遊び人ロイはハーレムスキル

烏帽子 博

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風雲急を告げる

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地図作りのために、ミーナとテレスを伴って、村の外に出た。
村は小高い丘の開けた所だが周りは木々に覆われていて、見つけにくい場所のようだ
村から出るには何箇所かルートが有るがどれも獣道で、全く整備されていない。

ある程度の期間を過ごすと、また別の場所に移動するそうで、村というよりは、キャンプと言ったほうがよさそうだ。
正にジプシー生活だ。

村から少し離れた獣道を川に向かって歩いていた時
人と鉢合わせした。目が合うなり、そいつは踵を返して、走り去ろうとした。
即座に俺たち三人はそいつの後を追って行った。
そいつは走りながら警笛を吹いた。
俺をおいてミーナとテレスが先行し距離をどんどん詰めてゆく。
あと少しで二人が追いつくと思った時。二人の近くに矢が突き刺さった。
戦闘開始かと思ったが、二人は戦わずに戻ってきた。

「みんなに知らせる」ミーナは俺の脇をすり抜けながらそう言って走り去った

テレスが「ロイ 人族の所にこのまま行っても、見逃してあげるわよ。」

正直チャンスだと思った、しかし口から出た言葉は「君たちといるよ」

「バカね、こんなチャンスそうそう無いわよ、アタシは残ってくれた方が嬉しいけどね❤️」

俺もバカだと思う。でも、獸人たちをほっとけない。

「人族をまけるか わからないけど
ミーナとは別の道を通って行くわよ❤️」

「テレスは、賢いな。自分たちを囮に時間稼ぎかい?」

「上手く行けばいいけどね❤️あっちもプロだから」
そう言いながら、きた道とは別の道を進んで行く。

「やっぱり!まずいわね!」
犬が何頭か吠えながら、近づいて来てる。

「あなたの足じゃ、追いつかれるわ。近くまで来たら、人族が後を追って来ないうちに、始末するわね❤️」

「それは難しいんじゃないか。犬は微妙な距離を取って吠え立てて、人を呼ぶんだ。」

俺は走るのを止めた
「そうだ、俺が残る!
テレス一人なら逃げられるだろ」

「そんな!駄目よ。私ミーナになんて言えば」

「君をおいて人族の所に逃げたとでも言ってくれ
もう時間がない 早く行ってくれ」

テレスは、本来のスピードで走り去った。
テレスのすがたが見えなくなるとすぐに犬たちがやってきて、俺の周りで吠えている。

一頭がテレスが走り去った方を気にしているようなので、俺は又別の方向の藪の中に分け行った。
犬は俺を追って来ている。よし、これでいい。
すぐにしっかり取り囲まれてしまった。

俺は、あきらめて、こいつらの主人が来るのを待った。
万歳して無抵抗をアピールして、噛みつかれないか、ひやひやしながら、じっとしていた。

「おいお前、ここで何してる!」剣士らしい男が怒気を込めて言った

「あっ こいつさっき、猫の獸人と一緒にいた奴だ。」さっき鉢合わせした奴が一緒に来ていた。

そりゃパジャマ姿は、珍しくて、目立つよな。

「俺は、迷い人です。自分がどこから、どうやってここに来たのかも分かりません
獣に襲われてる所を獸人に助けられました。
どこに連れて行かれるのかと、思った所、こちらの方と出会って、そしたら獸人たちが急に逃げて行ったんです」

「お前も一緒に逃げたじゃないか!何故残らなかったんだ?」

「だって、矢を放ってきましたよね。そりゃ恐くて恐くて、命からがらってやつで、でも犬に追い詰められたらもう逃げられないって思って。お願いです。どうか助けてください。」

「獸人たちの所に案内しろ!」

「だから、よく分からないんです。すみません。」

「おい、こいつ、ふんじばっておけ!」

「…やっぱ、そうなるよな」俺は小声でつぶやいた。

後ろ手に縛られた上にまた縄をかけられ、市中引き回しスタイルだ
これでテレスも逃げられたかな?

「おい、もう一度犬を放せ!まだこの辺にいるはずだ!」

が、しばらくして、犬たちは、戻ってきた。
それからも、獸人探索は数日続いたが、見つけられないようだ。
俺は「獸人狩り」の連中が出かけている時は、木に縛り付けられた。移動する時は、例の罪人スタイルだ。

「これから町に戻る。お前も連れて行くが、変な真似をしたら、…分かるな。
町に着いたら放免してやる。お前を捕まえてれば獸人が助けに来ることも有るかもと思ったが、それも無さそうだな。
まぁ 町に着く迄が勝負だけどな」剣士はにまっと笑顔を見せた。

少なからず、ミーナやライが助けに来ることを期待していたが、何事もなく、町に着いた。
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