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長し夜に、ひらく窓
第36話 写真の謎
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「そう言えば、月曜日に悠斗が生協の前を通った途端に、『塩ラーメンが食べたい!』って言い出したな……」
「塩ラーメン?」
「なんか、磯の香りがしてきたんだよ」
「磯の香り? 海もない平地のここで、かい?」
「ああ」
天神は精悍な顎をなで、何かを考え始める。
言われてみれば、たしかにおかしな話だ。海どころか、遠くに山が一つ見えるこの場所で、磯の香りがするはずもないのに。
あのときも、何かの写真が貼られていたのだろうか。
目を瞑って思い出そうとするも、脳内ファイルの検索は当たらない。
諦めて瞼を上げると、恍惚に微笑む天神と目が合った。
「実に、面白い話だね」
艶やかに光る薄唇に三日月を乗せた男は、俺に向かって手を差し伸べる。
「おかわりのご所望は?」
「いや、十分だ」
「では、食べ終わったら、検分しに行こうじゃないか!」
*
空腹が幾分満たされたからか。それとも、香りが弱くなっていたのか。生協の前を通っても、さほどパンを食べたいという欲は湧かなかった。
売店にいる学生もまばらで、食品売り場の棚はスカスカになっている。ピークは過ぎたのだろう。俺たちは、さして大きくもない店内をぐるりと一周した。
「焼きたてパンがあったような痕はないな」
特設スペースがあったような形跡も、何かが片付けられたような印象も持たない。もちろん、パンの破片一つとして見当たらない。
どういうことなのか。
眉をしかめて考えていると、店外に出ていた天神が俺を呼んだ。
「早川」
「なんだ?」
「こちらに来て、この写真を嗅いでみてくれないかい?」
掲示板の前は、ほのかに甘く、もったりとした匂いが漂っていた。
俺は言われるままに、掲示板に貼ってあるクロワッサンの写真に鼻を近付けてみる。
「……パンの匂い?」
「なるほど、面白いね。やはり君は、これをパンの匂いだと認識するのか」
「おまえは違うのか?」
「僕は、バターに近いと思ったよ。いずれにしても、僕たちが嗅いでいたのは、この写真から放たれるものだった可能性が高いね」
なんとなく騙されたような気持ちになって、俺は肩をすくめた。
「何のために、こんなことを? いたずらか?」
「さてね」
俺と疑問を置いて、天神は店内に戻る。用が終われば、相変わらずの放置。仕方なしに、俺も売店のカウンターに向かうと、白いシャツに黒のエプロンを着けた中年の女が二人、おしゃべりをしていた。
「失礼、マダム方。少しお尋ねしたのですが、よろしいでしょうか?」
天神が女たちに声を掛ける。
こちらを見た彼女たちは、怪訝な顔で「何か?」と答えた。俺なら躊躇しそうになるところ、タングステン、もとい鋼の心臓を持つ天神はにこやかに一礼をする。
「掲示板の写真について、なにかご存知ではありませんか?」
「写真?」
一人が眉をひそめる横で、もう一人の女は思い当たるところがあるようだった。
「もしかして、あれじゃない? ほら、なんか学生さんが来たやつ」
「んん? ああ! なんか、あったねえ。なんだっけ? ボス? ポン?」
「ポスじゃなかった? 先週から、三週間分を見せて欲しいって言ってたの」
「そうそう! それよ、それ」
すっきりした顔をする二人に、天神が口を挟む。
「ポス、ですか?」
「なんか、売上を知りたいんだって」
天神が精悍な顎に手を触れる。
「写真を張り始めたのは、いつ頃からか。覚えていらっしゃいますか?」
「いつからだったかねえ? アンタ、分かる?」
「今週からじゃなかった? 月曜日に、写真を持った学生さんが挨拶に来たから」
「その学生の学部や学年、身体的特徴は分かりますか?」
「うーん。特徴って言われても、髪の長い女の子ってことくらいしか。あとは心理学科って聞いた気はするんだけど、学年まではちょっと分からないわ。ごめんね」
「いえ、貴重な情報をありがとうございます。お仕事中に失礼いたしました」
胸に手を当てて、にこりと微笑んだ天神は、紳士然とお辞儀をする。
美丈夫はずるい。彼女たちの天神に対する印象がコロリと変わるのをまざまざと見ながら、俺たちは売店を出た。
天神はラウンジの大きな窓ガラスから外を眺めていた。
龍山と名が付くものの、この大学は平地にある。田んぼも畑もここからは、見えない。見えるのは、せいぜい敷地内にある建物と木と学生くらいが関の山だ。今は、黄色くなった木々が晴天の青に映えていた。
はらはらと、空気抵抗で葉は踊る。
「何を見てるんだ?」
俺は天神の横に立った。
「何も? それよりも、あれは心理学科の学生による実験じゃないかと、僕は考えているけれども。君はどう思う? 早川」
「実験か。たしかに、そう言う見方もあるな。だが、どうしてそう思ったんだ?」
