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エピローグ
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角山出版社社長殺害事件は解決した。あの後、警察の捜査によって下水から木ノ本さんのハンカチが見つかったらしい。犯行の内容は樹玖子さんの推理が概ね正しかったようだけれど、2人とも動機の部分でなぜか黙秘をしているようだ。黄金の万年筆を調べてみたらいいのに、と思うけれど、どうやら事件や裁判の証拠として一時保管されるみたいだ。
大きな出版社の社長が殺害、ということでそれなりに世間からも注目された。テレビや新聞もそれなりに取り上げた。
とはいえ、事件を解決に導いた愛上探偵事務所には見向きもされず、現場にいた花野刑事のお手柄、ということになっていた。
「ここで樹玖子さんの手柄になっていれば依頼も殺到したんですけどね。」
そう樹玖子さんに話したら、
「別に、手柄が欲しいから探偵をやっているわけじゃないもの。それに、今回は依頼を受けたわけでもでもないしね。」
つくづく、かっこいい人だった。ちょっぴり自分が恥ずかしくなった。
「でも、樹玖子さんの推理は当たっていましたよ。手柄はないかもしれないですけど、さすが樹玖子さんですよ!」
「うーん…それなんだけどねえ…」
樹玖子さんはなにか腑に落ちない事があるみたいだ。
「私はてっきり黄金の万年筆を手に入れるための犯行だと思っていたけれど、違ったかも。」
「そうなんですか?」
「これは…今となっては想像だけど、逆だったのかも。」
「逆、ですか?」
「結局、黄金の万年筆は事件の証拠として警察に押収された。その後は検察に事件の証拠として保管されるでしょうね。もしかしたら最初からそれが狙いだったのかも。」
「でも、結局万年筆の中の弱みを手に入れることはできなかったことには変わらないんじゃないでしょうか。」
「あの2人の狙いが万年筆を手に入れることではなくて、万年筆を守ることが狙いだったとしたら?」
「守る、ですか。」
「黄金の万年筆は他にも狙う人達がいた。あの2人はその人達から万年筆を守るために犯行を行った。実際、今万年筆は警察の手の中という何処よりも安全なところにある。」
「そ、それじゃあまんまと2人の思惑通りになった、ということですか!?」
「さあね。今のは私の想像だもの。」
そう言うと樹玖子さんはケラケラと笑う。どこまでが本気なのだろうか。
「結局、僕達は真実にたどり着けなかったのでしょうか。」
「どうかしらね。少なくとも犯人は逮捕されたし、香織や福留さんからも感謝された。私達も、まだまだ駆け出しの探偵なんだから、できることをやったと思うわ。」
「…そうですね。」
やっぱり樹玖子さんはすごい。どんな時でも前向きだ。そういうところに憧れてしまうな。
「と、いうわけで!駆け出しの私達は地道にやっていかないと家賃も払えないってわけ。さあ、今日も元気に猫探しに行くわよ!」
「はい!所長!」
やれやれ、また猫探しと浮気調査の日々か。なんてことを考えながら樹玖子さんの後を追って事務所を飛び出しす。
よし、今日も頑張るぞ!
愛上探偵事務所業務日誌
ファイルNo.「黄金の万年筆殺人事件」完
大きな出版社の社長が殺害、ということでそれなりに世間からも注目された。テレビや新聞もそれなりに取り上げた。
とはいえ、事件を解決に導いた愛上探偵事務所には見向きもされず、現場にいた花野刑事のお手柄、ということになっていた。
「ここで樹玖子さんの手柄になっていれば依頼も殺到したんですけどね。」
そう樹玖子さんに話したら、
「別に、手柄が欲しいから探偵をやっているわけじゃないもの。それに、今回は依頼を受けたわけでもでもないしね。」
つくづく、かっこいい人だった。ちょっぴり自分が恥ずかしくなった。
「でも、樹玖子さんの推理は当たっていましたよ。手柄はないかもしれないですけど、さすが樹玖子さんですよ!」
「うーん…それなんだけどねえ…」
樹玖子さんはなにか腑に落ちない事があるみたいだ。
「私はてっきり黄金の万年筆を手に入れるための犯行だと思っていたけれど、違ったかも。」
「そうなんですか?」
「これは…今となっては想像だけど、逆だったのかも。」
「逆、ですか?」
「結局、黄金の万年筆は事件の証拠として警察に押収された。その後は検察に事件の証拠として保管されるでしょうね。もしかしたら最初からそれが狙いだったのかも。」
「でも、結局万年筆の中の弱みを手に入れることはできなかったことには変わらないんじゃないでしょうか。」
「あの2人の狙いが万年筆を手に入れることではなくて、万年筆を守ることが狙いだったとしたら?」
「守る、ですか。」
「黄金の万年筆は他にも狙う人達がいた。あの2人はその人達から万年筆を守るために犯行を行った。実際、今万年筆は警察の手の中という何処よりも安全なところにある。」
「そ、それじゃあまんまと2人の思惑通りになった、ということですか!?」
「さあね。今のは私の想像だもの。」
そう言うと樹玖子さんはケラケラと笑う。どこまでが本気なのだろうか。
「結局、僕達は真実にたどり着けなかったのでしょうか。」
「どうかしらね。少なくとも犯人は逮捕されたし、香織や福留さんからも感謝された。私達も、まだまだ駆け出しの探偵なんだから、できることをやったと思うわ。」
「…そうですね。」
やっぱり樹玖子さんはすごい。どんな時でも前向きだ。そういうところに憧れてしまうな。
「と、いうわけで!駆け出しの私達は地道にやっていかないと家賃も払えないってわけ。さあ、今日も元気に猫探しに行くわよ!」
「はい!所長!」
やれやれ、また猫探しと浮気調査の日々か。なんてことを考えながら樹玖子さんの後を追って事務所を飛び出しす。
よし、今日も頑張るぞ!
愛上探偵事務所業務日誌
ファイルNo.「黄金の万年筆殺人事件」完
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