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第6章 風雲志太家編
75.緊急評定
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三浦祐晴将軍の葬儀後に志天城へ戻った祐藤は、その翌日に緊急で家臣たちを集めて評定を開いていた。
祐藤
「これより評定を始める。まずは祐晴様のご葬儀に参列した者たちよ、真にご苦労であったぞよ。」
祐藤は、昨日の祐晴の葬儀に参列した家臣たちへ労いの言葉をかけていた。
この葬儀には吉江貞勝、大月長包、口羽崇数、郷田直胤、秋庭家春、志太祐宗といった志太家の主要武将の六名が祐藤と共に参列していた。
将軍の葬儀は、国を治める大名級の者のみが参列するということが通常である。
それ故に、家臣である者の参列は非常に珍しい事であった。
これは、志太家としていかに将軍家に対して忠誠を尽くしているかという事を示す為に、祐藤が家臣たちにも葬儀への参列をあえて命じていたのである。
貞勝
「我ら家臣団の参列に将軍家は志太家としての誠意は伝わりましたでしょうかな。」
貞勝は祐藤に対して問いかけていた。
祐藤
「少なくとも此度の件で将軍家は我らに対して悪い印象は与えてはおらぬと儂は思うておる。じゃが、問題はこの後であるぞ。」
祐藤は、引き締まった表情でそう言った。
そして続けて祐藤が口を開いた。
祐藤
「第十四代将軍としては、祐晴様のご嫡男の継晴様が御就任されるとのことじゃ。」
・三浦 継晴(みうら つぐはる)
祐晴の嫡男として生まれ、次期将軍としての地位にある。
父である祐晴が、志太家に対して若干の難色を示していたのとは対照的に非常に友好的な姿勢であったという。
祐藤が将軍守護職に就任した際には、将軍家の名馬を祐藤に差し出すなど志太家ひいきの傾向が顕著に見られていた。
崇数
「殿、継晴様は我らに対して友好的である故に、我ら志太家としてはむしろ都合が良きことかと存じますが。」
崇数は安堵の表情を浮かべて祐藤にそう言った。
しかし、これに対して祐藤は難しい表情をしていた。
祐藤
「いや、逆じゃ。友好的であるが故に、厄介なのじゃ。」
継晴がこのまま将軍に就任するとなれば、志太家ひいきが全面的に出るといった可能性がある。
そうすれば各地の大名家に妬まれる原因が発生し、あらゆる手を尽くして志太家を潰しにかかるであろう。
これは、将軍家の家中としても同じ事が言える。
将軍家の腹心の家臣である黒松義政という存在だ。
義政は、志太家に対して少なからず警戒している様子が見られていた事を祐藤は見抜いていた。
継晴がのうのうと志太家に対して有利に事を進めるのを簡単に許すとは思い難い。
もし仮に志太家が有利な条件を与えられたとしても前述の通り、妬みの原因が生まれる事で各地の大名家の格好の的にもなりかねない為、どちらに転んだとしても志太家にとっては非常に悩ましい問題となる事は間違いは無いであろう。
貞勝
「なるほど、確かにそれは厄介なことにございます故、我らも一層、気を引き締めなければいけませぬな。」
貞勝は、祐藤の説明に納得した様子であった。
祐藤
「うむ、我らとしても早急に策を練らねばならぬな。それに、家督相続を誤ると取り返しのつかぬことにも繋がりかねぬということを忘れるでないぞ。のう祐宗よ。」
同時に祐藤は家督相続の難しさについても言及し、今後の志太家を背負う存在である祐宗に対して熱い目線が向けられていた。
祐宗
「ははっ。拙者 祐宗、しかと心得ましたぞ。」
祐宗は背筋をぴんと伸ばして祐藤に対してそう答えていた。
祐藤
「これより評定を始める。まずは祐晴様のご葬儀に参列した者たちよ、真にご苦労であったぞよ。」
祐藤は、昨日の祐晴の葬儀に参列した家臣たちへ労いの言葉をかけていた。
この葬儀には吉江貞勝、大月長包、口羽崇数、郷田直胤、秋庭家春、志太祐宗といった志太家の主要武将の六名が祐藤と共に参列していた。
将軍の葬儀は、国を治める大名級の者のみが参列するということが通常である。
それ故に、家臣である者の参列は非常に珍しい事であった。
これは、志太家としていかに将軍家に対して忠誠を尽くしているかという事を示す為に、祐藤が家臣たちにも葬儀への参列をあえて命じていたのである。
貞勝
「我ら家臣団の参列に将軍家は志太家としての誠意は伝わりましたでしょうかな。」
貞勝は祐藤に対して問いかけていた。
祐藤
「少なくとも此度の件で将軍家は我らに対して悪い印象は与えてはおらぬと儂は思うておる。じゃが、問題はこの後であるぞ。」
祐藤は、引き締まった表情でそう言った。
そして続けて祐藤が口を開いた。
祐藤
「第十四代将軍としては、祐晴様のご嫡男の継晴様が御就任されるとのことじゃ。」
・三浦 継晴(みうら つぐはる)
祐晴の嫡男として生まれ、次期将軍としての地位にある。
父である祐晴が、志太家に対して若干の難色を示していたのとは対照的に非常に友好的な姿勢であったという。
祐藤が将軍守護職に就任した際には、将軍家の名馬を祐藤に差し出すなど志太家ひいきの傾向が顕著に見られていた。
崇数
「殿、継晴様は我らに対して友好的である故に、我ら志太家としてはむしろ都合が良きことかと存じますが。」
崇数は安堵の表情を浮かべて祐藤にそう言った。
しかし、これに対して祐藤は難しい表情をしていた。
祐藤
「いや、逆じゃ。友好的であるが故に、厄介なのじゃ。」
継晴がこのまま将軍に就任するとなれば、志太家ひいきが全面的に出るといった可能性がある。
そうすれば各地の大名家に妬まれる原因が発生し、あらゆる手を尽くして志太家を潰しにかかるであろう。
これは、将軍家の家中としても同じ事が言える。
将軍家の腹心の家臣である黒松義政という存在だ。
義政は、志太家に対して少なからず警戒している様子が見られていた事を祐藤は見抜いていた。
継晴がのうのうと志太家に対して有利に事を進めるのを簡単に許すとは思い難い。
もし仮に志太家が有利な条件を与えられたとしても前述の通り、妬みの原因が生まれる事で各地の大名家の格好の的にもなりかねない為、どちらに転んだとしても志太家にとっては非常に悩ましい問題となる事は間違いは無いであろう。
貞勝
「なるほど、確かにそれは厄介なことにございます故、我らも一層、気を引き締めなければいけませぬな。」
貞勝は、祐藤の説明に納得した様子であった。
祐藤
「うむ、我らとしても早急に策を練らねばならぬな。それに、家督相続を誤ると取り返しのつかぬことにも繋がりかねぬということを忘れるでないぞ。のう祐宗よ。」
同時に祐藤は家督相続の難しさについても言及し、今後の志太家を背負う存在である祐宗に対して熱い目線が向けられていた。
祐宗
「ははっ。拙者 祐宗、しかと心得ましたぞ。」
祐宗は背筋をぴんと伸ばして祐藤に対してそう答えていた。
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