パラサイト 中学生の結衣編

廣瀬純七

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結衣の葛藤

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アイドルとしての活動が順調に進む中、結衣は一つの大きな悩みを抱えていた。自分が数か月前まで男の子だったという事実を、いつか公表すべきではないかという思いだ。

ステージを終えて楽屋に戻った結衣は、愛人に声をかけた。

「ねえ、愛人。ちょっと話があるんだけど、いいかな?」

愛人は、マイクを片付けながら振り返った。「どうしたの?真剣な顔して。」

「実は…私、最近ずっと悩んでることがあって。」

結衣は深呼吸をしてから言葉を続けた。

「私が、もともと男だったってことをファンのみんなに伝えたほうがいいんじゃないかって思うんだ。」

愛人は一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに真剣な眼差しに変わった。

「どうして、そんなことを考えたの?」

「だって…もし今後、誰かに過去を暴かれたりしたら、ファンのみんなを裏切ることになるかもしれない。それに、隠し続けるのは自分にも正直じゃない気がして。」

結衣の声は少し震えていた。愛人は椅子に座り、結衣に向き直った。

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### 愛人の助言

「確かに、それは大きな問題だよね。でも、結衣。まずは自分にとって何が一番大事なのかを考えたほうがいいと思う。」

「自分にとって大事なこと…?」

「うん。アイドルとしての活動を続けていく中で、ファンのみんなにどんな自分を見てほしいか。その上で、どこまで自分をさらけ出すかを決めればいいんじゃないかな。」

愛人は穏やかに微笑んだ。

「私もさ、最初は結衣と性別が入れ替わって自分が男の子になったことを受け入れるのがすごく怖かった。でも、結衣がそばにいてくれたから前を向けたんだよ。だから、結衣がどんな決断をしても、私は絶対に応援するよ。」

その言葉に、結衣の心が少し軽くなった。

「ありがとう、愛人。本当に頼りになるな…。」

愛人は笑いながら肩をすくめた。「幼馴染だからね。こういう時に役に立たないと。」

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### 決断

翌日、結衣は事務所のマネージャーと真梨香と真央にも相談を持ちかけた。そして数日間、悩み抜いた末に、彼女は自分の過去を公表することを決断した。

記者会見の日、ステージに立つ結衣の表情は少し緊張していたが、彼女の声はしっかりとしていた。

「今日は、みなさんに私の秘密についてお話ししたいことがあります。実は、私は数か月前まで男性として生きていましたがある日突然女性の体に変わってしまいました。でも、今はこの体で過ごす中で、新しい自分を見つけることができました。」

会場は一瞬ざわついたが、結衣は続けた。

「私はこの事実を隠すことで、みなさんを欺きたくありませんでした。だから、正直にお話しすることを決めました。それでも応援していただけるなら、これからも頑張り続けます!」

その言葉に、会場からは大きな拍手が湧き上がった。

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### 愛人との会話

記者会見を終えた結衣は、控室で愛人に迎えられた。

「お疲れさま。よくやったね、結衣。」

「ありがとう。でも、本当にこれで良かったのかな…?」

不安げな結衣に、愛人は笑顔で答えた。

「大丈夫だよ。結衣が勇気を出して話したことは、きっとファンのみんなに伝わってる。これからは、もっと自由に自分らしくいられるんじゃない?」

その言葉に、結衣の顔に少しだけ笑みが戻った。

「うん。これからも、私らしく頑張るよ。」

こうして結衣は、新たな一歩を踏み出すことができた。そして彼女の決意は、アイドルとしての更なる成長をもたらすのだった。

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