「彼女たちが言っていたPOS|《ポス》というのは、Point of sales system。誰がいつ、何を購入したのかなどを記録して集計する、販売時点情報管理システムのことだろうね。
掲示板に写真を貼り始めたのが、今週の月曜日。今週いっぱい写真を貼るのだと仮定して、前後の情報も得るために三週間と期間を設けたのだとしたら、一つの道筋としては成立しているとは思わないかい?」
「写真を貼る前後でどれくらいの変動があるかを見る、対照実験をしているということか」
天神は外を見たまま、口角を持ち上げてうなずく。
「写真に匂いをつけたのも、その一環なのだろう」
「匂い、か。俺がパンを食べたくなったのも、パンの匂いによるものだったしな。POSシステムを見たいってことは『匂いと購買意欲の関係性』とか、か?」
「それは間違いないだろうね。しかし、それでは写真の意味がなくなってしまう。それに、カレーの写真にペパーミントを使ったのも気になる。あれほど食欲を湧かせる匂いを、あえて外したのには何か理由があるのだろう」
俺は近くの木の椅子に座る。
「匂いが強すぎるとか、か?」
「それなら、そもそもカレーを候補から外すと思わないかい? 大体、ペパーミントも大概に匂いは強い」
「じゃあ、偶然混ざったとか」
「それもないと思うね。どちらも匂いが強すぎるのに、僕はミントの香りしか認識できなかった」
背もたれに身を預けて、俺は唸《うな》る。
「そもそもカレーや肉料理系の写真は『飯《メシ》テロ』になりやすいのに、なんでトイレの臭いなんかつけたんだろうな」
天神がバッと振り返る。大きく見開かれたヘーゼルアイには、俺が映っていた。
「早川。『飯テロ』とは、なんだい?」
「え? 聞いたことがないか、『飯テロ』?」
「ない」
即答。
だが、すぐに納得した。デジタル音痴で、友人もさして多そうには見えないこの男が、SNSやネットで話題のことを知っている方が不可解というものだ。
「俺も詳しくは知らないけど」と前置きをして言葉を続ける。
「深夜とかダイエット中とか。空腹なのに食べられないときに、いかにも美味しそうな料理の写真や映像を見せられると腹が減ってくるだろう? そういうのを『飯テロ』と言うのだと俺は認識している」
目をパチパチと瞬かせた男は、「ああ!」と得心したように大きく首を振る。
「フードポルノか!」
「は?」
「海外でも似たような文化があってね。食欲をそそるような写真や動画をSNSに投稿するという認識で合っているかな?」
「ああ」
乱数よりも偏りがひどい知識。だが、当の本人は晴れ晴れとしていた。
「素晴らしいアシストだよ、早川!」
さっぱり理解出来ない俺に構わず、彼は続ける。
「塩ラーメン?」
「なんか、磯の香りがしてきたんだよ」
「磯の香り? 海もない平地のここで、かい?」
「ああ」
天神は精悍な顎をなで、何かを考え始める。
言われてみれば、たしかにおかしな話だ。海どころか、遠くに山が一つ見えるこの場所で、磯の香りがするはずもないのに。
あのときも、何かの写真が貼られていたのだろうか。
目を瞑って思い出そうとするも、脳内ファイルの検索は当たらない。
諦めて瞼を上げると、恍惚に微笑む天神と目が合った。
「実に、面白い話だね」
艶やかに光る薄唇に三日月を乗せた男は、俺に向かって手を差し伸べる。
「おかわりのご所望は?」
「いや、十分だ」
「では、食べ終わったら、検分しに行こうじゃないか!」
*
空腹が幾分満たされたからか。それとも、香りが弱くなっていたのか。生協の前を通っても、さほどパンを食べたいという欲は湧かなかった。
売店にいる学生もまばらで、食品売り場の棚はスカスカになっている。ピークは過ぎたのだろう。俺たちは、さして大きくもない店内をぐるりと一周した。
「焼きたてパンがあったような痕はないな」
特設スペースがあったような形跡も、何かが片付けられたような印象も持たない。もちろん、パンの破片一つとして見当たらない。
どういうことなのか。
眉をしかめて考えていると、店外に出ていた天神が俺を呼んだ。
「早川」
「なんだ?」
「こちらに来て、この写真を嗅いでみてくれないかい?」
掲示板の前は、ほのかに甘く、もったりとした匂いが漂っていた。
俺は言われるままに、掲示板に貼ってあるクロワッサンの写真に鼻を近付けてみる。
「……パンの匂い?」
「なるほど、面白いね。やはり君は、これをパンの匂いだと認識するのか」
「おまえは違うのか?」
「僕は、バターに近いと思ったよ。いずれにしても、僕たちが嗅いでいたのは、この写真から放たれるものだった可能性が高いね」
なんとなく騙されたような気持ちになって、俺は肩をすくめた。
「何のために、こんなことを? いたずらか?」
「さてね」
俺と疑問を置いて、天神は店内に戻る。用が終われば、相変わらずの放置。仕方なしに、俺も売店のカウンターに向かうと、白いシャツに黒のエプロンを着けた中年の女が二人、おしゃべりをしていた。
