38 / 51
勝負下着
しおりを挟むデートの前日、結衣は寮の先輩・玲奈と一緒にショッピングモールへ出かけていた。
「さて、明日のデートのために可愛い服を選びましょうか!」
玲奈はノリノリで、結衣を引っ張るようにしてレディースファッションのフロアへと向かった。
「せっかくのデートなんだから、ちょっとオシャレしなきゃね?」
「う、うん……」
まだデートの服を選ぶという感覚に慣れていない結衣は、どこかそわそわしながら玲奈の後をついていく。
最初に選んだのは、柔らかいパステルカラーのワンピース。
「これなんてどう? シンプルだけど上品で可愛いと思うよ?」
「うん、すごくいい感じ……!」
試着してみると、すとんと落ちるシルエットが綺麗で、鏡に映った自分の姿に思わず見入ってしまった。
「うんうん、やっぱり結衣はこういうのが似合うね!」
玲奈も満足そうに頷く。
「じゃあ、これに決まりね!」
無事に服が決まり、レジへ向かおうとしたそのとき――
「ねえっ、勝負下着は買わないの?」
玲奈の何気ない一言に、結衣は思わず足を止めた。
「えっ……しょ、勝負下着……?」
「そうよ! せっかくのデートなんだから、可愛い下着も揃えたほうがいいでしょ?」
「そ、そんなの別に……!」
「もしかして、もう持ってる?」
「い、いや、そういうわけじゃないけど……」
玲奈はニヤリと笑って、結衣の腕を引っ張る。
「じゃあ、ちょっと覗いてみましょ!」
「えええっ!?」
戸惑う結衣をよそに、玲奈はランジェリーショップへと足を踏み入れた。
目の前には、レースやリボンのついた可愛らしい下着がずらりと並んでいる。
(こ、ここにいるだけで恥ずかしい……!)
「どれにしようかな~♪」
玲奈はすっかり楽しそうにあれこれと手に取っている。
「結衣はどんなのが好み? シンプルなやつ? それとも可愛い系?」
「べ、別に普通のでいいよ!」
「普通ってどんなのよ~、ほら、せっかくだしこれなんて?」
そう言って玲奈が差し出したのは、白とピンクのレースがあしらわれた可愛いデザインの下着。
「う……」
(たしかに可愛いけど……!)
「まあ、買うか買わないかは別として、一応試着してみたら?」
「し、試着!?」
「うん、意外と着てみると気に入るかもよ?」
玲奈の笑顔に押される形で、結衣はしぶしぶ試着室へ向かった。
(……なんで俺、こんなことしてるんだっけ……?)
試着室の鏡に映る自分を見ながら、結衣はふとそんなことを思うのだった。
12
あなたにおすすめの小説
おめでとう。社会貢献指数が上がりました。
水井伸輔(Mizui Shinsuke)
SF
「正しく」生きれば、どこまでも優しいこの国。
17歳のシュウは、社会貢献指数を高め、平穏な未来を手に入れようとしていた。しかし、システムに疑問を抱く父のランクは最低の「D」。
国家機能維持条項が発令された夜、シュウの端末に現れたのは、父の全権利を支配するための「同意」ボタンだった。
支配か、追放か。指先ひとつで決まる、親子の、そして人間の尊厳の行方。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる