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健一からの返信
しおりを挟む玲奈先輩から借りたワンピースを眺めながら、結衣はベッドの上でスマホを開いた。
「……さて、健一君、なんて返してくるかな?」
先ほど送ったメッセージ——
**📩 [中村結衣]
「はい、ぜひ。どこに行きますか?」**
それに対する返信が、もう来ていた。
**📩 [木村健一]
「本当に? よかった! じゃあ、昼からショッピングモールで待ち合わせしよう。気になるお店とかある?」**
「……普通にデートのやり取りじゃん。」
スマホの画面を見ながら、結衣は不思議な気分になった。
相手はバーチャルの世界の「木村健一」。
おそらくAIが動かしているキャラクター——のはず。
**なのに、やり取りがリアルすぎる。**
文面から伝わる雰囲気は、人間のそれと何も変わらない。
「本当にAIなのかな……?」
思わず呟く。
「なになに? もう返信来たの?」
玲奈先輩が横からスマホを覗き込む。
「あっ、はい……。」
「ふーん、ショッピングモールで待ち合わせか! いいじゃない!」
「でも、なんか不思議な感じで……。」
「何が?」
「……だって、木村君ってAIなんですよね? なのに、普通に人間みたいなやり取りをしてて……。」
「まぁね。でも、この世界のAIって、人間の思考にかなり近いものもあるし、もしかしたら人が操ってるパターンもあるかもしれないわね。」
「……え?」
「前に言ったでしょ? バーチャルの世界の人間は、リアルの人間が操ってるものと、完全なAIのものがあるって。」
「はい……。」
「もしかすると、木村君はどっちか分からないパターンかもね?」
玲奈先輩は意味深に笑う。
「まぁ、深く考えずに、せっかくのデートを楽しみなさいな!」
「……そ、そうですね。」
**——デートの相手がAIなのか、人間なのか。**
その謎は、もしかすると明日のデートで分かるかもしれない。
結衣は少しドキドキしながら、スマホの画面に指を滑らせた。
**📩 [中村結衣]
「ショッピングモール、いいですね! 12時に待ち合わせで大丈夫ですか?」**
送信ボタンを押し、深呼吸する。
明日はどうなるんだろう——?
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