遊び人ロイはハーレムスキル

村長(仮)

「いつまで寝てるつもりなのにゃん」

気がつくと、ミーナに膝枕されていた

起き上がりながら「俺が勝ったのか」

「そうにゃ。お前の勝ちだにゃ。ちょっとこのまま待ってるのにゃ。」と言い残しミーナはテントを出て行った。

暫くして、ライ、虎男、BLT、ほか何人もの獸人がミーナとともにテントに入ってきた

ライの三番目の奥さんのテレスが、目が合うとウィンクしてきた。
ミーナに、どうやって広場からここに運んだのかを聞いたら、テレスに手伝ってもらったのだそうだ。

スキルが恨めしい、テレス、間違いですから。
ばれたら今度こそ本当にライに殺される。

入口と反対側の最奥にひかれた敷物の上に座るよう、促された。

少し離れた目の前に、もう一枚しきものが敷かれ、そこにはライが座った。

テレスからの視線に熱を感じる。

生きた心地がしないので
「ルー　運を一つ使ってくれ」

「ルールルルー　あらぁ　今使うの？　面白い人ね❤️」

ライが口を開いた
「俺はこの人族のロイに決闘で負けた。ロイが獸人ならば、俺に替わり村長となるところだ。そこで、ロイは村長(仮)となり、俺はその補佐となりロイを支える。異論が有るものがいれば、名のりでよ。」

し～～ん

「ち　ちょっと　待って下さい
村長って　いきなり　なんなんですか
強い敵とか来ても、俺戦えないし」

「なにをおっしゃる！あなたの策をもって我らが手先となり戦えば、何も怖くないだろう。」
虎男が口を開いた。

ライがそれに続けて話だす
「ロイ殿の戦闘力は、赤子なみなのは、ここにいる皆が知るところだ。しかし、負けたのは俺だ。戦闘力だけでは、勝てないことを皆の前で示した。ゆえに長として我らを導いていただきたい」

「俺は、皆さんの役にたちたいと申してましたが。(仮)とはいえ、村長になって、この村に腰をすえるつもりは有りません。暫くおいてさえもらえれば、それで十分なんです。村長の話は慎んで辞退させて下さい」

ライ「そうはいかんな　この村の存在を知ってる者を人族の元へ返すことはできない」

「えっ　それには、何か理由が有るんですか」

虎男「本当に何も知らんようじゃな。わしは、ライの前に村長をしておったタビじゃ
わしら獸人は、人族から蔑まれ、捕まえられた者は奴隷とされておる。人族は「獸人狩り」と称して徒党を組み、わしらを捕まえに来るのじゃ　だから人族のお前を仲間の元に返すわけにはいかんのだ　この村のことを知ってるおまえをな」

「あなたがた、人族より強いのに、なんでそんな隠れて住むような事をしなけりゃならないんですか。戦えば、そう簡単には負けないでしょ。」

タビ「獸人狩りの連中と戦うところを見たことのある者の話では、
戦いの中で麻痺とか眠りに落とされる。捕らえられた者は、人族の町につれて行かれ、奴隷の枷をかけられるのだ　枷をかけられたら、抵抗できない。抵抗すると激痛がはしり、抵抗を止めなければ、そのまま死に至る」

「奴隷制度があるのか。差別とか酷いな。俺は君たちを売るような事はしない。だけど口で言っても直ぐには信用は出来ないだろう。ずっとってつもりはないけど、君たち皆に信用してもらえるまで、この村に居るよ。ただし村長は勘弁だ、今まで通りにライに村長をやってもらい、俺はその補佐の一人でいい」

ライ「逃げないという、保証は？」

「だったら、見張りでもつければいいだろう。本当に人に対して信用しないんだな。」

タビ「これまで人族を信用した者は皆捕まえられたか殺された。無事帰って来た者はいない。」

ライ「俺の妻テレスを見張りにつける。それで皆いいか」

しばし沈黙が流れ
タビ「これで決まりじゃな」

テレスとミーナを残して、みなテントから出て行った。