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1章4節 幸せの居場所
3-4 (99話)
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それは今から数時間前の事。
事務所内での話だった。
黛と猪野糸がやってきた時、何かあったのだろうと思っていた。
もちろん依頼人だと思った矢先の猪野糸の発言だった。
「昨日おばあちゃんの部屋に行ったとき、何にもないって言ってたよね」
「だったらなんだ?」
大した事ではないだろうと思って安心しきった顔で猪野糸を見ていたが、まさかあんな事を言うなんて思ってもみなかった。
「おばあちゃんの上に影らしきものが乗ってたけど、あれ何?それに人の気配と・・・何て言ったらいいんだろ。重苦しい空気の中に「死にたい」、「苦しい」とかいろんな声が聞こえたんだけど。これって何か関係してるのかな」
「影?声?大した話じゃ・・・はっ!?」
耳を疑った。
何であの猪野糸があんな言葉が出てきたんだと。
その言葉で西崎達もシン達のいるところまで向かっていく。
「嬢ちゃんどういう事だ!?」
「なんだろ・・・部屋に入った時はなんともなかったんだけど、ちょっと目を離したら影があって・・・。一瞬おばあちゃんの影かと思ったけど、何か違ったし・・・。それに何となくなんだけど声がしてたの。他の人の
声かなって思ってあえて言わなかっただけで」
その言葉を聞いて立ち上がり、机を平手で叩いたシン。
肝心な情報をなぜ今になって言うんだ。
「何でそれを早く言わないんだ!」
「だってそれが自分以外にも見えてるんじゃないかって思って・・・」
「見えてる見えてないの問題じゃねーよ!疑問があったら何で言わないんだよ!そしたら、すぐに解決したのによ!」
「こんなこと言ったって信用できないから」
シンも警察も信用できないってどういう神経してるんだ。
だからと言って黙っているのはどうかと思う。
「でも、確認しておきたくて聞いたんだけど・・・。まさか、そんなに重要だったなんて思ってなかったからさ」
「肝心な事を今になって言うなんて本当にバカな奴だ。でも、お前・・・」
シンは冷静になって席に座って猪野糸の姿をジッと見つめた。
右手を顎にもっていくと、考えているような顔をしていた。
少しだけ静かなムードになると、正直話しづらい。
重い口が何を言うのだろうか。
猪野糸に何を話すのか。
そして、シンの口が開いた。
「視覚が開花したみたいだな、お前」
視覚。聞かない言葉だった。
魔探偵じゃなくてもちょっとした能力が開花するものなのだろうか。
いつからこんな能力を開花させたのだろうか。
そのことを猪野糸に聞いてみた。
しかし、顔を横に振った。
知らないなんておかしいこと。
本来なら何かあって開花するのだが、何もない状態で開花するなんて珍しいことだった。
「あの・・・真織が何か開花させたんですか?さっき視覚って言ってましたけど」
「そうだ。お前視覚(ビジョンズ)って言ったけどよ。それ何だ?」
シンは視覚(ビジョンズ)についてみんなに話そうとしていた。
しかし、シンは重い口を開くことになるなんて思ってもみなかった。
こんなにも早く能力を持つ人間を間近に存在しているなんて。
本当にこの世界はわからないことだらけだった。
事務所内での話だった。
黛と猪野糸がやってきた時、何かあったのだろうと思っていた。
もちろん依頼人だと思った矢先の猪野糸の発言だった。
「昨日おばあちゃんの部屋に行ったとき、何にもないって言ってたよね」
「だったらなんだ?」
大した事ではないだろうと思って安心しきった顔で猪野糸を見ていたが、まさかあんな事を言うなんて思ってもみなかった。
「おばあちゃんの上に影らしきものが乗ってたけど、あれ何?それに人の気配と・・・何て言ったらいいんだろ。重苦しい空気の中に「死にたい」、「苦しい」とかいろんな声が聞こえたんだけど。これって何か関係してるのかな」
「影?声?大した話じゃ・・・はっ!?」
耳を疑った。
何であの猪野糸があんな言葉が出てきたんだと。
その言葉で西崎達もシン達のいるところまで向かっていく。
「嬢ちゃんどういう事だ!?」
「なんだろ・・・部屋に入った時はなんともなかったんだけど、ちょっと目を離したら影があって・・・。一瞬おばあちゃんの影かと思ったけど、何か違ったし・・・。それに何となくなんだけど声がしてたの。他の人の
声かなって思ってあえて言わなかっただけで」
その言葉を聞いて立ち上がり、机を平手で叩いたシン。
肝心な情報をなぜ今になって言うんだ。
「何でそれを早く言わないんだ!」
「だってそれが自分以外にも見えてるんじゃないかって思って・・・」
「見えてる見えてないの問題じゃねーよ!疑問があったら何で言わないんだよ!そしたら、すぐに解決したのによ!」
「こんなこと言ったって信用できないから」
シンも警察も信用できないってどういう神経してるんだ。
だからと言って黙っているのはどうかと思う。
「でも、確認しておきたくて聞いたんだけど・・・。まさか、そんなに重要だったなんて思ってなかったからさ」
「肝心な事を今になって言うなんて本当にバカな奴だ。でも、お前・・・」
シンは冷静になって席に座って猪野糸の姿をジッと見つめた。
右手を顎にもっていくと、考えているような顔をしていた。
少しだけ静かなムードになると、正直話しづらい。
重い口が何を言うのだろうか。
猪野糸に何を話すのか。
そして、シンの口が開いた。
「視覚が開花したみたいだな、お前」
視覚。聞かない言葉だった。
魔探偵じゃなくてもちょっとした能力が開花するものなのだろうか。
いつからこんな能力を開花させたのだろうか。
そのことを猪野糸に聞いてみた。
しかし、顔を横に振った。
知らないなんておかしいこと。
本来なら何かあって開花するのだが、何もない状態で開花するなんて珍しいことだった。
「あの・・・真織が何か開花させたんですか?さっき視覚って言ってましたけど」
「そうだ。お前視覚(ビジョンズ)って言ったけどよ。それ何だ?」
シンは視覚(ビジョンズ)についてみんなに話そうとしていた。
しかし、シンは重い口を開くことになるなんて思ってもみなかった。
こんなにも早く能力を持つ人間を間近に存在しているなんて。
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