愛犬は、ウサ耳ロリ獣人に転生してチートスキル持ち

烏帽子 博

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第1章 再会

ブルース視点 隣町へ

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ブルースの心とは反対にその日は快晴で、街道沿いは長閑な雰囲気だった。

「はぁ~、ダラダラ歩くのも飽きるなぁ~、魔物が襲って来ることも無いし、ただひたすら道を進むだけだよな。」

街道は、クネクネと曲がったりアップダウンもあるけれど、田舎道の風景は、さしてどこも似たようなものだ。


退屈だ。
少しは、魔物でも出て来ないかなぁ~。


何も無いことが一番安全なのに、ブルースの言葉に呼応するようにキラーエイプが現れた。

前から3匹、後ろからも3匹、そして、姿は現さないけど、両サイドにも二匹ずつの気配が感じられる。

「ハードル上げるなら、もう少しお手柔らかに頼むよ~」

ブルースは、そうボヤきながら正面の3匹のキラーエイプに突っ込んで行く。

剣技スキルは得られなかったブルースだが、幼い頃から父親と訓練した剣技は、それなりのレベルで、3匹のキラーエイプは、瞬く間にブルースのナイフにより首筋から血を吹き出して倒れた。

はさみ撃ちにするつもりだった後方や左右のキラーエイプは、ブルースの強さに戦意を失い、逃げだした。


「ふぅ~ だったら最初から襲って来るなよ」


当然ブルースは、どちらのキラーエイプの存在にも気付いていた。
だからこそ囲まれる前に、前の敵を叩いただけだ。


それから暫くは、魔物も現れず順調にブルースは歩を進めた。

山裾に日が隠れ始めた頃になり、ブルースは、この日の野宿場所を探した。

水場は、煮炊きするには好都合だが、色んな動物や魔物も水を求めて集まる場所だ。
肉食動物や魔物にとっては絶好の狩り場だが、草食動物にとっても捨てがたい場所なのだ。

ブルースもまた、この日の食材となる獲物そして、水を手に入れる為に、水場にやって来ていた。

魔物や大型の肉食動物が居ないか注意を払って居ると、ウサ耳の獣人の子どもが現れて、サッと川の水を汲んで去って行った。

自分が思ってる程、ここは危険じゃ無いのかな。
今目の前で見たウサ耳の子どもの印象で、少し警戒心が薄れていた。
川に向って一歩踏み出した時に、体高3m位のシルバーヘッドボアが現れた。

やばい見つかったかも!

シルバーヘッドボアと一瞬目があった。
だが次の瞬間シルバーヘッドボアは、「ブオー」と一声鳴いて川の中に引きずり込まれていた。
体長7m位のヘルカイマンが、シルバーヘッドボアを獲物として捕えていったのだ。
別のヘルカイマン数匹が集まって来て、川の水はシルバーヘッドボアの血で真っ赤になった。


