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トイレでトラブル
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由香のトラブル
ある日の午後、夫の体に入れ替わっている妻・由香は、ショッピングモールで買い物中にトイレへ行きたくなった。体の入れ替わりには多少慣れてきたとはいえ、まだ時々自分が夫の体にいることを忘れ、うっかり女子トイレへと足を向けてしまうことがあった。
そして、その日もつい気を抜いてしまい、普通に女子トイレの扉を開けた。入った瞬間、化粧直しをしている女性たちと目が合い、室内に視線が集まった。その場の空気が一瞬凍りついたような気がした由香は、驚いて固まってしまった。
「あっ、す、すみません!」男性の声で謝罪するのはとても不自然に思えたが、とにかくその場を早く離れたくて、急いで女子トイレを飛び出した。
「…やっちゃった…」と、深呼吸して気を取り直した由香。再び周りを見渡し、今度こそ男子トイレへ向かう。少し緊張しながら扉を開け、今度は違和感を抱かれることなく堂々と中に入ることができた。
それでも、男子トイレの空間はまだ慣れず、妙な気分だ。だが、今はトイレを我慢する余裕もない。由香は男子トイレの構造を思い出し、意を決して小便器の前に立った。
「これで合ってるのよね…」そう自分に言い聞かせるようにして、やや緊張しながらも浩太の体で用を足し始めた。
その瞬間、心の中で小さな達成感が湧き上がり、「やっと上手くできた…!」と安堵する自分に少し笑いそうになった。普段は男性にとって当たり前のことが、自分にとってはまるで新しい挑戦のように感じられたのだ。
用を済ませたあと、ふと鏡に映る夫の顔に自分の表情が重なり、「これもまた面白い経験かも」と思い、軽く肩をすくめて微笑んだ。そしてトイレを出ると、少し誇らしげな表情で浩太が待つ場所へと戻った。
「どうしたの、妙に自信ありげな顔して」と浩太が不思議そうに尋ねると、由香は少し照れくさそうに、「何でもないわ。ただ、男子トイレもなかなか悪くないかもね」とだけ返した。
二人は笑い合いながらその場を後にし、また日常へと戻っていった。
浩太のトラブル
ある日の昼下がり、妻の体に入れ替わったままの夫・浩太は、街での用事の最中にふとトイレへ行きたくなった。慣れない妻の体とはいえ、そろそろ入れ替わった生活にも少し慣れてきたし、油断していたのか、気がつくと男子トイレの方へまっすぐ向かっていた。
扉を開け、中に入ると、ふとした瞬間に男性たちの視線が一斉に自分へ向けられていることに気づいた。その視線の重さに、ようやく自分が「由香の体」で「男子トイレ」にいることを思い出し、慌ててその場を出ようとするが、どうしても注目を集めてしまっている。
「あ、す、すみません!」浩太は咄嗟に謝りつつ小走りで男子トイレを出ると、顔を赤らめながら女子トイレの方向へ向かった。
女子トイレに入ると、ようやくホッと一息つけたが、内心では冷や汗が止まらなかった。周りの女性たちに視線を向けられないよう、そそくさと個室に入ってしまう。「まったく…、慣れてきたつもりで気を抜くとこうなるんだよな」と、浩太はため息をつきながら反省する。
それから数分後、トイレを出ると待ち合わせ場所に戻り、待っていた由香(浩太の体)と合流した。
「浩太、大丈夫?なんかすごく慌てた顔してるけど?」由香が不思議そうに尋ねる。
「いや、ちょっとね…」とだけ言って、浩太は照れ隠しで頭をかいた。
「もしかして、うっかり男子トイレに入っちゃったとか?」と、冗談めかして尋ねる由香に、浩太は一瞬ギクリとしながらも、「まぁ、そんな感じ」と苦笑いで返した。
