二度目の人生は魔法使い

烏帽子 博

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伯爵令嬢

政略結婚

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前世で、お婆ちゃんが生きてた頃

「お婆ちゃんは、どうしてお爺ちゃんと結婚したの」

「それはね、お婆ちゃんのお父さんとお爺ちゃんのお父さんが相談して決めたのよ」
って話を思いだした。

「ホントはね、その時お婆ちゃんは好きな人がいたの
近所の2つ年上のお兄さんでね、子どもの頃からやさしくしてくれたの
私が16の時に、そのお兄さん東京の大学に行くことになったの
頭のいい人だったわ
私は気持ちを伝えることもなく、お兄さんは東京に
でもね、それから、一年位して、お婆ちゃんのお父さんが持ってきた縁談話の相手が東京の人だったのよ。今のお爺ちゃんね。
今と違って、私の娘時分は、みんな親の決めた相手と結婚するのが当たり前だったから、結婚話が有れば従うつもりだったのよ
それに、東京に行けばお兄さんに会えるかも知れないって思って、二つ返事で了承したのよ」

「そのお兄さんとは、東京で会えたの?」

「会えたわよ。そのお兄さんに関わらず、同郷だってだけで知らない人が、紹介状一枚持ってお婆ちゃんの家をたよって来る時代なのよ。
学生だったお兄さん、休みに田舎に返るでしょ。その度に私の様子を私の親兄弟から聞かれるのよ。東京に戻る時には、私の所にも沢山お土産を持って来てくれたのよ」

「結局打ち明けないままなの?」

「そうよ、お爺ちゃんに悪いでしょ。私はお爺ちゃんと一緒になって幸せよ。
でも、お爺ちゃんには、内緒よ、この話。
女には、秘密が有ってもいいのよ。
今は、好きな人と一緒になれる時代でいいわねぇ~」

お婆ちゃんの話を思い出していた。

でも前世じゃ私
そんな自由に恋愛ができる時代だからこそ、嫁に行き遅れたんだ。

お婆ちゃんが娘の頃と、
私が今いる世界は、結婚観は同じかも知れない。

侍女は自ら妾を望み、
貴族であろうと無かろうと、
娘は、家の為に結婚する世界なんだ。

母は、きっとそれが嫌で、好きだった父と駆け落ちしたんだろう。

お婆ちゃんは、「幸せよ」って言ってた。

何が自分にとっていいのか、わからなくなった。

伯爵様のいいなりに結婚しても良いかも知れない。
そんな思いも心のどこかにある。
そうすれば、40歳独身処女にはならないだろう。
もう一度その繰り返しは、さすがに避けたい。

でも、やっぱり、一度は熱い恋がしたいなぁ。



もう一度、「すずの恋ばな」から聞こう。

「すず あなた、地元でいい仲だった人と別れるの、辛くなかったの」

「辛くは無かったです。もうそろそろ、別れようかと思ってましたし」

「えっ? だって好きで深い仲になったんでしょ」

「まぁ、好きは好きでしたけど、それよりお互い、そっちのほうに興味があって、始まっちゃったんですよ。
それでも、そのうち飽きるって言うか、何かもう疲れるって感じでしたね」

この娘の場合、恋じゃなくて、肉体的欲求だったんだな。


伯爵様 お爺様と話をしよう。

「お爺様 お伺いしたいことがあります。
私を、なんの為に、ここに住まわせたのですか?」

「メアリーの手紙に、モニカは王子と恋をしたがってると、あったぞ。
それならここに居るのが一番だろ。
可愛い孫の恋人探しに、手を貸してるつもりだが?
早く城のパーティーに行きたいのかな?」

「どっかの貴族の息子さんの嫁に行かせるおつもりは、無いですか?」

「モニカを嫁にって話しは、たぶんこれからたくさん来るだろうが、気に入らなければ、断ればよい。わしは、モニカの幸せを願ってるよ。
まぁ王様直々に話が来たら、断れんがな、その時は、逃げ出すんだな」

「ところで、ヨシヒコ王子は、どうしてここに住んでいるんですか」

「もう目をつけたのか?」

「そういう意味じゃなくて、知りたいのです」

「ヨシヒコ王子は、王様と侍女の間に産まれた子どもなのじゃ。
王様には二人の妃が居て、其々に王子が産まれている。
ヨシヒコの母は今は「そばめ」として、王宮におる。
ヨシヒコの王位継承権は第三位となる。
王宮におると、肩身の狭い立場と言うのはわかるな。
そこで、メアリーが出て行って跡継ぎのいない我が家に来ていただいているのだ、成人されたら、養子となっていただくつもりじゃ」

「私が伯爵様の後を継ぎ、婿をとるのは?」

「それでは、王家の面子がたたん。養子となった王子が嫁をとる形にしないとな
ヨシヒコとモニカが一緒になってくれれば、わしは嬉しいぞ」

すず とできてるヨシヒコを好きになる訳がないわ

わたしは口に出そうだった言葉をのみ込んだ。
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