いですよ。
オークキング位のパワーは軽く出せます。」
「テメエでまかせ言って、ビビらせようってんだな。
そうはいくか。
お前のウソなんか、お見通しだ。
そっちのネエチャンと勝負だ」
※※※※※※※※
食堂の中はふって湧いたようなイベントで、一気にドンちゃん騒ぎだ。
とうの賭けの対象のアイシャは、胴元になって観衆を煽っている。
「さあ今なら、マッチョ対美少女オッズは8対1だよ。
美少女に賭けたらでかいよ~
魔法少女だよ~
マッチョが勝ったら、私の操はヤバイよ~
みんなドンドン賭けてね~」
「はい、ここで賭けは締め切るよ。
さぁ待望の試合開始と行くわよ」
なぜアイシャ お前が仕切る?
「はい!それじゃ 両者 礼!
互いに右手を組んで。
手首は返さない。リーチが違うなぁ。手のデカさも。
はい、そこでストップ。
静止して。お互い文句無いね、それじゃいくよ~ GO!」
中央で組み合ったまま、少し手首がかえった程度で拮抗している。
「フン! フン!」
大男は反動をつけるように、力を込めているようだ。
「筋肉野郎頑張れ!お前に千ゴールド賭けてるんだ!」
「観客はそれ以上近寄らないで、選手に触れたら駄目だよ!」
みるみる大男の顔が紅くなり、額から汗が出てくる。
「そんなもので、限界?」
マオが口を開いた
「なにお~」
男が叫ぶと、ボキっとやな音がして男の手の甲が、テーブルについた。
マオが男から手を放すと、その手をアイシャが掴み上げた
「勝者 美少女魔法使い マオ!」
観客の多くからため息が漏れ、男に賭けた客たちが投げ捨てた掛札が紙吹雪のようだ
ジンが男の元に行き
「今 治すからじっとしてろ!」
「痛え 痛えよ~」
男は情けない声を出してる。
「治療代はまけとくけど、賭けの約束は果たせよ!」
こうして私たちは、タダ飯の上に、収入も得た。
ー さぁ、飯も食べたし次の村まで行くぞ!
タヌ子は今度はタマラのポケットな。
今日は宿屋に泊まろう ー
ー タヌ子! アイシャって呼んて下さいよ~ ひど~いジンさん ー
走り出してしばらくすると、タマラが
ー ジン わたしマオに追いつけるかなぁ ー
ー マオは、タマラを目標にがんばって来たんだと思うよ。だから、自信持って。
それとこれからは、タマラが得意なことを伸ばせばいいんだよ。
これまでだって、敵や獲物を最初に見つけたのはタマラだろ。
タマラの良いところはたくさんあるし、マオと同じになる必要はないよ。
マオとタマラの得意なことは、違ってていいんだよ。
これからも、マオと仲のいい友達でいながら才能を伸ばせばいいと思うよ。ー
タマラも成長したからだろう。
これまで以上に、相手の魔力や強さを探る力を身に着けたことで、マオの強さに気づいて、気にしてるんだろう。
ー マオ タマよ 聞こえる ー
ー うん聞こえるよ 何?ー
ー あのさー アイシャが私のポケットの中で、泣いてるの これってさっきジンがタヌ子って言ったからかな?ー
ー ジンはアイシャには優しくないわよね。私たちには優しいけど。アイシャはジンのこと好きみたいよね。自分から望んでの眷属だし ー
ー そうよね。ジンだって本当に嫌なら眷属にしないはずよ。
私たちでアイシャのこと応援しない。ー
ー いいわよ。で、どうする?ー
ー アイシャに声かけようよ ー
ー そうだね ー
ー アイシャ!
タマラよ
マオよ
ジンは抜きで、三人で話さない?ー
ー なんでしょうか?ー
ー アイシャと私たち友だちよね ー
ー 友だちになってくれるんですか?
私は、ただの おしかけダヌキ
なのに ー
ー アイシャは、もうタヌキじゃないでしょ、私の魔力で進化して獣人になったでしょ。ー
ー そうよ、わたしと同じ獣人。それで今はわたしの、ポケットで、わたしが魔力を分けている。ー
ー ありがとうございます。マオさん タマラさん ー
ー ねぇ もう友だちになったんだから、私のことマオマオって呼んでよ ー
ー 私のことは タマ ってよんでね ー
ー わたしは う~んと ー
ー アイボンは? アイシャは変身するときに、ボンってなるよね、だからアイボン。
嫌じゃなかったらどうかな?ー
ー 嫌じゃないですけど、元タヌキ的には、ボンよりポンの方が………ー
ー そっかぁ そしたら そうね ポン子 いいえ ポコ はどうかな ー
ー マオマオ それ可愛い気がします。私ポコがいいです ー
ー それじゃ、さっそくポコ、ジンにもそう呼んでもらおうよ ー
ー えっ! それはちょっと ー
ー ジンと繋いで4者念話にするわよ ー
ー ジン!ねぇ聞いてくれる。 あのさー みんなの呼び方変えてくれる?ー
ー えっ急になに?ー
ー だから、わたしはタマラをタマって呼ぶでしょ。
タマラは私のことマオマオって呼んでるでしょ。
ジンも同じようにして欲しいのよ ー
ー ふ~ん マオマオ 別に構わないよ。タマもいいんだろ。ー
ー はい、タマって呼んでくれた方が、親しく感じるわ ー
ー それでね、私たちアイシャのこと、ポコって呼ぶことにしたの。だからジンもそうしてね ー
ー ポコ ふ~ん悪くないね ー
ー ポコです。
ジンさん わたしマオマオとタマにつけてもらったポコって呼び名 好きです。
タヌ子は嫌いです ー
ー あっ それ引きずってたか。ゴメン。
わかった ポコ これからそう呼ぶから
そしたら、俺のことも ジンさん じゃなくて ジン って呼び捨てにしてくれ ー
ー わたしは、ジンさんの眷属です。ご主人様を呼び捨てには、できません。ー
ー そうか。それじゃあ、眷属契約止めて、仲間になろうか。
そもそも アイシャを眷属にした訳は、魔力の少なかったアイシャが、魔力の多い僕らと一緒にいる為には魔力の底上げが必要だったからで、今のポコなら眷属止めても魔力的には耐えられると思うんだ ー
ジンはそう言うと、魔法陣を書き始めた。
ー ジンさん、わたし眷属のままでいいです。ジンさんのものでいたいです。ー
ー ポコは、誰のものでもないポコだよ。僕はポコを縛りつけたくない。ポコは物じゃなくて人だから。
眷属って、相手の自由を奪って自分の所有物にするわけだろ。
僕はそうゆう形は、好きになれないんだ。
ポコの気持ちは嬉しいけど、ここは僕の思うようにさせてくれよ ー
ー わたしのことを捨てたりしませんか?ー
ー 眷属じゃなくて、仲間になろうって言ったけど ー
ポコは魔法陣を書き終えたジンに泣きながら抱き着いた。
「ちょ ちょっと離れてよ、こんなにくっつかなくても」
「嫌よ!だって眷属じゃなくなるんだもん。命令きかな~い」
ポコは抱きつくのを止めて、ジンの腕に絡みついて、頭をジンの肩に乗せている
二人は魔法陣の上で、一瞬光った。
ー ポコ 今度は僕のポケットに入って ー
ー いいわよ ジン ー
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基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
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