二度目の人生は魔法使い

烏帽子 博

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王様ゲーム

新婚初夜

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祝宴は、夜遅く迄続いた。
私の頭の中は、初めての夜のことでいっぱいで、誰と何を話したかもよく覚えていない。

長い時間高砂に拘束されて、正直な話、本当はもうベッドで横になりたい。

宴の後、侍女たちに囲まれて風呂に入れられ、髪をとかされ、化粧もされ、腕や足の毛を剃られて、爪にマニキュアを塗られて、体にも美容液をすりこまれた。
薄衣の上にガウン一枚羽織って、王子の寝室に向かった。

「モニカ、綺麗だよ。少し何か飲むかい?」

私は緊張を隠そうと必死だ!
「ええ そうね。何かいただこうかしら」声がうわずつてしまった。

「そんなに恐がらなくても」
ヨシヒコはクスクス笑った

「だって、こういうの馴れてないのよ」

「こっちにおいでよ」ヨシヒコが私の手をとった。

私はビクッとして、手を引っ込めてしまった。

「ごめんなさい。
     少しだけ待って」

「心配しなくていいよ。
今日は疲れただろう。そばに寝てくれるだけでいいから」

私はベッドそばの椅子に座った。
ヨシヒコは、グラスを2つ用意して、「今日はぼくのお酒解禁日だよ」

二人の将来に乾杯した
緊張で、からからに喉が乾いていたので、一気に飲み干した。

「ぼくの奥さんは、酒豪かな?」
そういいながら、ヨシヒコはグラスに酒をまた注いでくれた

「そうかもね」

その時、ドアがノックされた。
「ヨシヒコ様、モニカ様申し訳ございません。至急お知らせしたい事が有ります」

ヨシヒコがドアを開けた
「失礼します。メレブ様がご乱心です。人が変わった様になっておられます。魔力もそれまでとは比べ物にならない位で、恐ろしいご人相だそうです。こちらに向かったと連絡が参りました。」

突然、魔力が増えるなんて聞いたことがない。

急いで玄関に向かった。
私たちが着いたとき、
ちょうどメレブが、津波を引き起こしていた。

「おまえたちが悪いんだ!俺が王になるはずだったんだ。
許せない。絶対に許せない」
目はつり上がり、凄い形相だ、体もふた回り位大きくなっている

「何かに操られるか、支配されてるんだ、正気になれよ、兄さん」

「コロス コロス コロス」

「ダメだ完全に正気を失っている」

警備してた兵が簡単に倒される

「みんな下がれ!」

ヨシヒコがメレブに迫る。メレブは逃げながら、手近な兵を手にかけて行く。

「ヤメロ!」

ヨシヒコよりメレブの方がスピードが早い。

私は、負傷者の救護にあたった。
スピードならメレブ以上出せると思うが、すぐに助けないと死にそうな人を見殺しには出来ない。

ヨシヒコの動きが止まった。
メレブを少しの時間目で追うと、一瞬目が光った。

飛び回っていたメレブが床に落ちた。
すかさずヨシヒコは近寄り、メレブに触れた。
メレブの体は石化してひび割れた。中に残った「核」をヨシヒコが握ると、指の間から光が漏れる。
光が消えると、「核」は砂になり手からこぼれ落ちた。

「何でこんな死に方しなきゃいけないんだ!
ぼくのせいなのか!」

ヨシヒコは強く拳を握り、その手からは血が流れ出してる。

「ヨシヒコ!怒りに身を任せてはダメ!あなたも闇にのみこまれるわよ」

ヨシヒコの目が急にうつろになった。
ヨシヒコの体は漆黒となり顔の表情もわからない。
部屋の中をヨシヒコを中心に闇が包み出す。

真っ暗な中、もうどこに彼が居るかもわからない。

「モニカ、君もこっちにおいでよ」
ヨシヒコの声が頭の中で響く

「何を言ってるの!しっかりしてよ!あなたは光の皇子なのよ
私の王子様なのよ」

「モニカ 愛しいモニカ」
それだけ言い残して、闇はどんどん小さくなり、やがて消滅した。
どこを探しても、ヨシヒコの姿は見当たらなかった。
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