危なかった。

一つ間違えたら俺がああなってたのかもな。


ヘルカイマンの狩りを見ていた他の草食動物たちが、安心したかのように、川の側に行き水を飲み始めた。


ブルースは、安心しきって水を飲んでいた鹿にそっと近づいて仕留めた。


さっきのウサ耳、襲われない自信が有ったのかな。
そんなことを思いながら、鹿の解体をした。

ブルースは、貴族の次男ではあったが、幼少から父親には、戦いやサバイバルについての知識を教え込まれていたので、下手くそながらも鹿を解体することが出来た。

血抜きもして、なるべく多くの部位を運ぶつもりだが、内蔵や頭や足は諦めた。

川から離れて、街道に戻り少し歩くと脇の林の中にちょっとしたスペースを見つけた。

ここなら、野宿するのにちょうどいいな。

焚き木を集め、生活魔法で火をつけて、鹿肉を枝に刺してあぶって食べた。
塩も無く、ただ焼いただけの鹿肉は、美味しくは、なかったが、ブルースの心を癒やした。

「命が有るだけ、ありがたいんだな。明日も、その先も生き抜いていかなきゃ」

腹が満ちた頃には日がすっかり落ちて、空には星が顔を出していた。

ブルースは、手頃な木に登り、枝の上で仮眠についた。


真横から射し込んでくる太陽の眩しさでブルースは、目を覚ました。

起きようとしたが、うごけなかった。
木から落ちないように自分を蔦で木に縛り付けたのを忘れていた。
蔦をほどいて、木の上からあたりを見回した。

少し離れた藪の中で、数匹のスライムがじゃれあっている。

なぜだか興味が湧いてしまい、ブルースは木を降りて、スライムたちの方に近づいて行った。

珍しいピンク色のスライムが一匹と青いスライムが3匹いて、青いスライムがピンクのスライムを取り囲むようにして、小突いたり、酸液を掛けたりしている。

ピンクのスライムが逃げ出そうとするが、すぐに青いスライムに回り込まれた。
また別方向に逃げようとするが、他のスライムに逃げ道を塞がれて
いる。

スライムの世界にも、イジメが有るんだな。
自分に炎剣を放ってきた兄のリチャードの顔が浮かんだ。

ピンクスライムを助けたい気持ちになって、少し近づいて見ると、ピンクスライムが岩になった。

「へぇ~ 面白い。変身できるんだ」

青いスライムがかわるがわる酸液を吹き付けてるが、攻撃は効果が無いようだ。

青いスライムの中で一番大きな個体が岩に乗って、包み込もうと始めた。
すると岩がピンクスライムに戻り、何かが青スライムの体を突き抜けて飛び出した。

青スライムがベチャッと潰れるとピンクスライムがそれを吸収した。

残った二匹の青スライムは、小刻みに震えてから、逃げ出した。
ピンクスライムから何かが発射され、青スライム二匹もベチャッと潰れた。
ピンクスライムは、ピョーンと大きく跳躍して潰れた青スライムの所に行き、彼らを吸収した。

元々ピンクの方が強かったんだな。相手にしたくなかったのに、しつこいからやっつけたって所かな。
まるで新人イビリしようとして、返り討ちにあったバカな先輩みたいだな。

ブルースは思わず拍手していた。
「見事だったぜ、ピンクちゃん」

ピンクスライムがブルースの近くに来た。

「おいおい、俺のことも襲う気かよ。俺はそう簡単にはいかないぜ」

そう言ってブルースが身構えると彼の間より少し離れた所でピンクスライムは、立ち止まり、体を、変形させている。

パット見腰に手を当てて胸を張ってドヤ顔しているみたいだ。

「プッ アハハハ スライムのドヤ顔、初めて見たよ。
面白い奴だなぁ」

するとまたスライムは、変形した。オタマジャクシのようなつるんとした尻尾を出して、ブンブン振っている。

ブルースは、愛犬が「褒めて!ご主人様」と訴えかけてるように思えた。

ズリズリとすり寄ってくるピンクスライムに敵意は感じられない。

ブルースは、警戒しながらも、直ぐそばにまで来たピンクスライムを撫でてやった。
すると、ゴロンと腹を見せるようにピンクスライムは回転した。

「ハハハ 犬みたいなヤツだなぁ
お前はスライムだから、ひっくり返ってもおなかにはならないな」

するとピンクスライムが、今度は小鳥になった。

「へぇ~ 小鳥にも変身できるのか。お前すごいな」

ブルースは、そう言いながら人差し指で小鳥の腹を擦ってやった。

小鳥は気持ちよさそうに薄まぶたを閉じている。

暫く撫でてやってから
「ごめんよピンクスライムちゃん。そろそろ行かなくちゃ。
元気でな」

そう言ってブルースが歩き始めると小鳥は、ブルースの行く先に飛んで、ピンクスライムに戻った。

「お見送りしてくれるのか?ありがとうな」

ブルースが歩いてもピンクスライムが離れて行く様子が全く無い。
ブルースの歩みに合わせて、足の周りで8の字に動いて纏わりついている。

「お前、俺の仲間になりたいのか?」

するとピンクスライムは、ピョーンピョーンと垂直に高く飛んでいる。

改めてピンクスライムをじっくり観察して見ると、頭の中に情報が浮かんだ。

種族 スライムベス変異体
レベル E
体力 F
魔力 E
スキル
 スライム超吸収(取り込んだ物の能力、知識、姿を再現)
 スライム収納(取り込んだ物を、保存する)
 スライム錬金(取り込んだ物を分解、合成)

「おいおい。凄いスキル持ちだなぁ~お前は。
俺よりずっとすごいじゃないか。
まじで俺が主人でいいのか。」

スライムベスは、またも高くピョーンピョーンと跳ねた。
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