入れ替わり家族

身代わり神社へ

**「再び身代わり」**  

新月の夜、4人の家族は静まり返った街を抜け、半年前に訪れた「身代わり神社」へと向かっていた。月明かりすらない夜空の下、薄暗い神社の参道を歩く足音が響く。  

体の入れ替わりが起きてから数ヶ月、この奇妙な状況に慣れてきたとはいえ、家族全員が元の体に戻れることを願っていた。  

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### **「神社に到着」**  

朱塗りの鳥居をくぐり、境内に足を踏み入れると、ひんやりとした空気が4人を包む。参道の脇には松明が灯され、薄暗い境内を幻想的に照らしていた。  

父（妻の陽子の体）が口を開く。  
「ここがその神社だな。願掛けをすれば、何とかなるかもしれない。」  

「でも、うっかり変なことを願ったらまた混乱しそうだよね。」  
大智（姉の美咲の体）が冗談っぽく言うと、陽子（弟の大智の体）が苦笑した。  
「それ、すごくありそうだから怖いんだけど。」  

「とにかく、全員が元に戻ることを願おう。それだけで十分だ。」  
美咲（父の隆司の体）が毅然とした声で言い、4人はお賽銭を入れて手を合わせた。  

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### **「新たな入れ替わり」**  

家族全員が「元の体に戻れますように」と心の中で願いながら静かに祈った。その瞬間、神社の境内を包む空気が一変した。  

突然、風が強く吹き始め、松明の火が揺れる。周囲が一瞬だけ不気味な静寂に包まれたかと思うと、全員の体に奇妙な感覚が走った。  

「ん…？ なんかおかしい。」  
陽子（弟の大智の体）がつぶやく。  

4人は驚きながら自分たちの体を確認し始めた。  

「えっ、俺、また陽子の体になってる！？」  
父が驚いた声を上げる。  

「こっちもだわ。私、また隆司の体になっちゃったみたい。」  
陽子（父の体）はため息交じりに自分の体を見下ろす。  

「え、私の体に戻ったかと思ったのに…大智の体になってる！？」  
美咲が自分の小柄な体を見て驚く。  

「えっ、じゃあ…俺は…また姉ちゃんの体だ！」  
大智が自分の姿を確認し、大声で叫んだ。  

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### **「再び混乱の始まり」**  

4人はその場で大混乱になった。  

「なんでこうなるんだよ！ちゃんと『元の体に戻してください』ってお願いしたのに！」  
大智（美咲の体）が声を荒らげる。  

「おそらく、この神社の『身代わり』の力がまた働いたんだろうな。」  
父（陽子の体）が推測を口にする。  

「でも、これじゃ逆戻りどころか、さらにややこしくなったじゃない！」  
陽子（父の体）は頭を抱えた。  

「いや、待って。ある意味、また全員が体験し直せってことなんじゃない？」  
美咲（大智の体）が前向きな意見を口にすると、家族全員が一瞬黙った。  

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### **「新たな挑戦」**  

「確かに…そうかもな。神社がまた別の視点から家族の絆を深めろって言ってるのかもしれない。」  
父（陽子の体）が納得したように言うと、陽子（父の体）が苦笑した。  

「もうこうなったら仕方ないわね。とりあえず、この状態でやれることをやりましょう。」  

「でも、またしばらくこの体で過ごすのか…。正直大変だな。」  
大智（美咲の体）はうなだれた。  

「まあ、文句言っても始まらないし、また適応していこう。どうせこれが最後じゃないかもしれないし。」  
美咲（大智の体）が軽く肩をすくめて笑うと、家族全員が思わず笑ってしまった。  

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再び体が入れ替わり、混乱の中で笑い合う4人。その夜、家族は身代わり神社の境内で改めて誓った。  

「どんな体になっても、私たちは家族だ。」  

新月の闇の中、家族の絆はさらに深まっていくのだった。  

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