セックスチェンジアプリ

廣瀬純七

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性別の逆転

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 その日、翔はメイド喫茶のホールでいつも通り働いていた。ひかりとしての振る舞いも自然になり、お客様との会話を楽しみながら紅茶を淹れるのが日常になっていた。  

 しかし、扉が開く音がして、そこに立っていた“男性客”を見た瞬間、彼は固まった。  

 ――真奈!?  

 いや、正確には“真人”だった。  

 スーツ姿に短髪、堂々とした態度で店内を見回しながら、真人――つまり、真奈はゆっくりと席に着いた。  

 「……お帰りなさいませ、ご主人様!」  

 翔は必死に動揺を隠しながら笑顔を作る。しかし、真人は腕を組みながらニヤリと微笑んだ。  

 「ひかりちゃん、久しぶりだね」  

 ――まずい。  

 翔はなんとか気持ちを落ち着けながら、接客を続ける。  

 「ご主人様、お飲み物はいかがなさいますか?」  

 「紅茶、ひかりちゃんおすすめで」  

 その言葉に、翔はため息をつきそうになるのを必死で堪えた。  

 紅茶を準備しながら、翔は心の中でぐるぐると考えた。  

 ――妹が真人として来るなんて、完全に予想外だった。でも、ここで動揺したらダメだ。  

 紅茶を運ぶと、真人は満足そうに微笑んだ。  

 「ひかりちゃん、最近楽しい?」  

 「……ええ、ご主人様のおかげで毎日楽しいです」  

 「そっか。……じゃあ、ひかりちゃんの秘密とか、聞いてもいい?」  

 ――本当に、やめてくれ。  

 翔はなんとか笑顔を保ちながら、次の会話に備えた。  

 真人――つまり真奈は、紅茶をゆっくり飲みながら翔をじっと見つめていた。  

 「ひかりちゃんの秘密って、あるの?」  

 その言葉に、翔は冷静を装いながら微笑んだ。  

 「メイドとしての秘密はたくさんありますが、ご主人様には特別に紅茶の豆知識をお伝えできますよ」  

 ――話題をすり替える。これしかない。  

 しかし、真人はニヤリと笑いながら続けた。  

 「へえ、紅茶の話もいいけど……それより、ひかりちゃんは普段どんな生活してるの?」  

 ――完全に試されている。  

 翔は心の中でため息をつきながら、慎重に言葉を選ぶ。  

 「メイドとして楽しく働いていますよ。紅茶を淹れたり、お客様とお話したり……とても充実しています」  

 「ふーん、そうなんだ。でもさ、ひかりちゃんって、誰かに似てる気がするんだよね」  

 真人の視線が鋭くなる。翔はなんとか笑顔を保ちながら言った。  

 「ご主人様にそう言っていただけるのは光栄です」  

 しかし、真人はカップを置くと、小さく笑いながら言った。  

 「ひかりちゃんは女の子だけど私のお兄ちゃんとそっくりね!」  

 ――終わった。  

 翔は動揺しそうになるのを必死に押さえ込み、どう返すか考える。しかし、真人――真奈は完全に楽しんでいる様子だった。  

 「また来るね、ひかりちゃん」  

 真人はニヤリと笑いながら席を立った。翔はため息をつきながら、次に訪れるであろうさらなる心理戦に備えることにした。  

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