セックスチェンジアプリ

廣瀬純七

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疑惑の視線

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 「ひかりちゃんって、本当にどこかで会ったことある気がするんだよね」  

 真奈は紅茶を口に運びながら、じっと俺を見つめていた。その目は、探るような好奇心に満ちている。  

 ――まずい。このまま話を続けたら、何かに気づかれるかもしれない。  

 「そうですか?お嬢様に似た人、他にもいるのかもしれませんね」  

 できる限り自然な笑顔で返す。でも、真奈は納得していない様子だった。  

 「うーん……でも、声とかがどことなく聞き覚えあるんだよね」  

 俺は心の中で冷や汗をかいた。ひかりになったとき、声のトーンは変わるはず。でも、言葉の癖や話し方はどうしても残る。妹なら、それに気づく可能性は十分ある。  

 「もしかして、前に会ったことある?」  

 その一言に、俺は微笑みを維持したまま紅茶のポットを持ち上げる。  

 「いえ、お嬢様とは今日が初めてのお話です。でも、こうしてお話できて嬉しいです」  

 真奈はじっと俺を見つめ、そしてふっと微笑んだ。  

 「そっか。でも……なんか、お兄ちゃんみたいな雰囲気あるんだよね」  

 ――ドキッ。  

 俺は手元のポットを持つ指に力が入る。このまま会話を続けると危険だ。  

 「お嬢様、紅茶のおかわりはいかがでしょうか?」  

 話題をそらすように、俺は丁寧に尋ねる。すると、真奈は「うん!お願い!」と笑って答えた。  

 俺は紅茶を注ぎながら、心の中で祈った。  

 ――このまま、気づかれずに済みますように。  

 真奈は紅茶のカップをゆっくり回しながら、じっと俺を見ていた。その視線が鋭くなるのを感じる。  

 「ひかりちゃんって、本当に初めて会ったんだっけ?」  

 俺は慎重に微笑みながら頷いた。  

 「はい、お嬢様。今日がお初でございます」  

 しかし、真奈は疑いを捨てていない。俺の顔を見つめながら、何かを思案している様子だ。  

 「でもね、不思議なんだよね……なんか、お兄ちゃんの話し方と似てる気がして」  

 ――まずい。  

 俺は冷静に対処しようとする。声は変わっているはず。でも、話し方や言葉の選び方は完全には変えられない。妹なら、その違和感に気づく可能性がある。  

 「そうですか?偶然かもしれませんね。きっと、お嬢様のご兄妹はとても素敵な方なのでしょう」  

 真奈はスプーンをくるくる回しながら、少し考えるように視線を落とす。  

 「……お兄ちゃんも紅茶好きなんだよね」  

 俺は心の中で息をのむ。  

 「ひかりちゃんも紅茶好きでしょ?なんか……その感じが似てるんだよなぁ」  

 このまま話を続けると、本当に気づかれるかもしれない。俺はそっとティーポットを持ち上げ、話題をそらすように言った。  

 「お嬢様、紅茶のおかわりはいかがでしょう?」  

 しかし、真奈の表情は少し険しくなった。まるで何かを確かめるように、俺の顔をじっと見つめている。  

 「……ひかりちゃん、また話そうね」  

 その言葉に、俺は小さく微笑みながら頷いた。  

 ――妹の疑惑は、確実に深まっている。  

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