「失礼、マダム方。少しお尋ねしたのですが、よろしいでしょうか?」
天神が女たちに声を掛ける。
こちらを見た彼女たちは、怪訝な顔で「何か?」と答えた。俺なら躊躇しそうになるところ、タングステン、もとい鋼の心臓を持つ天神はにこやかに一礼をする。
「掲示板の写真について、なにかご存知ではありませんか?」
「写真?」
一人が眉をひそめる横で、もう一人の女は思い当たるところがあるようだった。
「もしかして、あれじゃない? ほら、なんか学生さんが来たやつ」
「んん? ああ! なんか、あったねえ。なんだっけ? ボス? ポン?」
「ポスじゃなかった? 先週から、三週間分を見せて欲しいって言ってたの」
「そうそう! それよ、それ」
すっきりした顔をする二人に、天神が口を挟む。
「ポス、ですか?」
「なんか、売上を知りたいんだって」
天神が精悍な顎に手を触れる。
「写真を張り始めたのは、いつ頃からか。覚えていらっしゃいますか?」
「いつからだったかねえ? アンタ、分かる?」
「今週からじゃなかった? 月曜日に、写真を持った学生さんが挨拶に来たから」
「その学生の学部や学年、身体的特徴は分かりますか?」
「うーん。特徴って言われても、髪の長い女の子ってことくらいしか。あとは心理学科って聞いた気はするんだけど、学年まではちょっと分からないわ。ごめんね」
「いえ、貴重な情報をありがとうございます。お仕事中に失礼いたしました」
胸に手を当てて、にこりと微笑んだ天神は、紳士然とお辞儀をする。
美丈夫はずるい。彼女たちの天神に対する印象がコロリと変わるのをまざまざと見ながら、俺たちは売店を出た。
天神はラウンジの大きな窓ガラスから外を眺めていた。
龍山と名が付くものの、この大学は平地にある。田んぼも畑もここからは、見えない。見えるのは、せいぜい敷地内にある建物と木と学生くらいが関の山だ。今は、黄色くなった木々が晴天の青に映えていた。
はらはらと、空気抵抗で葉は踊る。
「何を見てるんだ?」
俺は天神の横に立った。
「何も? それよりも、あれは心理学科の学生による実験じゃないかと、僕は考えているけれども。君はどう思う? 早川」
「実験か。たしかに、そう言う見方もあるな。だが、どうしてそう思ったんだ?」
「彼女たちが言っていたPOS|《ポス》というのは、Point of sales system。誰がいつ、何を購入したのかなどを記録して集計する、販売時点情報管理システムのことだろうね。
掲示板に写真を貼り始めたのが、今週の月曜日。今週いっぱい写真を貼るのだと仮定して、前後の情報も得るために三週間と期間を設けたのだとしたら、一つの道筋としては成立しているとは思わないかい?」
「写真を貼る前後でどれくらいの変動があるかを見る、対照実験をしているということか」
天神は外を見たまま、口角を持ち上げてうなずく。
「写真に匂いをつけたのも、その一環なのだろう」
「匂い、か。俺がパンを食べたくなったのも、パンの匂いによるものだったしな。POSシステムを見たいってことは『匂いと購買意欲の関係性』とか、か?」
「それは間違いないだろうね。しかし、それでは写真の意味がなくなってしまう。それに、カレーの写真にペパーミントを使ったのも気になる。あれほど食欲を湧かせる匂いを、あえて外したのには何か理由があるのだろう」
俺は近くの木の椅子に座る。
「匂いが強すぎるとか、か?」
「それなら、そもそもカレーを候補から外すと思わないかい? 大体、ペパーミントも大概に匂いは強い」
「じゃあ、偶然混ざったとか」
「それもないと思うね。どちらも匂いが強すぎるのに、僕はミントの香りしか認識できなかった」
背もたれに身を預けて、俺は唸《うな》る。
「そもそもカレーや肉料理系の写真は『飯《メシ》テロ』になりやすいのに、なんでトイレの臭いなんかつけたんだろうな」
天神がバッと振り返る。大きく見開かれたヘーゼルアイには、俺が映っていた。
「早川。『飯テロ』とは、なんだい?」
「え? 聞いたことがないか、『飯テロ』?」
「ない」
即答。
だが、すぐに納得した。デジタル音痴で、友人もさして多そうには見えないこの男が、SNSやネットで話題のことを知っている方が不可解というものだ。
「俺も詳しくは知らないけど」と前置きをして言葉を続ける。
「深夜とかダイエット中とか。空腹なのに食べられないときに、いかにも美味しそうな料理の写真や映像を見せられると腹が減ってくるだろう? そういうのを『飯テロ』と言うのだと俺は認識している」
目をパチパチと瞬かせた男は、「ああ!」と得心したように大きく首を振る。
「フードポルノか!」
「は?」
「海外でも似たような文化があってね。食欲をそそるような写真や動画をSNSに投稿するという認識で合っているかな?」
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