二度目の人生は魔法使い

烏帽子 博

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チャイ国

VIP待遇

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医療使節団として入国した我々はVIP待遇だ。高級な二頭だての馬車が用意されてる。

首都の クンルー 迄は
一週間位かかる行程だそうだ。

ミトさんは、「風魔法使いのスケさんが居るのに、わざわざ馬車で腰が痛くなりそう」と文句を言ってる。
馬車の中には、私たちの他に少尉が乗り込んだ。

馬車の前後は、馬に乗った軍人が10人程ついている。
前を行く馬の巻き上げる砂ぼこりが酷くてたまらないので、文句を言うと、何人か後ろに回ってくれた。
スケさんが、微風を起こして、ようやく、周りの景色も見えてきた。

街道沿いの景色は、砂地が多くどこも暑い。

ただし馬車の中は、私の水魔法で快適にしている。
少尉が「魔法は戦闘以外でも便利な使い方が有るんですね」と言った。

「こういう生活魔法の方が寧ろ多いですよ。魔法=戦闘のイメージが強いかも知れませんが」ミトが答えた

少尉が一人居るだけで、私たちも会話が盛り上がらない。

時折通りすぎる町はどこも綺麗だが、人を全く見かけない。
私たちが通り過ぎるのに合わせて戒厳令がひかれているみたいだ。

たまに馬を休ませる為に少し休憩するだけで、殆ど走り通した。
夕方には、今日の宿のある町に着いた。

家々には灯りが灯っているので、人は居るようだけど、誰も出てこない。

少尉が、フロントで部屋の鍵を受け取り。
一人一人取り囲むように部屋に連れていかれた。
拘束こそされていないが、囚人みたいだ。
鍵は、外から掛けるもので、要するに監禁だ。部屋の外には護衛が見張っている。

「このフロアー内、互いの部屋の行き来は自由です。それぞれの部屋の外に護衛が待機してますので、部屋から出られる際には、護衛に声をかけて下さい。
他の部屋を訪れる際は護衛も同行します。」

仲間同士の会話も常に見張りつきと言う訳だ。

夕食時、私たちと一緒のテーブルに少尉の他にもう一人軍人が席に着いた。

「初めまして、大尉のホイです。この先の旅は、私も同行しますので、よろしくお願いします。」

「なんか、護衛と言うより見張られてるみたいで、嫌なんですけど、何とかなりません?」
ミトさんが直球勝負にでた。

「実は、良からぬ奴らが居りまして、使節団の方々の安全を確保するために致し方なく、護衛を着けさせていただいて居ります」
予想通りの大尉の返答だ

「町の方とお話をしたり、商店を見て回るのもダメなんですか?」
ミトさん食い下がる。

「申し訳ない、良からぬ奴らが、変装して紛れ込んでるかもしれませんので、ご理解戴きたい」

「この国には、浮浪者や泥棒はいないと聞いて居たんですが、どういうことですか?
まるで、アチコチに反政権のレジスタンスが潜んで居るんですか」
ミトさん又も直球勝負だ

「どこの世界でも、叩けば多少のホコリは出ますよ。
叩いてホコリを吸い込みますと、お体に良くないことが起こります」
大尉は、変化球だ

「このステーキは、大変美味しい。焼き加減といい、ソースといい。シェフにお礼を言いたいのですが、よろしいですか?」
ミトさん攻め方を変えたぞ

「君 シェフを呼んで」

ミトさんは、ひとしきり、料理を誉めてから
「そう言えば、この町に来てからお年寄りの姿を見かけませんが、皆さんどうしてらっしゃるのかしら?」

シェフは、返答に困ったのか、大尉に目線を送った

「シェフもお忙しいだろうから、そろそろ解放してあげないか」

「いいかげんにして! ください。
私たちのことは、1から100まで全部チェックしておいて、自分たちのことは、全て秘密って、ありえないから。
これからは、ある程度自由にさせてもらうから。
部屋にカギは掛けない、護衛はフロアーの端につける
仲間と会うときも護衛は部屋には入らない
町に入ったら自由行動の時間を設ける
後は追って言うから。わかった!」

ミトは、BANとテーブルを両手で叩いて立ち上がった。

「何処へ!」

「大尉、着いてきたいなら、お好きにどうぞ、トイレの中まで見たいなら、戸を開けたままですればいいの?
私がパンツ下ろすところまで、見るがいいわ!」

ミトは、ことの次第を見ていて、呆気にとられている給仕に
「案内しなさいよ」
と言って、歩いて行った。

大尉は、ニッっと笑って、ゆっくりしたテンポでミトの後ろ姿に三回拍手した。
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