二人は笑い合い、浩太は「まだまだ気を抜けないな…」と心に誓い、再び日常へと戻っていった。
ある日の午後、夫の体に入れ替わっている妻・由香は、ショッピングモールで買い物中にトイレへ行きたくなった。体の入れ替わりには多少慣れてきたとはいえ、まだ時々自分が夫の体にいることを忘れ、うっかり女子トイレへと足を向けてしまうことがあった。
そして、その日もつい気を抜いてしまい、普通に女子トイレの扉を開けた。入った瞬間、化粧直しをしている女性たちと目が合い、室内に視線が集まった。その場の空気が一瞬凍りついたような気がした由香は、驚いて固まってしまった。
「あっ、す、すみません!」男性の声で謝罪するのはとても不自然に思えたが、とにかくその場を早く離れたくて、急いで女子トイレを飛び出した。
「…やっちゃった…」と、深呼吸して気を取り直した由香。再び周りを見渡し、今度こそ男子トイレへ向かう。少し緊張しながら扉を開け、今度は違和感を抱かれることなく堂々と中に入ることができた。
それでも、男子トイレの空間はまだ慣れず、妙な気分だ。だが、今はトイレを我慢する余裕もない。由香は男子トイレの構造を思い出し、意を決して小便器の前に立った。
「これで合ってるのよね…」そう自分に言い聞かせるようにして、やや緊張しながらも浩太の体で用を足し始めた。
その瞬間、心の中で小さな達成感が湧き上がり、「やっと上手くできた…!」と安堵する自分に少し笑いそうになった。普段は男性にとって当たり前のことが、自分にとってはまるで新しい挑戦のように感じられたのだ。
用を済ませたあと、ふと鏡に映る夫の顔に自分の表情が重なり、「これもまた面白い経験かも」と思い、軽く肩をすくめて微笑んだ。そしてトイレを出ると、少し誇らしげな表情で浩太が待つ場所へと戻った。
「どうしたの、妙に自信ありげな顔して」と浩太が不思議そうに尋ねると、由香は少し照れくさそうに、「何でもないわ。ただ、男子トイレもなかなか悪くないかもね」とだけ返した。
二人は笑い合いながらその場を後にし、また日常へと戻っていった。
浩太のトラブル
ある日の昼下がり、妻の体に入れ替わったままの夫・浩太は、街での用事の最中にふとトイレへ行きたくなった。慣れない妻の体とはいえ、そろそろ入れ替わった生活にも少し慣れてきたし、油断していたのか、気がつくと男子トイレの方へまっすぐ向かっていた。
扉を開け、中に入ると、ふとした瞬間に男性たちの視線が一斉に自分へ向けられていることに気づいた。その視線の重さに、ようやく自分が「由香の体」で「男子トイレ」にいることを思い出し、慌ててその場を出ようとするが、どうしても注目を集めてしまっている。
「あ、す、すみません!」浩太は咄嗟に謝りつつ小走りで男子トイレを出ると、顔を赤らめながら女子トイレの方向へ向かった。
女子トイレに入ると、ようやくホッと一息つけたが、内心では冷や汗が止まらなかった。周りの女性たちに視線を向けられないよう、そそくさと個室に入ってしまう。「まったく…、慣れてきたつもりで気を抜くとこうなるんだよな」と、浩太はため息をつきながら反省する。
それから数分後、トイレを出ると待ち合わせ場所に戻り、待っていた由香(浩太の体)と合流した。
「浩太、大丈夫?なんかすごく慌てた顔してるけど?」由香が不思議そうに尋ねる。
「いや、ちょっとね…」とだけ言って、浩太は照れ隠しで頭をかいた。
「もしかして、うっかり男子トイレに入っちゃったとか?」と、冗談めかして尋ねる由香に、浩太は一瞬ギクリとしながらも、「まぁ、そんな感じ」と苦笑いで返した。
二人は笑い合い、浩太は「まだまだ気を抜けないな…」と心に誓い、再び日常へと戻っていった。
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